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第五話 魔法と目的

 

 魔法と目的

 魔法は、イメージということで、日々の生活に魔法練習が加わった。

 ダンジョンマスターの魔力は、この世界の魔導師と呼ばれる者程度はあるそうなので、遠慮なく練習をしても良いという。


 初級魔法というのは、水球を出す魔法などの一属性でできる魔力の消費が少ない魔法をいうらしい。

 火をともす、水を出す、風を起こす、土玉を作り出す、光玉を作り出す。闇の幕を広げる、などだ。

 ダンジョン内で練習をしようと丁度良い場所を考えたが、トラップと迷路と毒しかないダンジョンで安全なんてあるわけもなく、大人しく外で練習をすることにした。

 さて、ライトから、始めるとして、ヒカリゴケでは、明るさは十分ではない。

 そこで、白熱球をイメージして、スイッチの切り替えで消せるように、頭の中でもトリガーを作った。

「ライト!」

 イメージ通りの明るさの光球が出来上がり、スイッチを消すイメージをして光玉を消す。


 今度は無詠唱だ。

 そこで、ふと気が付いたのだが、私ってもう消す時にスイッチをイメージしてるよね。

 ってことは灯るようにイメージしたら、すぐにできるんじゃないの……。

 白熱球をイメージしてスイッチを入れる。

 光玉が現れ、スイッチを消すイメージをすると消せた。

 同じ要領で、火魔法、水魔法、風魔法、地魔法、闇魔法とリアに成功した時のイメージを教えてもらいながら、覚えていった。

 さらに、大きさや密度、温度を調整することで、変化を付けられるそうだ。

 イメージしやすいものをいろいろと工夫をしていき、火の玉は、二メートルほどの大きさの球になり、水球は、氷の槍となり、そよ風程度だった風も扇風機ほどになり、土玉は、弾丸のような形となった。

 光と闇は取り扱い注意らしいので、先に四つの属性をそれなりに行えるようになってから、練習するそうだ。


 さて、ここまでできたら、もう初級魔法卒業じゃないの?

 という話かと言えば、全然違うのだ!

 これを飛ばせるようにしなければ、初級魔法卒業とならない。

 さあ、考えてみよう。二メートルの火の玉をどうやって飛ばす?

 一応、物理現象は無視をしてくれて、浮かんでくれてはいる。

 リアにもコツをきいたが、魔力でぐぐっとして、ボーンとしたらよいのです、という答えが返ってきた……。

 リアって、もう少し理論派だと思っていたよ。

 というわけで、魔力で、ぐぐっとしてボーンとやってみることにした。

 ぐぐっと、ここまでの形状変化で覚えた魔力の圧縮を行い、それをボーンと火の玉に当てると、確かに飛んでいった。

 だが飛びすぎだ!

 あやうく、遠くで作業をしているハイスケルトンに当たるところだった。

 このググっとボーン、現象名をつけるとググボンを魔法のトリガーとなるスイッチに組み込んでいく。

 ググボンを取り付けた氷の槍は、良い感じに飛び出すようになり、石から金属にまで変化させた弾丸も形が良いのか、中々の速度で飛んでいった。

 ここまでは、予想通りだったのだが、風がおかしくなった。横向きに竜巻の様な渦を巻きながら、飛んでいき、木々をしばらく破壊してから止まった。

 リアの予想では、風の刃が一閃通る程度だったらしいのだが、私なりに考えると、扇風機の回転が風の動きに加わったことで、こんなことになったようだ。

 その後も、丁度良い大きさに魔法を調整していき、四属性の初級魔法は卒業できた。


 そして光魔法の練習だ。

 キュアヒールという回復魔法で、ご丁寧に、森から良い感じのイノシシをハイスケルトンが持ち帰ってきてくれた。

 多少の怪我はあるが、これを癒せという事なのだろう。

 ツタで編んだ縄は、しっかりイノシシを縛り上げており、元気にさせても問題はなさそうだ。

 さすがに、この知識は、地球にはないので、リアにお手本を何度か見せてもらう。

 その結果、私がイメージした物は、湿布だった。

 何でも治す不思議な湿布を手から出し、それを一瞬貼り付けたまま体内に溶かすというイメージだ。

 早速やってみると、始めのイメージが良かったようで、簡単にキュアヒールは習得できた。

 次に、キュアブラッドという、解毒魔法だ。

 適度に薄めた毒をイノシシに与えて、リアが見本を見せてくれた。

 これは何でも治す魔法の湿布から、血液を奇麗にする不思議な湿布にイメージを変えるだけで成功した。

 そして良い感じに、反応が薄くなっているイノシシにキュアマインドという精神混乱解除の魔法をかけるそうだ。

 リアがかけ終わると、反応が薄くなっていたイノシシが暴れ出し、それを、ハイスケルトンがこん棒で殴りつけ、私とリアで、キュアヒールを繰り返す、という作業を何度か行うと、イノシシの反応が薄くなったので、キュアマインドをやってみる。

 これはおでこに湿布というか、熱さましの冷却シートを貼る感じで、正気に戻す魔法を塗ったシートを貼るイメージで行った。

 成功したようで、イノシシは暴れ出し、今度は毒も交えてイノシシを痛めつけてキュアヒール、キュアブラッド、キュアマインドを習得していった。


 今度は、闇魔法の練習だ。

 精神攻撃魔法で、混乱、魅了、幻覚、誤認の四種類があるそうだ。他にもあるそうだが、初級は、この四つらしい。

 混乱は、文字通りの混乱状態で、我を忘れて暴れるそうだ。

 魅了は、男女、種族、無機物、有機物関係なく、指定したものが気になるようになる魔法だという。男女間で使えば、危ない魔法になるのはもちろんだが、石像に求婚をしている人をイメージしたなら、そちらの方が気の毒に感じた。

