はじまりの色
ものごとには必ず始まりがあります。
地球の始まり、人類の創世、はたまた物語のはじまりにも
この物語は私が見てきた。この世に必要不可欠なもの”色”についての物語でございます。皆々様どうぞ、お楽しみください。
むかしむかし、
せかいはアオ、アカ、ミドリのさんにんでできていました
アカがいいました
「このせかいはとってもアカくてなんだかあかるすぎるね」
こんどはアオがいいました
「いいや、このせかいはとってもアオくてきみのかおもあおざめてみえるよ」
つぎにミドリがいいました
「そうかな?せかいのどこをみてもミドリでまるでみとおしがわるいよ」
さんにんはいつもいっしょ、きょうもさんにんであそぼうとアカとアオがミドリのところにいくとちゅうなにかをみつけました。
それはいままでみたこともないいろでした。
アカがいいます
「これはなにかな?みたことないよ」
アオもいいます
「これはなんだろ?みたことないや」
ふたりはかんがえるけれどわかりません
ミドリならわかるかも、といそいでミドリをむかえにいってもどってくると
それはまだ、そこにありました。
ミドリがいいます
「これはなんだい?みたことないや」
さんにんがあたまをかかえてかんがえているとミドリがいいました
「あ、こっちはアカだけどそっちはアオだ」
それをきいたふたりがしたをみると
「ほんとうだ、こっちはアカくてそっちはアオ」(アカ
「ほんとうに、そっちはアカくてこっちはアオ」(アオ
ふたりをみながらミドリはいいました
「もしかしたらアカとアオをいっしょにしたからできたのかもね」
アオとアカがかおをみあわせると
おたがいのはじっこをすこしちぎってそれをまぜあわせます…すると
ポンッ!
ちいさななにかができました。
さんにんがそのちいさななにかをみているとそれはむくむくとおおきくなって
「こんにちは!ぼくはムラサキよろしくね!」
さんにんはおどろいたけれどすぐにムラサキとなかよしに
しばらくよにんであそんでいるとまた、みたことないいろのものがありました。
ムラサキがいいます
「これはなんだ!みたことないぞ!」
アカもいいます
「これはなんだろ?みたことないよ」
アオもいいます
「これはなんだろ?みたことないや」
ミドリもいいます
「これはなんだい?みたことないや」
よにんはうでをくんでかんがえます。
するとアオがいいました
「こっちはミドリで、そっちはアカだね」
ミドリとアカとムラサキがしたをみると
「ほんとうだ、そっちはミドリでこっちはアカ」(アカ
「ほんとうだ、こっちがミドリでそっちはアカ」(ミドリ
「ほんとだ!あっちはミドリでそっちはアカだ!」(ムラサキ
よにんをみながらアオがいいます
「もしかしたらミドリとアカをまぜるとできるのかな?」
そういうとおたがいのはじっこをすこしちぎってまぜあわせます…すると
ポンッ!
ちいさななにかができました。
よにんがみているとそれはむくむくとおおきくなって
「やぁ、ぼくはキイロさおなかがすいた」
よにんはおどろいたけれどすぐにキイロとなかよしに
ごにんでおやつをたべにいくとまた、みたことないいろのなにかがおちています
キイロがいいます
「これってなんだろ?みたことないね」
ムラサキがいいます
「これはなんだ!みたことないぞ!」
アカもいいます
「これはなんだろ?みたことないよ」
アオもいいます
「これはなんだろ?みたことないや」
ミドリもいいます
「これはなんだい?みたことないや」
ごにんはそれのまわりをくるくるまわりながらかんがえます
するとアカがいいました
「こっちはアオで、こっちはミドリだ」
ミドリとアオとムラサキとキイロがしたをみると
「ほんとうに、こっちはアオでそっちはミドリだ」(アオ
「ほんとうだ、そっちがアオでこっちはミドリ」(ミドリ
「ほんとだ!あっちはアオでそっちはミドリだ!」(ムラサキ
「ああ、こっちがアオで、あっちはミドリか」(キイロ
さんにんをみながらアカがいいます
「もしかしたらアオとミドリがあわさったからできたのかな?」
そういうとおたがいのはじっこをすこしちぎってまぜあわせます…すると
ポンッ!
