表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第二話~彼が遺したものをたどって。

僕が事件に巻き込まれてから約一週間…厳格な父親のせいで、僕は事件に立ち会ったとして部屋に閉じ込められていると言っても過言ではない。しかし父親に対しては厳格だけではなく、不信感も抱く。


「ねぇ、お父さん、何でテレビでは函須が殺されたこと報道されないの?」

その疑問を聞くと、お父さんは予想もしない反論をしてきたのだ。


「まだ公にはできない理由がある…それは例え、家族のお前にでも話せない。あとひとつだけ言っておく。RYOKI事件は忘れろ。これ以上の深入りはもうやめるんだ。いいな?」

相変わらずの命令口調にうんざりだ…でも、お父さんは何か知っているようだ。どうせ、漏洩とか言って、教えてはくれないだろうけどね。


「にぃに~函須さんのことは残念だったね。でもにぃには悪くないからね?顔はキモイけど」

相変わらず出来た妹だ。亜希子は…ただ一言余計だけどね。


「さて、しばらく有給も取れたし、またマスターの所へ行ってみるかな。」

「なになに?探偵ごっこ?超たのしそ~私も混ぜて!」

ごっこって…この子は大学生にもなってこんな状況を遊びだと思っているのかよ。


「悪いな…お前は巻き込めない。それにお父さんには内緒にしておいてよ。」

「でもお父さん、副署長だし、すぐ分かっちゃうかもよ?感情以外には鋭いし!」

そういや、お父さん、新しい署長が来たとかで大忙しだったみたいだ。

何でも酔ったお父さんの話だと、元々は本庁にいた敏腕刑事だったとか…なんとかね


そして、マスターの元へまた来てしまった僕。このダンディなマスターもカタギじゃなさそう。

「おぅ秋成くん、また探偵ごっこかい?ちょっとした情報を仕入れようと思うんだ。」

おいおいおいおいBARのマスターが危ない事言わないでよ?これ、映画なの?


「実は、ある汚職刑事がいてね…函須くんのUSBの情報と引き換えに、捜査情報を流してくれるらしいよ?」

まるでヤクザ映画の世界だ…こんなことが現実で、起きるなんて想像できなかった。


「その人、サイバー課とも仲が良いらしくて秘密裡にUSBのロックも解除してくれるって」

いくら汚職刑事とは言え警察官だ。そんな人間に渡していいものかな?


「ただ彼からも条件を提示された。明日の夜12時に函須くんが殺された現場に来いって…そこで取引をしたいらしい。」


大体わかった。でも警察官とは言え、やはり警戒してしまうのも事実である。どうするべきか、相談したいけど、相談する相手がいない。そういや俺って、函須とめめちゃん以外に友達いないんだったなぁ…うぅ悲しい!


決意は固まった。僕は、指定された時刻に現場へやってきた。

「おかしいと思わないか?ろくに報道もされないままに何もなかった廃ビルに戻ってるなんて」

「あなたは…?」


僕がそう尋ねると声の持ち主は、僕に姿を晒す。少し薄汚い中年といった印象。

「天国署生活安全課刑事の川谷健吾だ…ケンちゃんって呼んでてくれていいぜ?お前に恩を売っておけば、親父さんと仲良くなれる気がしてよ?」


「残念ですが、父とは仲が悪くてね…すみません」


「15年前の涼子ちゃんが死んだヤマからだったか?」


ん?涼子ちゃん?なんであの事件について知ってるんだ?


