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Le monde brûlé  作者: フーデリッヒ
ビフレストの古代兵器
5/17

Début de la seconde vie ―ユーラの章―

「ん...」

目覚めると、そこは見慣れない部屋だった。

「やっとお目覚めか。」

「ここ...は...」

「生きてるな...よし、お前達は下がれ。」

「はっ!」

敬礼をして警備の2人が去る。

「お前は...誰だ...!」

「君はどこから来た?」

「何を言ってる...!」

「いいから答えろ。君はどこから来た?」

「...ビフレスト島...」

「失敗、か。もう一度やり直す。」

「待てっ、何を...!」

男は壁にある電話を取り、2言ほど喋って部屋を出た。直後、白衣姿の人間が3人ほど入ってきて注射器を取り出した。

「何をする!」

「大人しくしろ」

ユーラは殴られた。

「く...そっ...」

彼の意識は薄れていった。

「よし、連れて行くぞ。」

3人の男は拘束具を外して、ユーラを担いで3ブロックほど研究施設内で移動させた。

そこにはある装置があった。科学者はユーラを装置に入れ、スイッチを入れる。

一瞬だった。


一瞬で彼の記憶は...




―――――――作り直された―――――――

Opération "Capturez le bombardier tombé"から実に3年の月日が経った。

「第5小隊、全員確認しました!」

「うむ、よろしい。」

「よし、聞け。我々は5日後にノーアヘルム国東岸、コロデオ海岸に上陸、敵地内部まで侵攻し、奴らの防空システムを叩く。」

「了解!」

「詳細については移動中に話す。各員準備を整えておくように。」

「解散!」

解散後すぐにカジミールがユーラに話しかけてきた。

「なあ、今度の作戦ってさ...」

「うん、実戦だね。」

「...マジか....」

「だね...。」

「大丈夫かな...俺ら...」

「大丈夫さ、訓練通りやってれば死なない。」

「ああ...そうだよな、そうだな!」

そう言うとユーラはカジミールの肩を叩き、兵舎へ戻った。彼らがいる第5小隊は青年隊だ。ユーラは島から回収され、ここに配備された。この時、世界にあったのは2大国、ヴィーグエルン国とノーアヘルム国。しかし彼らはあるとき、領土拡大問題で衝突した。協議は簡単に破綻、そのまま戦争に突入した。その際、ヴィーグエルン国は古代の文献を解読し、そこに記された少年を回収するためにOpération "Capturez le bombardier tombé"を実行した。回収されたユーラは記憶を操作され、彼の本来の姿が分かるまでの間青年隊へと編入されたのだ。

アルノワ・カジミールは生まれも育ちもヴィーグエルン国で、志願兵である。すぐにユーラとは親友になった。




そして短かった第5小隊の休息は終わった。

「全隊、配備完了しました。」

「よろしい。」

「本当に彼を送り出していいんですか...?」

「構わん。恐らく彼は死なない。」

「その保証はどこにも...」

「構わないと言った。」

「...了解。」

「総力戦だ、気を引き締めろ!」

「はっ!」



そして、本格的に開戦したのはその次の日の午後であった。奇襲的な空海同時展開作戦が功を成し、ノーアヘルムの沿岸部はほぼ無防備な状態で第1波の攻撃を受けることとなった。

