表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神ノ遊ビ~十二災編~  作者: セドル
第一章 
4/4

第三話 懐かしの男

投稿遅れ+下手くそな文の罪は重い…

 「到着っと。ここは…」

 結構な距離を飛んだようだ、一応東の方角に飛んだという事だけは分かっているのだが…そう考えていると、服の裾を誰かに引っ張られたのに気づく。

 「看板…」

 裾を引っ張ったのは零だった様だ。んーと何々。『水都 ヘリス』ねぇ。なんかおしゃれな雰囲気が漂ってくる。

 「綺麗。」

 淡白な感想だが、感情はこもっているように感じる。



・・・



 「ずいぶん活気のある街だなぁ。」

 おしゃれな感じで、いろんな高級店が並んでいるのかと思っていたが、思いの他露店も多く、歩いている人たちの表情も明るい。

 「私がいた場所と全然違う。」

 あれだけつらい場所で生活していたんだから、ここはまるで天国のような場所だろう。

 「楽しいか?」

 「楽しい。」

 良かった。そう思って笑顔を見せる。

 「煉の笑顔って、なんか綺麗だよね。」

 「急にどうした?」

 余裕ありげに言ったが、実は滅茶苦茶驚いてる。こういうこと言うんだなぁ。今後はそっちにも注意しないと。

 「いや…特に何か考えて言った訳じゃない。ただそう思ったから。」

 子供はよく分からない事を言う事が多いが、今回はとても不思議だ。何せそういうキャラではないはずだからだ。

 「零も笑ってくれないかな?」

 「難しい…と思う。」

 「どうして?」

 「感情が…ないから。」

 感情がない?どういうことだ?確かに感情が薄そうではあったが、無いという風にも見えなかった。

 「それって、そういう感覚って事?」

 「違う。」

 と首を振りながら否定する。

 「取引…したの。悪魔と。」

 やはり悪魔との取引か。だがやはり不思議だ。悪魔との取引に使ったものが感情だとしても、完全に無くなっていないのは変だ。それに、力も感じない。すでに終わった契約という事か?だがそれにしても魔力の違和感。悪魔と契約したというより、悪魔そのもののような…

 「どういう取引?」

 「気を遣ったりしないんだね。」

 確かに街中だが今いるところは人が少ないし、まぁ、良いだろう。

 「まぁ、気を遣って何も聞けないんじゃ意味がないからね。」

 「そう…だね。」

 少し暗い顔をして口を開く。

 「悪魔と取引した内容は…私の感情の”大部分”を失う代わりに、両親を殺してもらったの。小さいころから虐待を私に行っていた両親が恨めしくて。」

 なるほど。まぁ納得いかなくはない。だが、それだと魔力の違和感に説明がつかない。それに、二人の人を殺すのに、感情の大部分だけで足りるとは思えない。だが、もしも何か隠しているとしても、まだ言いたくないのだろう。わざわざ聞くことはない。

 「辛かったな。」

 そういって頭を撫でてやる。

 「別に。今は煉がいるから、もう大丈夫。」

 「そっか。良かった。」

 一人の人。それも自分の娘を少しでも幸せに出来たなら良かった。君も少しは、喜んでくれるかな。

 「ねぇれー

 「おぉ!久方ぶりだな!「闇喰」!」

 と快活な声で話しかけられる。誰だったか思い出そうと、頭の中の引き出しを全力で漁るっていると、

 「俺だよ。「千剣」の無為 纏翼 だよ。」

 「あぁ!纏翼かぁ!随分と懐かしいなぁ。400年ぶり位か?」

 「いやそれ俺生きてない。せいぜい250年くらいだろ。俺が100歳ぐらいの事だったしな。というか、剣を俺に教えたのお前だろ!何で忘れてんの!?」

 「そうだったかな?俺が350位ってことは…そのしばらく後に閃ちゃんの面倒を見てた位か。」

 「ていうか十二災の面倒見過ぎじゃね?俺と、銀嵐と、あと「黒炎」と「盲目」もそうじゃなかったっけ?」

 「涼ちゃんはよく覚えてるなぁ。目が見えてないのに、あれだけの強さだったから、だいぶ衝撃的だったなぁ。筋も良かったし。」

 「なんでそっちは覚えてんのに俺は覚えてないんだよぉ。まぁ、それはそれとして、その子供は?お前女でも作ったのか?」

 「それはない。こいつは貧民街で拾った。」

 「十閻寺零。よろしく。」

 「へー。なんで十閻寺?偶然?」

 「いや、一応俺が名付けの親だからな。」

 「さすがの面倒見の良さだな。昔から全く変わってない。」

 「そうか?そんなこと無いと思うけど。まぁ、なんでもいいや。お前ここに住んでるのか?」

 「まぁな。ちゃんと住民も知ってるから、俺といりゃぁ別に警戒されたりしねぇよ。」

 ほぉ。やるな。俺は全く認めてもらえないが、ちょっとお兄さん系イケメンなのが効いてるのか?これだからイケメンは。まぁそんなこと言ったら俺も悪い方ではない(と思う)のだが。

 「じゃあ、軽く案内してくれよ。出来れば宿も。」

 「分かった。任せとけ。」



・・・・・



 「なんか…豪華じゃね?」

 「おう。」




・・・・・



 すげぇ内装。めっちゃ綺麗。シャンデリアとか、普通の宿じゃ見ねぇだろ。カーペットもしっかり敷いてあるし。床や壁に使用されてる素材は、明らかに高そうな石。あいつこんな所が行きつけなのか。金持ちかよ。俺も金持ちだけど。

