「優しいのはあなたです」で始まり「本当は言わないつもりだった」で終わる物語
「診断メーカー」さんのあなたに書いて欲しい物語。
今回は「優しいのはあなたです」で始まり「本当は言わないつもりだった」で終わる物語でした。
280字で終われなかった…
100字オーバーですorz
ちなみに、前回の話と今回の話の登場人物は実は一緒だったりします。
「優しいのはあなたです」
いつも優しくしてもらって世話になっているから、と手渡した髪飾りを大事そうに握りしめ、泣き過ぎてぐちゃぐちゃになった顔で黒髪の女はそう言った。
潤んだ琥珀色の目から、1つまた1つと涙が落ちる。
ここまで泣かれると思っていなかった俺は、焦りながら皺だらけのハンカチをポケットから取り出し、女の顔に押し付けた。
「なにも泣くこと、ないだろ……」
渡した髪飾りは女に似合いそうだと思った物ではあるが、普段彼女が身につけている物と比べたら安物だ。
「だって嬉しいんです」
と本当に嬉しそうに笑う女に、俺はそっかと返して鼻の頭を掻く。
彼女が喜んで泣くことは何となく分かっていたから、土産だとしか伝えるつもりなかったのに……。
久しぶりに女の顔をみたら、思わず口から日ごろの感謝の言葉がでしまっていた。
何となく、格好悪い気がして、本当は言わないつもりだったのにな。
読んでいただき有難うございました!




