領主の資格①
【刀の領主】であるレオンハルトに【決闘】で勝利した波瀾万丈!
「村人のカードを使い、そしてそれを活かす戦術、見事であった。
―――波瀾万丈…!おぬしの、勝ちだ!」
「では、アーリア村は…!」
「無論、鏖などできるはずもない。むしろ、余にはすでにそのような権利がないわ」
レオンハルトが【本】を開く。
「見よ」
見ると、光となったカードが宙に浮いている。
「【賭け】カードだ。受け取れいるがよい」
レオンハルトの【本】の上に浮いていた光が、僕の【本】へと飛び込む。
するとそこには《【刀の領主】レオンハート》が収められていた。
「こ、これは…!」
受け取れないと僕が言う前に、レオンハルトが制止する。
「それは強者の証。より強いものが持つべきカードだ。貴様は余に勝利した。であれば、貴様が持つのが必然よ」
レオンハルトは村人と衛士たちに向き直る。
「聞けい、領民たちよ!いまこのときよりこの波瀾万丈が【刀の領主】となる!」
レオンハルトは僕へ目を配る。
「貴様からも、なにか言ってやるがいい」
「突然すぎると思うんだけど、領主交代はいつもこんな風に?」
「余のときは、もっと血生臭かったが、それが望みか?」
「…いや、聞かなかったことにしてほしい」
村人と衛視たちは、みな僕を見ている。
僕はレオンハルトに促され、一歩前へ歩み出て、口を開く。
「―――、―――。―――!」
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そこで話したことは、緊張していたからか、いまはもう、なにも覚えていない。
ただ最後に、領民のみなに拍手を受けたことは、いまでも覚えている。
僕はいま、大きな机、書類の山の前に座らされている。
ここは【刀の領】、領主の執務室だ。
あれから一週間ほど経ったが、ずっと書類に判を押し続けている。
内容はなにも頭に入ってこないが、領主交代のために必要な仕事らしい。
「肩の荷が降りたわ」レオンハルトが別れ際にそう言った意味が分かった気がした。
「ハランさま」
「なにか?」
「そろそろ、他領へ赴く頃合いかと」
「そうか、腕がなるな」
そう、これから僕は【刀の領】以外の領主の元へ向かう。
■用語説明
①【刀の領】
-レオンハルトが治めていた【神教国カルディア】の領のひとつ
-この他に、剣、盾、鎧の領が存在する