 「なんかすげぇ。」

 「そうだね。凄い。でも、煉からそんな雑な感想が出てきた方がびっくり。」

 「そんなこと無いだろ。」

 「だいぶ大人な感じだから、あんまり予想できなかった。」

 そんなに大人っぽかったか?嬉しくなくはないが、初めて言われたから驚いた。君には可愛い扱いされてたしなぁ。

 「あっ、そうだ。せっかくだし、チェックインした後、闘技場で久々に戦らねぇ?」

 「まぁ、いいけど。勝てるの?」

 「勝てるの?ってお前…鬼畜やなぁ。本気でやるわけじゃない。軽くだよ軽く。」

 「あぁそう?」

 正直、纏翼は強い。けど、纏翼の強みである剣すら、使い方を教えたのは俺だし(思い出した。)。勝ち目はほぼ無いんじゃないかなぁ。ハンデとかつけようかな。

 「じゃあ、飛ぶぞ。」



・・・・・



 「おぉ。でけぇ闘技場。というか零の意見聞かなかったんだけど。」

 「別にいいよ。煉がどのくらい強いのか知りたいし。」

 強さに興味あったのか…俺の感想が雑なのよりも圧倒的に以外だわ。

 「じゃあ!戦ろうぜ!」

 はぁ。ため息をついてついていく。

 「よし!準備は…いらないよな!」

 「ハンデいる?」

 「いらん!無くても勝つ!たぶん無理だけど…」

 最後ネガティブになるのか…でもまぁ、よく言うようになったなぁ。俺に習ってた時はしょっちゅう泣いてたのになぁ…

 「よし!行くぞ! 来い!我が愛刀「天狼」!」

 「はぁ…創造。「闇刀」。」

 ギィィン!

 速くなっている。間違いなく。

 カキィィン!ギン!

 しかし、剣の性質をしっかり理解している訳では無い様だ。数撃の打ち合いで思い出した感覚を元に、脆い部分を探っていく。そして、

 「天狼の脆い部分は…ここ!」

 パリィィン!

 「なっ!?折れた!?」

 「千剣の内の一つである天狼の特徴は、軽さと、鋭さが両立された一番スタンダードなお前の愛剣。そしてお前の持つ剣のすべては、一度消せば、次出す時には元に戻る。かと言って数撃で折れちまうのはなぁ?これは鍛錬し直しかぁ?また、あの時みたいに。」

 というと、ウルウルしだして、

 「やめてくれぇ!あんな鬼畜修行はもうやりたくねぇ!」

 といってダッシュで出口に行ってしまった。情緒不安定かよ…まぁ、そこまで辛かったんだろ。

 「行っちゃったね。」

 「俺らも行くか。」



・・・・・



 「おーい。ってあれ?」

 何故か纏翼は女の後ろに隠れて震えている。そこまで俺の稽古きつかったのか…

 「えーと。何があったの?」

 知らない女だが、恐らく纏翼と仲がいいから、大して俺に驚かないんだろう。

 「いやー。もっかい稽古付け直すか?って聞いたら、泣いて走っていっちゃって。」

 「あぁ!鬼畜師匠って、「闇喰」さんだったんですね。」

 災名はよく知られているのに、名前は知られてないのか…いや、怖くて名前が呼べないだけか?というか俺の事鬼畜師匠って呼んでたのか。これは後で本格的なお仕置きが必要だな…

 「名前は覚えてないんですか?毎回災名で呼ばれるから、不快なんですが。」

 「あら、災名で呼ぶのがマナーじゃなかったんですか?」

 「十二災ほとんどがそう言ってるだけで、俺は名前の方がいいんですよ。」

 「そうだったんですか…ごめんなさいね?煉さん。」

 「…ずるい。煉。」

 何がぁ!?ん?何した俺?ずるい…分からん。なんでや?俺何も悪い事して無くねぇか!?

…ふぅ。落ち着いた。しかし失態だ。取り乱してしまった。落ち着いて対処すると決めたばかりなのに。

 「どうした?零。」

 「だって。私の時はそういう事言ってくれなかった。」

 ん?どういうことだ?言ってなかったっけ?こんな感じのこと。いや、そもそも覚えて無いし。それに嫉妬?嫉妬なのか?…落ち着かねば。これ以上取り乱すのは俺的にNGだ。

 「まっ、まぁ、そうだったようなそうじゃなかったような。」

 まぁ、それは置いておいて、取りあえずもう部屋に戻ってゆっくりしよう…というか纏翼!ハッ!拗ねてる!でも…めんどくさいからいいや。というかこの人の名前聞いてなかったな…

 「そういえばお名前は?」

 「燐火です。冬川燐火。」

 「なんか噛みあわない名前ですね…」

 「よく言われます。」

 よく言われるのか…

 「じゃあそろそろ部屋戻るので。失礼します。」

 そう言って燐火さんの隣を通り過ぎる。その時に囁くように纏翼に言う。

 「夕食までに機嫌直しておかないと…わかるな?」

 カタカタと震える纏翼を横目に零と一緒に部屋に戻るのであった…

都について言及できず申し訳ない!でも、次回もする気はないです。

にしても俺のかっこ率は異常なんではないかと思ってしまう…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