18箇所の沿岸基地の制圧が確認された報告を受け、航空支援と共に揚陸隊がノーアヘルムに侵攻を開始した。

「全隊、上陸しました!」

「よし。」

「反撃がありませんが...」

「ああ。罠だな。」

「撤退させましょうか...?」

「いや、このままだ。」

「了解しました...103,137,505小隊、展開しろ!」

「了解、目標を支援します。」

第2波は第5小隊を含んでいた。

「ユーラ...」

「...」

ユーラは口をきこうとしなかった。

「よし、説明通りだ。行動開始!」

「了解!」

彼らが防空システムのある施設を発見するまで、地雷以外の弊害は無かった。

「何かおかしくないか...?」

「...」

「おい、ユーラ...さっきから黙って...」

「...」

「何か言えよ...」

「隊長、あれです。」

「よし、慎重にね...」

「突入!」

正面の扉を爆破し、一斉に中へ入る。

「クリア!」

「クリア!」

「何で...誰もいない...?」

「隊長、オールクリアです。」

「嘘だ...」

「よし、奥へ進め」

「ありました!」

「防空システムです。」

「そうです...が...」

「どうしたの...?」

「すでに破壊されています...」

「何っ...!?」

「とりあえず報告を...」

「あ、ああ...そうだね...」

「第5小隊から連絡です。防空システムは既に破壊されていたとのこと。」

「破壊されていた...?先行隊などいたか?」

「いません。戦闘の形跡があるものの、死者にはノーアヘルムの者しかいないとのことです。」

「分裂か?」

「その可能性が高いようです。とにかく、これで爆撃ができます。」

「そうだな、よし。」

「待機中の全爆撃機へ告ぐ。出撃だ!」

ヴィーグエルンの全航空基地から数百という大型爆撃機が出撃した。

数時間後、ノーアヘルムの海岸は大型爆撃機とそれを援護する戦闘機で光がなくなるほどだった。

「おい、ユーラ!あれは何だ?!」

「友軍の爆撃隊だよ...」

「すげぇ...」



「目標地点まで残り3分!」

「了解した。攻撃は?」

「ありません。」

「司令官、不気味だと思いませんか...?」

「まあこちらにとっては好都合だ。」

「残り2分!」

「いよいよか...」


少しの間、戦場は静寂を保っていた。しかし、その静寂も長くは続かなかった。

「っ!?」

「どうした!」

「そんな...あれは...!」

「112爆撃隊、ロストしました!」

「何っ!?」

「地上からです!光のようなものが...!」

「よし、そこからでいい!爆撃開始だ!」

「了解、爆弾投...」

「うわああぁぁ!!」

「4番機を残して309ロスト!」

「早い...」

「全機撤退しろ!退路を確保しろ!」

「退却だ!」

「第3波、来ます!」

「552ロスト!残りは511,402,267のみです!」

「間に合え...ファウスカウンドを全機失うわけにはいかない...」

「支援機は生きているか!」

「はい、一応...」

「よし!低空より攻撃元の確認をしろ!」

「ウィルコ!全機ブレイク!」

それからすぐのことであった。

「コンタクト!エンゲージ!」

「何だ...あれ...!」

「...」

「どうした?」

「511,402,267は無事戦線を離脱しました...が...支援機が...」

「バカな...!」

「敵がわかりません...」

「今回の奇襲は失敗だ...地上部隊も一度海岸まで撤退させろ!」

「ですが...」

「これ以上戦力は失えない...」

「了解しました。」



「おい、撤退だとよ!」

「撤退...?」

「何でも爆撃機がたくさん落とされたらしい...」

「そういえばさっき戻ってくる機体が少なかったね...」

「何があったんだ...」

「いや、僕は撤退しない。」

「ユーラ!何言ってるんだよ!」

「第5小隊各員に告ぐ。撤退だ。海岸線まで撤退せよ。」

「でも、隊長は...」

「僕はここに残る。少し気がかりなことがあってね...」

「俺ものこる。」

「カジミール、だめだ!」

「何言ってるんだよ、お前だけにはいいカッコさせないぜ!」

「分かった...他に残るという者は?」

全員が一度お互いに視線をあわせて、一斉に手を挙げた。

「死んでも知らないよ。それでもいいんだね...?」

「私達は...あなたについてきます!」

「だってよ、隊長さん。」

「よし...ならば第5小隊はこれより敵地内部へ潜入、先ほどの光の発生源を確認、場合によっては破壊する。」

「了解!」




「司令官...」

「何だ」

「第5小隊がロストしました...」

「何?あそこには何かあったか...?」

「分かりませんが、地上部隊唯一のロストです。」

「分かった、仕方がないことだろう。」

「確認させに行きますか...?」

「あれの後だ。少し待とう。」

「了解です...他部隊はおおよそ撤退が完了しています。」

「分かった。待機させろ。」

「はい...」



「敵が一切いないってどういうことだよ...」

「僕にも分からない、でもそろそろだね」

森をかき分けて進んでいる第5小隊は、本国との一切の通信を遮断していた。

「もしかしてあれか...?」

彼らの視線の先には、開けた場所と、その真ん中にある大きな鉄の地面であった。その地面はちょうど中央あたりが縦断されていて、開くようだった。

「ここにも敵はいないな...調べてみるか...」

「おい、待て...!」

カジミールは飛び出した。


その刹那。

「っ...!」

カジミールは蒸発した。

「バカなっ...何だ?!」

「あははは...君たちは私達をどれだけ舐めてくれるのかな...?」

気づけばカジミールが蒸発した場所より少し奥に、いつの間にか人が立っていた。

「誰だっ!」

「おやおや...お子様が何の用かな?」

「くそっ...」

ユーラは男に銃を向ける。

「無駄だよ。ここには特殊なフィールドが張ってある。」

「...それでか.....」

「何がだ?」

「カジミールが...僕の親友が...消えた...」

「ああ、それは残念だね~?あっはは!」

「貴様...」

「どうした?君も一緒に蒸発するかい?」

男は半笑いでフィールドに棒を触れさせてみせた。

「こういう事になるよ...?」

棒の先端は当然蒸発した。

「貴様...許さない...」

「君なんかに許されなくても結構!」

「Божье дыхание делает ада от пола...」

「ん...?頭でもおかしくなったのか?」

「隊長...?」

「звери начинают убивать человека....」

「しっかりしてくださいよ!」

「Сцена слишком красиво...」

「まあ何をしようが無駄さ!」

「Я его производства!」

その瞬間、ユーラの右目が朱に染まった。

「何だ!?」

「Я буду зверя и стать Богом...」

「脅しなど効かんぞ!」

「Отвали. Пыли. 」

「Знать сила Божия!!」

「地震...!?」

「隊長!!」

ユーラはフィールドへ歩き始めた。

「バカめ...!」

「やめてくださいよ!隊長!」

彼の足が触れた部分はまるでマグマがすぐ下を通っているかのようになっていた。

「何をする気だ...!」

無言でユーラはフィールドに触れた。

「何っ!!?」

フィールドは一瞬で炎に包まれた。

「それがどうしたというのだ...!」

フィールドを通過し、ユーラは歩き続ける。

「何故だ...何故通れる...!」

「Вы не можете вырваться отсюда.」

「Исчезают и стать светом!」

そう叫ぶと、ユーラの体は浮き始めた。

「茶番だ...!」

フィールドのちょうど中央のあたりに人工太陽のような物が形成されていった。

「ハッタリだ...こんなバカな...!」

そしてそれは...爆発した。

外にいた第5小隊の者たちは何が起こっているのか全く分からなかった。しかし爆発の直後にフィールドは解除され、ちょうどクレーターのようになった地面の中央あたりにはユーラが横たわっていた。

「隊長!」

恐る恐るフィールドが解除されているのを確認すると、急いで本国へ連絡した。





古代兵器は長い眠りから醒めたのであった。

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