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【番外編】『背が高いだけの私が、美形兄弟と!? 〜通学編②〜』

ある日の放課後、夕陽が赤く染まる通学路。

ヨウコはいつものようにトウジ(ギルヴァント)とヨウヘイ(イザークさん)と並んで歩いていた。


今回は、ヨウコが異世界での出来事を思い出し、二人との絆を再認識する回です。


ある日の放課後、夕陽が赤く染める通学路。ヨウコはいつものように、トウジとヨウヘイと並んで歩いていた。並んで歩くこの時間は、特別な日常のようで、心地よい。けれど、今日は何かがいつもと違う空気を帯びている。


「トウジ、どうしたの?なんか元気ないみたいだけど」

思わず声をかけるヨウコ。トウジはわずかに視線を逸らし、足取りも重く感じられた。


「いや、悪い……ただ、この関係が少し、もどかしくてな」

淡々とした口調なのに、その言葉が胸に小さな棘のように刺さる。ツキンッ――心の奥で鋭く痛みが走る。


「……ごめん」

思わず小さく呟く声。そんなヨウコに、ヨウヘイはそっと肩に手を添えた。


「焦らなくていい」

その手の温かさに、胸の奥がじんわりと温まる。懐かしい感覚――そう、いつもヨウヘイは、私を守ろうとしてくれた。異世界でのあの時も、同じように。


その瞬間、頭の奥に微かな痛みが走る。視界の端に、見覚えのある光景がちらつく。異世界で過ごした日々――大切な時間、守ってくれた二人のこと、心の奥で封印していた記憶が、小さな光の破片のように揺れ始める。


「ヨウコ、大丈夫か!」

二人の声が焦りを帯びて耳に届く。手を握られ、呼びかけられるうちに、頭の中の光景は徐々に鮮明になっていった。体が小さく震え、頭痛がひどくなる。


そして、息を呑む瞬間――

ヨウコの瞳から大粒の涙が溢れ、震える声で告げる。

「ぜんぶ……思い出した」


赤く染まる夕陽の中、三人の影は長く伸び、静かに揺れる。異世界での出来事も、現代での暮らしも、すべてがヨウコの心に繋がる。そして、記憶が戻ったことで、トウジとヨウヘイ、二人との関係が新たに確かめられる瞬間だった。


ヨウコは目を閉じ、胸に込み上げる感情を抱きしめる――守ってくれた二人の優しさ、そしてこれから歩む未来への予感を、静かに心に刻みながら。



---

今回は、ヨウコが異世界での記憶を取り戻し、トウジ(ギルヴァント)とヨウヘイ(イザークさん)との絆を再確認する回でした。


次回もお楽しみに!

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