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第四話 地形と強化

 地形と強化


 この世界に呼ばれてから一か月の時が流れた。

 その間の私は、ダンジョン造りに頭を使っていたが、基本的な生活パターンは、皆の持ち物にあったタオルを合成して作り上げた布団と枕を玉座の広間に広げて、そこで寝起きをし、目が覚めたら、リアが使ってくれる魔法で身支度をしてもらってから、ダンジョン入り口に向かい、開拓の様子を見守ったり、運ばれてくる中に珍しそうな品があれば、それを観察したりして、この世界の雰囲気に慣れようとしていた。


 それを昼頃まで行い続け、玉座の広間に戻ってからは、リアとともに、ダンジョンの立体図やダンジョン周辺の映像を眺め、あれこれと思考を巡らす。

 ダンジョン周辺の映像は、警戒や偵察を任せているクレイガーゴイルたちの眼を通してダンジョンが集めた映像で、指示を出せば、空から見下ろす映像にもしてもらえる。

 それならばと、八体いるクレイガーゴイルたちの中から、四体をダンジョンの警戒に残し、後の四体を二組にして、広域の情報を集めてもらう。

 ダンジョンコアであるリアも周辺の地図情報を持っていて、平面図を出せるのだが、実際に目にした情報とは、何か違うように感じる。

 そこで、クレイガーゴイルたちの眼を通して集められた情報と、リアの平面図の情報を組み合わせて、立体地図を出せるようにしてもらい、周辺を細かく見られるようにした。

 その結果、リアの情報には、近くに川はなかったのだが、森を開拓した場所に、泉があったり、このダンジョンのある場所が、小高い丘になっているとわかり始めた。

 この誤差は、おそらくダンジョンが生まれる前の情報をリアは持っていて、ダンジョンが生まれた時に、地殻変動が起きた可能性が考えられる。それに、開拓の中で、岩や木々の株を取り除いていき、結果として、元の地形から変化してしまっている可能性も考えられた。

 さらに、周辺を調べてもらうと、南には、山脈があり、森林地帯は、この山脈に沿う形で東西に広がっていた。

 そして、東の森林地帯を抜けた先には、草原があり、西には海があるようだ。

 一番近い人里は北にある村のようで、遠目だが、人の生活が確認できた。

 あの村に繋がるように開拓を進めれば、この世界をもっと理解できるはずだ!


 それから、開拓を進めてくれているモンスターたちを、二つに分けて、一方に北の村へと続く道を作ってもらい、もう一方は、今まで通りに、開拓を進めてもらうように頼んだ。

 そんな中、スケルトンたちの色合いが変化していると気が付いた。

 わずかだが、赤みを帯びており、よく見ると大きさも一回り大きくなった気がする。

 思い浮かべれば脳内にすぐ現れるモンスターのリストを見ると、全てのスケルトンがハイスケルトンに進化していた。

 それから数日後には、ゴーレムたちとガーゴイルたちも土っぽい色から岩っぽい色に変化し、リストで確認すると、ロックゴーレムとロックガーゴイルに進化していた。


 ゲームの仕様を考えると、ダンジョンマスターが呼び出したモンスターたちは、様々な方法で強化されていく。その中に、レベルを十にすると、自立進化するモンスターもいたので、今いるモンスターたちは、自立進化をしたのだろう。

 この他に、合成の素材として使い、別のモンスターを呼ぶために使ったり、ポイントを消費して、完全に別のモンスターへ変化させたりと、かなり無茶な強化方法が組み込まれていた。

 今思い出すと、進化前のクレイガーゴイルのレベルを最後に見た時に、九になっていた気がする。

 こちらでも、レベルの法則は、当てはまるようだが、全てのモンスターが自立進化をするわけではないし、ゲームの時のように、細かいステータスも出ないので、進化や強化の目安にしておこう。