ちいさななにかができました。
それをごにんがみているとそれはむくむくとおおきくなって
「こんにちはです。わたしはミズイロです。よろしくおねがいします」
ごにんはおどろいたけれどすぐにミズイロとなかよしに
ろくにんでいっしょにおやつをたべているとちかくにふたつあながあいた
ろくにんでそのあなをのぞきこむけどおくなんてみえやしない
それにふたつともどっちもいままでみたことないいろのあな
ミズイロがいいます
「これはなんでしょう?みたことないです。」
キイロがいいます
「これってなんだろ?みたことないね」
ムラサキがいいます
「これはなんだ!みたことないぞ!」
アカもいいます
「これはなんだろ?みたことないよ」
アオもいいます
「これはなんだろ?みたことないや」
ミドリもいいます
「これはなんだい?みたことないや」
ろくにんはあなをかこんですわりながらかんがえます
するとムラサキがいいました
「あっちはアカで、こっちはミドリで、そっちはアオだ!」
ミドリとアオとアカとキイロとミズイロがしたをみると
「ほんとうだ、こっちはアカでそっちはミドリであっちはアオ」(アカ
「ほんとうに、そっちはアカであっちはミドリこっちはアオ」(アオ
「ほんとうだ、あっちがアカでこっちがミドリそっちがアオ」(ミドリ
「ああ、こっちがアカで、あっちはミドリだ、そっちはアオ」(キイロ
「ほんとうですね。こっちはアオであっちはミドリそっちはアカです」(ミズイロ
ごにんをみながらムラサキがいいます
「もしかしたらアカとミドリとアオを混ぜたからできたのかな!?」
そういうとおたがいのはじっこをすこしちぎってまぜあわせます…すると
なにもでません。
しかたなくそれをあなになげてもうひとつのあなをみますするとミドリが
「あっちがムラサキ、こっちがキイロ、そっちがミズイロだ」
アカとアオとムラサキとキイロとミズイロがしたをみると
「ほんとうだ、こっちはムラサキでそっちはキイロであっちはミズイロ」(アカ
「ほんとうに、そっちはムラサキであっちはキイロこっちはミズイロ」(アオ
「ほんとだ!こっちはムラサキでそっちはキイロであっちはミズイロだ!」(ムラサキ
「ああ、あっちがムラサキで、こっちはキイロだ、そっちはミズイロ」(キイロ
「ほんとうですね。そっちはムラサキであっちはキイロこっちはミズイロです」(ミズイロ
ごにんをみながらミドリがいいます
「もしかしたらムラサキとキイロとミズイロをいっしょにしたからできたのかな?」
そういうとおたがいのはじっこをすこしちぎってまぜあわせます…すると
なにもでませんでした。
しかたなくそれをあなになげてまた、かんがえますするとアカがいいました
「このあなにはいってみようか?」
アオはいいます
「でも、なにがあるのかわからないよ?」
ミドリもいいます
「そうだよもしかしたらこわいものがいるかもよ?」
かたほうのあなのちかくでさんにんがはなしていると
もうひとつのあなのちかくでもはなしあいがはじまりました
ムラサキがいいます
「こっちもこのあなにはいってみようよ!」
キイロがいいます
「でも、なにがあるのか、わからないよ?ぼくおなかすいちゃうかも」
ミズイロもいいます
「そうですね。もしかしたらおそろしいなにかがいるかもしれません。」
もうかたほうでもおなじはなしをしていました。
はなしはいつのまにかけんかになってしまいました
アカがいいます
「ぼくはいくんだ!こわいならこなければいい!」
アオがいいます
「こわいなんていってない!いったのはミドリだ!」
ミドリもいいます
「ぼくだってこわくなんてない!それにはいりたくないっていったのはアオじゃないか!」
ムラサキがいいます
「はいるったらはいるんだ!!ぼくのいうことがきけないのか!」
キイロがいいます
「ムラサキのいうことをきくなんて、ぼくいってないぞ!!」
ミズイロもいいます
「そうですよ。それにわたしはこんなあなにはいるなんてきいてません」
ろくにんがふたつにわかれてけんかをしているととつぜん
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
じめんがおおきくゆれてろくにんはちかくのあなにおちてしまいます。
ゆれがおさまるとふたつのあながひかりだしました。
そのひかりはかたほうからアカとアオとミドリもうかたほうからムラサキとキイロとミズイロがでました。
それはどんどんとそらにむかってのびていくと
バン!
おおきくばくはつしました。
するとどうでしょう。
そらはアオくすみわたり、じめんはミドリがひろがり、そらにアカいたいようがでてきました。
うみはミズイロにそまり、じめんにはキイロいはながさきました。
こうしてせかいにはいろがついたのでした。
ムラサキがいない?それはしかたないのです。かれはさいごにわがままをいいました。わたしたちはかれがさいごにわがままをいわなければきっとなにかのいろにしていたでしょう。
え?わたしはだれかって?わたしはだれでもありません。しいていうならばこのはなしのはじまりのいろ、そして、おわりのいろでもあるのです。
色って面白いよね