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「巨人の村と“可愛い”の基準」

こんにちは、作者の透子です!

今回から本格的に「巨人の村」編に突入です✨


異世界に来たヨウコの“サイズ感のギャップ”と、“価値観のズレ”が、どんどん表面化していきます。

果たしてこの世界の「可愛い」って……何!?


ムキムキだけど優しいイザーク、ちょっとクセ強めな村人たちも登場!

今後もお楽しみに!


 村に足を踏み入れた瞬間、私は思った。


 でかい。何もかもが、でかい。


 


 建物は全部、木造でどっしりしていて、まるで山小屋を何倍にも拡大したようなサイズ感。窓も扉も椅子も、なにもかもが大型仕様だった。私なんて、玄関の取っ手をつかむのもやっとかも。


 


 村を歩く人たちも、みんな例外なく――デカい。


 しかも、筋肉ムキムキでガチムチ率が異様に高い。


 


 中にはスカートを履いた、女性っぽい人もいたけど……やっぱり2メートル超え。見上げないと顔が見えないし、腕なんて太ももより太そう。異世界基準、どうなってんの。


 


 私は思わず、キョロキョロと周囲を見回していた。


 でもそれはつまり――目立つってことだった。


 


 視線が、刺さる。どこを見ても、こっちを見られてる。あれ? もしかしてすごく珍しい存在なの、私?


 


「おっ、おい。イザーク、その小さな女の子はなんだ。……人形か何かか?」


 


 突然、目の前からどすん、と音がした。見上げると、イザークと同じくらいの大男。ガッチリ体型で、声も低くて迫力がある。その人が、私を指さして尋ねてきた。


 


 人形!? あの、動いてますけど!


 


「リトか。いや、この子は“渡り人”らしい。……これでも、成人女性だよ」


 


 イザークが穏やかに答えると、相手の男――リトと呼ばれた人が、えらい勢いで目をむいた。


 


「せ、せいじんじょせい!? こんなちっこくて、可愛いのが女ぁぁぁ!? 嘘だろ?」


 


 ……なんだその感想!? てか、女=小さくて可愛いって決めつけないで!? 私は“デカいしゴツい系”なんですけどー!


 


「おい、イザーク、その子どうするつもりだ? アテがないなら……俺の家で預かってやってもいいぜ?」


 


 ぬ、ぬぬぬぬぬ!? 


 なんかこの人、目がいやらしい!! ずっと胸元のあたり見てる気がするし、ニヤニヤしてるし!


 あーーーもう、こういうタイプ、現実でもいたな! 近寄りたくないやつだ!!


 


 けれど、すぐにイザークが一歩前に出て、ピシャリと答えた。


 


「いや。俺の家で保護する。明日、長老たちに会わせて、今後のことを決めるつもりだ」


 


 その言葉に、私は心の底から――ホッとした。


 


「……ありがとう、イザークさん」


 


 思わず小声でそう呟くと、イザークはふわっと微笑んでくれた。優しい。でかいけど、優しい。安心感のかたまり。


 


 この人がいてくれるなら、なんとかなるかも――そんな風に、思えてきたのだった。



---

読んでくださってありがとうございました!


異世界における「可愛い」の定義って、世界が違えば常識も違うんだな……と、ヨウコは今まさに文化ギャップの真っただ中です(笑)


あと、リトくん……あんたちょっと落ち着いて!

※でもこういうムードメーカー的なキャラ、個人的には嫌いじゃないです。笑


次回は「長老たち」との初対面。

物語がさらに深まっていきますので、お楽しみに♪


お気に入り・感想・ポイントなどもとても励みになります!

では、また次回

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