表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/81

第2章 プロローグ

 暗がりの部屋で、女の人がうずくまっている。その後ろ姿の女の人は、赤毛のカールした長い髪で、黄色いドレスを着て、腰の大きなピンクのリボンが印象的だ。そして体が小刻みに震えている。


 昨日と同じだ。またわたしは部屋のどこかからお姫様を見ている。


「りこ・・・・助けて、りこ・・・・」


 やっぱり今日も女の人がほんの小さな声で、なにか言っている。


「りこ・・・・助けて、りこ・・・・」


 もう1度女の人がほんの小さな声で言った。昨日はここで、お姫様がこちらを振り向こうとした時にわたしの目が覚めてしまったのだ。でも今日はそうではない、まだ大丈夫みたいだ。わたしはお姫様が誰のなのか、注意深くお姫様を見る。


 目をこらして見て、あることに気がついた。どうやらお姫様の右横には、なにか物があるようだ。なんだろうあれは?サイズは枕くらいの大きさだろうか?暗くてよく見えないけれど、なんか塊みたいなのが確かにある。


 もっと目をこらして見ていたらその物体が動いた。ムクッと立ったように見える。そして、そのなにかがこちらに近づいて来た。ゆっくり歩いている。サイズからすると、妖精かなにかだろうか?それとも小人?


 しばらくして、そのなにかの正体が、薄ぼんやりとわかるまでになった時、それがわたしの知っているある物であることが判明した。


「あっ!」


 わたしは思わず声を出してしまった。その正体は、勇者のぬいぐるみだった。あのぬいぐるみは、この特別な夢にまで出て来た。


「じゃあ夜にな」


 勇者のぬいぐるみが言うと同時に、わたしは目が覚めた――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