 幻覚は、見えるものが変化する魔法で、日常の生活エリアから、突然森の中にいるように幻覚を見せられるそうだ。だが、触った感じなどは変わらないので、あるはずのないところにある木を触っても、すり抜けてしまうという。

 そして、誤認だ。これは、仲間だと思っていた者たちを、全員スケルトンに誤認させたり、崖に橋があるように誤認させて崖から落とすなど、そういう使い方ができるという。

 やり方自体は、簡単で、ビー玉程の大きさの黒い球を作り出し、そこに四種類のうちのどれかをイメージで付与して、対象に当てるだけらしい。

 試しにリアが、イノシシを混乱させて、私は、ハイスケルトンを対象にした魅了をイノシシに掛けた。

 我を忘れながら、ハイスケルトンにすり寄ろうとするイノシシは、恐ろしすぎるので、キュアマインドで治してから、改めて四つの魔法の練習を繰り返した。

 一通りを使えるようになったので、ここまで頑張ったイノシシは、奇麗にしてから、今晩の夕食になってもらうことになった。


 闇魔法の最後は、アシッドボールという魔法で、当てたものを溶かす魔法という。

 外に出て手ごろな岩へ、リアがアシッドボールを放つ。

 直撃した岩は、いびつに解け始め、しばらくすると止った。

 硫酸の球だとイメージして出来上がった球をググボンを組み入れて飛ばす。

 リアの時と同じように、溶けだし、しばらくすると止った。

 アシッドボールの形や大きさも変えながら練習を繰り返し、これも習得できた。

 この作業に実のところ、一か月ほどかかったが、今まで身を守る手段がまともになかった私としては大満足だ。


「マイカ様、闇魔法を最後にしたのには理由があります。闇魔法は人の世界では、禁忌魔法とされており、使える者もほぼいないのです」

「うすうすは、そうじゃないかと感じていたよ。練習方法が異常だよね。光魔法も何か制限があったりする?」

「はい、光魔法を使える者も少なく、使える者は、ほぼ神職に着くようです」

「じゃあライトも使えないの?」

「いえ、ライト程度なら、魔法を使える者ならほぼ使えることでしょう」

 それから詳しい説明をうけると、人の魔法には、生活魔法と一般魔法、特殊魔法の三種類があり、明かりを灯したり、薪に火をつける程度の魔法は、生活魔法となるそうだ。

 一般魔法は、私が、ググボンと名付けた仕組みが入っている魔法をいうらしい。

 さらに、特殊魔法というのは、召喚魔法や大規模な儀式魔法が、それにあたるそうだ。

 そして、ライトやらは、ググボンが入っていないので生活魔法になるという。そもそも、ググボンを入れ込むことがその属性を使えることの証明らしい。

 ググボンの正式名称を改めて聞くと、魔法回路というらしい。普通過ぎるので、以後もググボンで通すことを堅く決めた。

 ちなみにだが、回復魔法にもググボンは入れてある。魔法の効果を圧縮してボーンと体内に溶かすようになっているのだ!

「なるほど、光魔法の練習は、神殿やら教会で、怪我人相手に練習ができるわけね。だから、神職の者が光魔法を使えるようになるのか」

「はい、その通りです。闇魔法は、そもそも人には、希にしか現れない属性ですので、見つかったなら、国やらが、保護をして管理するようです」

「こちらは、囚人を使った練習をさせるのかな。魅了を覚えるだけでも、不審人物の取り調べに有効だものね」

「おそらくそうでしょう。そこで、マイカ様のように二つの希な魔法を使える方となると、まず見当たらないのです。マイカ様は、そういう存在だと自らを覚えておいてくださいませ」

「もしかして、この素質みたいなものが、私をこの世界に呼び寄せることになった決め手だったのかな?」

「はい、その通りです。現在のダンジョンたちは、人の手により、資源を生み出す無限の道具のように扱われております。それに反抗すると、コアが破壊されたり、ダンジョンマスターを人側の者に変えられたりしているのです。反抗した結果、コアが破壊されるのは、私たちとしては、死に該当しますが、無理やりに働かされるよりは、マシというものです。そこで、マイカ様に人側になったダンジョンを開放するか、コアを破壊するかしてほしいのです」

「私は、自分の意思とは関係なくこの地に連れ去られたけど、今の生活も気に入っているんだ。ダンジョンという存在がどういう存在なのか、まだよくわからないし、私はまだ弱い。もっと強くならないと何もできないけど、それで良いのかな?」

「マイカさまの強化とダンジョンの強化には、いくつかプランを考えておりますので、ご安心ください。後は、マイカ様のお気持ち一つです」

「わかった。私の命は、ダンジョンに助けられたようなものなんだから。すぐには無理だけど、大きな目標として『ダンジョンの解放者』になってみよう!」

「我ら、ダンジョンコア一同を代表をして、心からの忠誠と感謝を捧げます!」

「それじゃあ、のんびりペースになると思うけど、改めてよろしくね」

「はい、こちらこそ、改めてよろしくお願いします」



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