「あぁ…わるぃわるぃ、15年前、俺も一応は事件の対応したりしたぜ?マスコミへの報道規制とか」


まぁおそらくは嘘だろう。この手の男はすぐに口から出まかせが出る。


「冗談はさておき、涼子ちゃんは俺の同級生でね。憧れのマドンナだったよ。」


「今、何でその話を?」


「はぁ?馬鹿かお前?RYOKI事件が15年前のと繋がってるかもしれないだろ?」


「あ、やっべ 涼子ちゃんの近くの壁にRYOKIって書かれてるのはあんまり漏らしちゃならんかった!」


今更遅いし、僕は既に知っている…あの衝撃的な事実をね。


「それでよ、さっそく聞きたいんだけど、お前からしてあの涼子ちゃんはどんな女に見えた?」


「女って言われても、同時まだ小学生でしたし、まぁかなり美人でしたけど」


「だよなぁ~あんな美人が独身のまま遺伝子を残さずに死んだなんて勿体ねぇよな」


「そういえば先生、独身でしたね…」


「あぁそうだ…独身ではあったな 恋人はいたけどな ここで本題だ。お前にはその恋人に接近してもらいたい。何か不審な動きしてないかどうかで」


接近といわれても、相手が誰だから分からなければしようがないし、何か怖い。

「心配すんな…涼子ちゃんの恋人、それはお前もよく知っている男だ」


「それは…やべぇ一旦引くぞ、奴らが来やがった。」


「奴らって誰ですか!?一体!?」


「それについてはここから生き延びてから教えてやるよ!」


「あれれ~生活安全課の川谷刑事?奇遇ですねぇ~あなたの仕事じゃないでしょ?」


「誰ですか?」


そこには体格が良くて、いかにも強そうな男が立っていた。しかし何者だ?


「ここは見逃してくれませんかね?金井隊長!あとで20万くらい渡すんで!」


隊長…この男は何かの隊長なのか?


「20万?足りねぇな…俺は雇い主から1000万貰ってるんだよ それにこれも仕事のひとつだ。」


「チッ、涼子ちゃんの山に賭けてたとは言え、俺の刑事人生も終わりか…死んだらしまいだ!乗り切るぞ!お前、喧嘩できるか?」


「まぁボクシングと空手くらいは!」


「やる気満々だねぇ!じゃあ殺せとは言われてないけど、殺してやるよ!」


二人で掛っていくものの、まったくと言っていいほどに歯が立たない。動きと打撃の強さ。

まるで人を追い詰めることを専門としている様な動きだ。


「俺に勝てると思ったか?警視庁の裏稼業を請け負ってる 特別警備隊の隊長だぞ?」

「しゃあねぇ!本当に警察人生捨ててやるか!」

次の瞬間、川谷刑事は巨漢の足をめがけて発砲し、軽く足を抉った。


「テメェ!本当に死ぬぞ!雇い主が黙ってないぞ!」

「別にこの世に未練はねぇ 15年前の事件に未練はあるがな…」

「おい室木、これを持ってお前は逃げろ!パスワードは25254545だ!そこに恋人の情報がある。」


「で、でも…俺はここの処理をしねぇとならない…涼子ちゃんの無念、晴らしてくれ」


あってまだ一時間も経たない人間に託されてしまった…そして次の瞬間、何者かが川谷刑事の頭を撃ちぬいた。


クソクソクソクソクソクソ!行くしかない!僕はひたすらに走ってその場から逃亡を図る。

廃ビルを出るとなぜかお父さんがパトカーで迎えに来ていた。

「無事か!?」

「うん!でも川谷刑事が殺されたよ!僕の目の前で!それに本庁の金井って隊長がきて!」


「落ち着け!だから関わるなと言っただろう!お前は安全な場所で保護してもらう!いいな?」


それから一週間…テレビを付けた僕は衝撃をまた受ける。今月、何度目だろうか…

川谷健吾刑事は自殺として処理された。金井の件も、狙撃の件も何も報じられていない。


「どういうことなんだよ!僕の目の前で殺されたんだぞ!?」


「秋成、落ち着いてくれ…世の中には公にできないこともあるんだ!それにお前が変な興味で彼に接近したから殺されたんじゃないか!もう忘れろ!いいな!?」


僕のせいだっていうのか!すべては!すべては!すべては!

こんな家にいてたまるか…もう誰も信用できない!僕は家を飛び出して、ネットカフェへ行く。


託されたもうひとつのUSBを解析した。そこには東京都・天国市・現市長の収賄の流れや裏金の流れなどが記されていた。そして川谷刑事の独自ファイルによると…この男が涼子先生の恋人だったらしい。


更にもうひとつ…衝撃的な事実を僕は知ってしまう…知らないほうが良かったかもしれない。


父…室木秋一は15年前の事件を隠蔽した…と






ついに動き出したといえるでしょうか!?今回はオリジナルキャラクター成分多めですね!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