 進化したモンスターたちは、開拓作業の合間に、獣を持ち帰ってくるようになった。

 その獣をダンジョン内で絞めると、ダンジョンポイントが多く入るので、ダンジョンの拡張がやりやすくなった。

 リアとダンジョン拡張について話し合った結果、ダンジョンを地下十一階まで増設することにした。

 地下六階と地下七階を鉱脈エリアにして地下八階を森林エリア、地下九階を牧草エリアにすることになった。

 そして、地下十階を工房エリアとして、グレムリンを十体呼び出し、地球の技術を研究させることになった。

 これにより、地下五階の毒の迷路の終わりになるエリアに広間を作り、ジュエルゴーレムをボスとして、登場させることでまとまった。

 最後の地下十一階には、玉座の広間の左右に、入り口を付けて私の私室と農園を作ることにした。

 タオルの布団は、寝心地は悪くはないのだが、やはりベッドルームが別にあるのはありがたい。

 さらにバスルームやキッチン、リビング、プレイルームにミューティングルームなどもここに作った。

 こちらには、メイドとしてリビングドールを四体呼び出し、私の生活のサポートをしてもらうことになった。

 農園では、果樹園と菜園が作られることで決まった。

 時期が来たら地下六階から地下十階はさらに拡大させるそうで、このダンジョン内に生き物を生活させるという。

 リアの目的は、動物を飼育することで、その生命力の一部をポイントとして吸収できるので、これを狙っているようだ。

 そういうわけで、森林エリアと牧場エリア、農園エリアに必要な生き物と植物の採取も開拓チームの仕事となり、気が付けば、どこから連れて来たのか、牧場には、ヤギや羊に鶏が放たれ、農園には、リンゴっぽい果物やミカンっぽい果物、ブドウっぽい果物がならび、キャベツ、ダイコンやニンジン、カボチャやイモが植えられていった。

 牧場エリアの草は、薬草を植えたので、病気知らずの元気な生活を送れるだろう。

 鉱脈エリアには、スケルトンを増加して配置して、いろいろな鉱石を取ってもらう。それを工房に設置した炉で加工してもらい、いろいろな材料の研究をしてもらう。

 工房にいれたグレムリンたちは、元々地の妖精がモンスターとなったゴブリンの亜種で、頭がよく手先が器用なのが特徴だ。さらに電気を扱えるので、地球の品を研究するには、丁度良い。

 彼らは、死霊系でもゴーレム系でもなく、研究員として、呼び出したので、戦闘には、参加させないつもりだ。

 森林エリアには、虫や爬虫類、小動物まで連れ込んだようで、私には把握できそうもない。

 ダンジョンが、地下十階に達したので私のレベルも上がり、レベル十三となった

 本来のダンジョンマスターは、睡眠も食事、入浴さえ必要ないのだが、人間の感覚は、そう簡単になくせないので、睡眠はタオルの布団、食事は、バスの中にあった、お弁当を消費しながら日々を過ごしていた。入浴に至っては、リアが魔法で作り出した水球に服のまま入り込み、適当に洗われてから、熱風を吹きかけられ、乾かされるという雑な扱いをされていた。

 だが、自室ができたので、今後は、リビングドールに助けてもらいながら、まともな生活ができる!


 それから数日、自室に引きこもり、怠惰な生活を送っていると、道作りチームのうち、ハイスケルトンたちが帰ってきた。

 リアの指示で、森を完全に開くのではなく、直前で開拓を辞めて、石の道を作るように指示をしていたそうだ。

 石の道は、ゴーレムだけで十分だそうで、ハイスケルトンは、開拓チームと合流して森の開拓を進めることになった。

 これには、ダンジョンの成長が不完全のうちは、なるべく人目に付きたくないというリアの考えがあるそうで、私も防衛力が低い間に、大勢の侵入者が来たとしても対応できないと思う。

 怠惰な生活をしている場合ではないと、リアに自分を強化できる方法を尋ねる。

「マイカ様のリストの中に自己強化の様なものはありませんか?」

 リストを浮かべて、眺めると、確かに自己強化というものがあった。その中には、魔法や武術があり、ポイントによって初級、中級、上級、特級となっていた。

「あった。何を取ればよいかな?」

「六つの初級魔法があると思います。火、水、風、地、光、闇です。それらを全て取ってください」

 言われるままに、全て取って行く。一つ当たり二百ポイントだったので、スケルトンよりもお安い。

「まずは、魔法は、イメージする力がはっきりしているほど、強力になります。とはいえ、複雑な魔法になると、単純なイメージだけでは、足りないので難易度が上がるわけです」

「なるほど、イメージ力が必要なのね。何を始めにやってみるのが良いかな?」

「光魔法のライトが、練習にはちょうど良いでしょう。イメージとしては、ヒカリゴケが光っている程度で構いません」

「なるほど、ヒカリゴケね……」

 人差し指を立ててイメージしてみるが何も起きない。

「無詠唱はさすがに無理ですよね。集中ができた時に、ライトと唱えてください」

 なるほど、先に無詠唱ができるかという実験をしたわけか。

 言われたとおりに集中してから唱える。

「ライト!」

 ぼんやりと指先が光、確かにヒカリゴケの明るさだ。魔法の名前はトリガーになっているのかもしれない。無詠唱というのは、このトリガーも頭の中で再現するのだろうな。

 慣れたら、いろいろできそうだ。


「良い感じです。これから、練習していきましょう!」




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