表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/21

退蛇の剣

 ここは大学の研究室。

ルビーがソファで眠りこけていると、スマホが鳴った。


「あと5分だけ寝かせてよ~、ムニャムニャ」


「ルビー様、福田幸様からの着信ですが」


「えっ…… 幸さんから!?」


 ルビーは飛び起きると、スマホスマホ、と慌てて机の上を探す。


「いでっ」


 机の角に足の小指をぶつけて悶絶していると、盲導犬のセバスチャンがスマホをくわえてルビーに渡した。


「あたた、はい、ルビーです」


「あ、ルビーさん。 今大丈夫ですか?」


「な、なんとか。 で、何の要件かしら?」


 その内容は、自分の先輩がバジリスクに命を狙われていて、何か退治する方法を知らないか? というものだった。


「バジリスクですか…… 中国に伝わる退蛇の剣、というのが確かあったと思います。 伝説では、純潔の勇者がその剣をとって、バジリスクを倒したらしいです」


 退蛇の剣は、中国の国立博物館に展示されているらしいが、現在、たまたま日本の博物館に持ち出されているらしかった。


「4大文明の博覧会をやってるのよ。 展示物のリストの中にあったと思うわ」


「そうなんですね! 早速先輩に伝えます」


 ルビーは、これはチャンスかも? と思い、とっさに嘘をついた。


「あ、私、そのチケット持ってるから、3人で一緒に行かない?」 


「本当ですか? それだと話が早いですね」

 

 こうして、まんまとルビーは幸とのデートを取り付けた。


「ふっふっふ。 うまく行ったわ」


「ルビー様、もしかして、日付の違うチケットを渡すつもりでしょうか?」


「べ、別にいいじゃない! 向こうはタダで見れるんだから」


 後日、ルビーは竜と幸にチケットを渡した。

竜の日付だけが、全く違う日になっていたが…… 






 週末、竜は与作を首に巻いて博覧会に訪れていた。


「随分混でやがるな」


 入り口には行列が出来ている。


「……でも、どうやって剣を取ったらいいんだ? ガラスのケースにでも入ってたらお手上げだぜ」


 竜が空気に向かってしゃべっていると、ちょっとだけ列が進む。


「ちっ、高速の渋滞より進まねぇ」


 



 そうやって進む内に、ようやくお目当ての物が現れた。

甲冑を着たマネキンが、剣を手に持っている。

説明書きに、退蛇の剣、とあった。


「こいつか……」


 








 



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