「初めての腕力スキル実戦!巨大狼との決戦と私の覚醒」
こんにちは、皆さま。
今回はヨウコが初めて腕力スキルを本格的に試す大事なシーンをお届けします。
迫力ある巨狼との戦い、そしてヨウコの成長をお楽しみください。
イザークさんとの微妙な距離感も見どころです。
それではどうぞ!
村の家畜小屋に向かうと、そこには“狼”と呼ばれる化け物が巨人たちを襲っていた。
口からは血がぽたぽたと滴り、正直……血なのか赤いジュースなのか一瞬わからなくなるほどの鮮やかさだ。いや、もちろん血だろうけど。
体長は軽く5メートル以上ありそうで、額には太く黒い一本の角が鋭く突き出ている。
爪や牙も鋭利そのもので、触ったら指一本なくなりそうだ。
「これは……狼ですって言われても信じられません!」と、内心で驚きを隠せなかった。
イザークさんは表情ひとつ変えず一歩前に出て、私に向かって落ち着いた声で言った。
「ヨーコ、ここで待っていてくれ」
「えっ、私も戦いたいのですが!」と言いかけたが、あの化け物を見て言葉を飲み込んだ。
そんな私をよそに、イザークさんは剣を抜き、一振りで化け物の脳天を貫いた。
「うそ……一撃で倒すなんて」
目を丸くして驚いた。
「剣って本当にすごいんですね」と心の中で感嘆した。
化け物はあっという間に倒れ、イザークさんは軽く微笑みながら私を見た。
「まだ驚いているのか」
「だって、あんな化け物を一振りで倒せるなんて……!」
しかしその時、草むらからもう一匹の化け物が飛びかかってきた。
イザークさんもさすがに反応が遅れた。
すると、なぜか私の身体が勝手に動き出した。
素手でパンチやキックを繰り出し、その獣を次々と倒していく。
「えっ、私がこんなに強くなっていたなんて!」と内心驚きを隠せなかった。
イザークさんも驚きのあまりぽかんと口を開けている。
「ヨーコ……すごいな」
「私もびっくりしています!」
その瞬間、村人たちから大きな歓声が響き渡った。
「おおっ!あの小さい子がやったぞ!」
「本当にあの可愛い子が強いなんて!」
「お姉さん、かっこいい!」
子供たちの声も聞こえ、私は思わず顔を赤らめた。
「まさか私がこんなに注目されるなんて……」
周囲を見ると、子供たちが尊敬のまなざしで私を見ていた。
「これは、責任を感じなければいけませんね」
イザークさんは腕を組み、にやりと笑いながら冗談めかして言った。
「これから村の守護神かもしれないな」
「ちょっと待ってください!守護神というより、まだスキルを試しているだけなんですけど!」
そんなやりとりの中で、私は自分の成長と、イザークさんとの距離感に少し未来への希望を感じていた。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
ヨウコの力が想像以上に成長していることが伝われば嬉しいです。
戦うだけでなく、少しずつ村人たちとの距離も縮まっていきそうですね。
次回もお楽しみに!




