表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/51

第五十一話 宰相との会談と次期王との顔合わせ

 宰相との会談と次期王との顔合わせ


 吸血鬼のダンジョンでの作業が終わってから、数日が経った。

 私とアインス、それにアサドたちは、現在、王都の高級宿屋の一室にいる。

 王都屋敷を使っても良かったのだが、宰相が手配してくれたので、利用してみることにした。

 アインスは、朝方にこちらに到着したばかりで、一緒に連れてきたアーマードスレイプニールは、厩舎にいる。

「アインス、バンパイアたちの様子は、どう?」

「妹たちは、以前よりも穏やかな雰囲気になった気がします。おそらく私と同じで、バンパイアの通常の最高位に到達したことで、気持ちに余裕ができたのでしょう」

「それなら、あちらは、妹たちとウイステリアに任せても問題なさそうだね」

「だとよいのですけどね。一応念を押しておきます」

「まあ、ほどほどに」


 そうして、しばらく雑談をしていると、宿屋の者が、宰相の迎えの馬車が来たと知らせてくれたので、皆で向かう。

 今回は、表向き私とアインス、アサド二体で会談をする予定だ。残りのアサドたちは、私たちの影に潜んでもらう。

 有事の時は、これで何とかなるだろう。

 宿屋の前に停められた馬車に乗り、どこかに運ばれる。

 馬車は、一見豪華なのだが、その乗り心地が悪いことは、ミナンのダンジョンで奪った貴族用の馬車に、試し乗りをした時に痛感しており、憂鬱な移動時間となった。


 王城区への門に近い屋敷に馬車は入り、そこから家令に案内された。

 日当たりの良いサロンにテーブルセットがいくつか置かれてあり、そこに皆で着席した。

 間もなく宰相が現れ、会談は、始まった。


「マイカ様、お久しぶりです。会談に応じていただき感謝いたしております……」

 何か歯切れが悪そうな感じがするが、と考えてみたところ、思い当たるところがあった。

「お久しぶりだね。宰相君もお元気そうで何よりだよ。ああ、顔立ちが以前と違うから、戸惑ってしまうよね」

「ええ、確かクルギス人の特徴が強いお顔立ちだった気がしたのですが?」

「私たちのような存在は、姿が希に変わってしまうんだ。だから、あまり気にしないでほしい。成長をしたと思ってくれたら良いかな」

「なるほど、成長ですか。ダンジョンのモンスターでなくとも、成長と共に姿を変える生き物は、おりますから、そういう解釈でよろしいのでしょうね」

「うん、そういうことだと思ってほしい。それで、会談は、どんな内容を?」

「実は、息子ともう一人、同席をお願いいたしたいのですが、いかがでしょう?」

「今日は、難しい話をするつもりで来ているから、多少煩わしい人物が来ても問題ないよ。息子君は、もちろん同席は構わない。もう一人は、王太子君かな?」

「ええ、やはり、お見通しでしたか。王太子殿下は、聡明な方ですので、ご不快なふるまいは、されないかと。どうでしょう?」

「まあ、合わない方が良いとは思うのだけど、どうしてもというのなら、会ってみようか」

「ありがとうございます。それでは、呼んでまいります」

 控えていた家令に呼ばせるのではなく、直接、宰相が呼びに行き、やがて戻ってきた。

 宰相は、老年といえる年齢なのだが、その息子というだけあって、中年にかかるほどの年齢だった。

 王太子は、まだ二十歳になっていないほどの年齢に感じる。

「マイカ様、お初にお目にかかります。宰相の息子、アルト・ランドルと申します」

「「マイカ様、王位に就く機会をお与えくださって感謝しております。王太子のジャン・ゴルチア・ランクスと申します」

 宰相の家名ってランドルだったんだ。

 ジャン君は、確かに聡明そうな人物っぽいな。

「私も、ちゃんと名乗らせてもらう。マイカ・ミナンという。他の家名もあるのだけど、ここでは、ミナンを家名としている」

「マイカ様は、貴族だったのですか!」

「宰相君、私は、人の世界の存在じゃないから、貴族というのとは、違うかな。簡単に私の家名を説明すると、元々の家名は、生まれた世界に置いてきたつもり。こちらの世界では、私が降り立ったミナンの地から家名をもらったってことになるね」

「なるほど。我が国では、マイカ様のような存在を、豪族などと呼んでおりますね。爵位でいうなら侯爵相当の者になります」

「土地に根付き、力を付けた者たちを、そう呼ぶのかな。だとしたなら、私たちは、ダンジョンだけがあれば、良いから豪族ともまた違う存在になるね」

「そうかもしれません。それに爵位となると、国の貴族になるということですから、マイカ様方も望まないでしょう」

「まあ、そうかもしれないね。それじゃあ、本題をそろそろ良いかな?」

「はい、それでは、いくつかお聞きしたいことがあるのです。まずは、ホックルの街と北の城の件なのですが、なぜ、街を消し、城を陥落させたのでしょうか?」

「ホックルの街については、宰相君と、北方の辺境伯だった人が仲が悪いって聞いていたから、宰相君たち王城派が強くなれるお手伝いをしてあげたというのが、おまけの理由で、最大の理由は、資源不足だったからなんだ。私たちは、人の命や遺体から、いろいろなことをする。そのための素材集めが主な理由だね」

