【番外編】『身長185cmの私が再び出会ったら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜日本での運命の再会〜』
異世界での出来事から日常に戻ったヨウコ。
でも運命は、静かに再び三人を引き寄せる――。
まだ思い出せないけれど、胸の奥で確かに感じる懐かしい温もり。
これは、切なくも甘い再会の物語。
カフェの店内は午後の柔らかな光に包まれていた。私はいつものようにレジに立ち、コーヒーを淹れる。
「アイスラテ、お願いします」
声の主を見ると、背の高い外国人風の青年が二人――自然と目が合った瞬間、胸の奥がざわめき、思わず手が止まる。涙が頬を伝った。
二人は互いに目を見合わせ、微笑む。
「…見覚えがある気がするな」
まだ記憶は完全じゃない。けれど、あの世界での景色や、交わした約束――胸に刻まれた懐かしさがじんわりと溢れる。
「…えっと、初めてですよね?」
私の声に、二人は一瞬息を飲む。そして揃って微笑む。
「…見つけたよ!」
その言葉に、涙は止まらない。まだ何も思い出せないのに、胸の奥がぎゅっと熱くなる。
カフェの窓から差し込む光の中、二人は静かに私の涙を見守る。そしてその光景を、天界からルミエールが満足げに眺めていた。
「ふふ、やっと再会の時が来たみたいね…」
女神の声は聞こえないけれど、心の奥に確かな温かさが染み渡る。
まだ全てを思い出せない。でも、この瞬間が――新しい物語の始まりだと、確かに感じる。
---
思い出はまだ完全ではない。
けれど、あの世界で交わした約束の温もりは、確かに心に残っている。
新しい日常で芽生える、ときめきと再会の予感――番外編はここでひとまず幕を閉じる。
この後、三人の物語は現代で静かに動き出す。




