演劇の詳細
見に行く、と返事を送ると、今度は詳細を記したメールが送られてきた。
「……先輩、ちょっと様子がおかしいですよ」
「ん?」
送られて来たメールには、こう書かれていた。
お仕事お疲れ様です。
参加の表明、ありがとうございます。
演劇は今週の日曜に、渋谷のクラブハウスで行われますが、皆様にも参加して頂きます。
以下設定です。
自宅で行われるパーティーに退屈していたジュリエットは、部屋で自分を外に連れ出してくれる相手を待っています。
参加者は、ジュリエットを連れ出すべく部屋へと向かいますが、ボディーガードの検問が待ち受けています。
ボディーガードをかわすには、決まった4桁のダイヤルが必要になります。
あなたの数字は、「2」です。
「……全然演劇じゃねぇし!」
「遠藤さんのジュリエットが見れるのは連れ出した相手だけ、的なことですかね。 ダイヤルを揃えないといけないみたいですが……」
どうやら、遠藤樹里のメアドを手に入れた相手に、それぞれ違う番号を送り、その番号を正しい順番に並び替えてボディーガードに伝えなければならないらしい。
「パーティーに来てた野郎の顔なんて覚えてねーぞ」
「……僕も分からないです」
女性に会いに来ているのに、男のことを覚えているわけがない。
「……あ、そうか! ヨモギちゃんに聞いてみれぱいいのか」
幸は素早くヨモギにメールを送った。
しばらく待っていると、返事が送られてきた。
「先輩、ヨモギちゃん、相手の特徴をあだ名にして覚えてたみたいですよ」
「……やるじゃねーか」
「読み上げますよ。 えーと、キテレツ、泥棒、貴公子、ボサボサ、アメフト、以上です。 僕が貴公子で、ボサボサは先輩ですね」
お前だけ優遇されすぎだろ! と竜は突っ込みを入れた。