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 どうやらエランさまの言う『目的の人物』とはマグお姉ちゃんのことのようだった。

「あの子です。よメテオラくん」とひそひそ声でエランさまはメテオラに言った。

 メテオラがエランさまがその小さな体をぴょんぴょんと動かして指し示している方向を見ると、そこには二人の魔法使いの女の子がいた。年齢はメテオラと同じくらい。

 ……でも、メテオラは一目見て、そのうちの一人の女の子が自分と同い年くらいのころの『子供時代ののマグお姉ちゃん』であることがすぐにわかった。(マグ姉ちゃんはあんまり変わっていなかった。子供のころからマグお姉ちゃんはマグお姉ちゃんだった)

「まずはあの女の子をこの大図書館の建物の中から外に連れ出してください。でも、会話をしたり、体に触れたりして、こちらから積極的にあの女の子に接触することはだめです。あくまであの女の子の意志で、この建物の中から外に出てもらわなければなりません」とエランさまはとても難しいことを言う。

「でも、それじゃあどうすればいいのですか? エランさま」とメテオラは言う。

「大丈夫です。作戦はもう考えてあります。メテオラくん。この時の女神、エランさまに任せてください」とにっこりと笑って、自信満々の声で、エランさまはメテオラに言う。

 そんなエランさまの言葉を聞いて、メテオラは、……本当に大丈夫かな? と少しの不安を思えた。北の王国の街の中を一緒に探索をするようにして、二人で遊びながら歩いたメテオラはエランさまになんとなく最初に感じた尊敬や威厳の感情がなくなったわけではないのだけど、少し不真面目な感じを覚えていた。(エランさまはなんとなく、どこか小さな魔法使いの子供のような、つまり、いたずらっ子のようだった)

「まずはあの女の子の杖を盗んでください」とでエランさまは言った。

 そんなエランさまの(なんだかとっても)楽しそうな声を聞いて、メテオラは心の中で自分の不安が的中したと思った。

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