「街の者、全てが素材となってしまったのですか!」

「うん。残酷とか非道とか思うかもしれないけど、このことを決めた切っ掛けは、南方辺境領での戦いで、貴族という生き物が、平民を家畜のように潰していく様子を見てしまったからなんだよ。君たちがやっていることを、私たちがやっただけ。北の城も大体同じ理由だから、それで良いかな?」

「……、なるほど。確かに、戦いとなると、私たち貴族は、平民たちを魔法攻撃の盾として使うことは、良くあることです。我々から学んだ作戦というのなら、仕方がないのかもしれません」

「理解が早くて助かるよ」

「ノルン北方辺境伯を処分できたことや敵対派閥の貴族を、北方辺境領に追いやれたことは感謝しております。北方辺境領東部の未知のダンジョン、マイカ様が教えてくださったオロチのダンジョンへの攻撃も、素材集めと?」

「まあ、それもあるのだけど、オロチのダンジョンは、一度も防衛戦をしていないから、どれくらい戦えるかの確認が一番かな」

「こちらもやはり、マイカ様が私たちのやり方を学ばれた結果が実行されるのですね。彼らの戦後の処分に何か要望などはございますか?」

「そのことなのだけど、平民たちからしたら、突然やってきた新たな貴族が、領地に入ったばかりで、すぐに戦いを始め、負け戦をしたってことになるよね。ダメ貴族すぎて、平民たちも、さすがにまともに相手をしないんじゃないかな。だから、あえて、そのままの爵位で、その領地に留めておいてほしい。そうしてくれていれば、私たちが今、ベルギド王国で仕掛けている工作がうまく行きやすくなると思う。どうかな?」

「なるほど、私としても、敵対派閥の貴族たちが勝手に没落していくのは喜ばしいことです。そのようにいたしましょう」

「ハルト君と王太子君は、何かあるかな?」

「では、私から。次期宰相なのですが、息子である私が勤めたいと願っております。マイカ様に後ろ添えになって頂けたなら心強いのですが、いかがでしょうか?」

「そういう、厚かましいとも思える願いを口に出せれる君は、良い宰相になれると思う。私が、君の父上、宰相君と交流を持とうと思えたのは、性格が黒いからなんだよね。その黒さは、とても人らしい感じがして、好ましく思ったんだ。君も娘さんを王太子妃にしているのだよね。そういうところを、うまく使える人になれるなら、私は力を貸すよ。でもね、私は本来、人と関わるべき存在じゃないから、後ろ添えにはなれないかな」

「かしこまりました。では、後ろ添えではなく、お力をお貸しください」

「うん、そういうことなら、かまわない」

「親子ともどもよろしくお願いいたします。決して、マイカ様方の存在をにおわすようなことは致しません」

「なら、たまに話を使用」

「では、私からも。間もなく、先王の葬儀が行われ、それから喪に服すのですが、それが明けたなら私は王に就きます。その後でしたら、恩人であるマイカ様に何か恩返しができるかもしれません。前もって何かありましたらお聞かせ頂ければと思うのですが、いかがでしょう?」

「そうだね。今の時点では、特にないのだけど、私たちの目的は、人を殺すことではなくて、ダンジョン自身からの願いで、人の手から私たちにダンジョンの権利を移すことなんだよね。それは、人側からしたら、すごく困ることだと思う。でも、必要なことだと信じてやっているし、人が困る様子を見て喜んでいるわけでもない。だから、困っていそうなら、助けもするし、この先、君の力が必要になる場面が必ず来る。その時に力を貸してほしい」

「ダンジョンの権利を人からマイカ様方に移すことは、どうしても必要なのでしょうか?」

「残念なことに、どうしても必要なことだと私は、思っている。ランクス王国内だと、あと二つか三つしか、人が管理をしているダンジョンは、残っていないのじゃないかな」

「はい、そう報告を受けております。止めることはできないのですね。では、私どもが困り果てていそうなら、どうか手を差し伸べて頂きたい。そのうえで、マイカさまの力になれることがあるのでしたら、ぜひ、やらせて頂きます」

「困っていそうなら、必ず助けに行くよ。君は、聡明すぎるかもしれない。王は、そういう存在でも良いのかもしれないね。頼りにしているよ」

 会話の最中、アサドたちに、内心を探らせていたが、三人とも、ほぼ本音で話しているようだった。


 どうやら、宰相には、国を簒奪する気持ちは、全くないようだ。多少残念だが、混沌を望んでいるわけでもないので、このままにしておこう。

 その後も、いろいろと情報を交換して、有意義な会談となりこの日の会談は終了した。

 最後に、王家の紋章が入った身分証をもらい、これがあれば、王城の中にまで入れるそうだ。


 そうして、一晩だけ高級宿屋で宿泊してから、ミナンのダンジョンへ戻った。



年末あたりから、マイカの動きと私の書きたい方向性が変わってきてしまっています。

マイカの好きなようにやらせるか、何とか方向性を合わせるか、悩みまくり中で

いっそ、今まで投稿したことで学んだことを踏まえて一から書き直すか、修正をするかとも考えてしまいます。

数日、考え込んできます……。

もし、下げることにしたとしても、必ずこの話は、書き終えるつもりです。

さて、どうしたものか……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