皇子殿下と護衛だらけの街デート!?(イザークさんとナディールもついてくる)
ヨウコです。
急に決まったギルヴァントとのデート……のはずが、なぜか護衛だらけ。
しかも影のようにイザークさんとナディールもついてくるんですけど!?
皇子殿下は終始マイペースに私を振り回し、ドレスは山盛り買わされ、ケーキは「あ~ん」することに……。
いやこれ、本当にデートって言えるの? それともただの買い物ツアー?
急に決まったギルヴァントとのデート。
もちろん、こっそり――いや、堂々と?――ついてくるイザークさんとナディール。
……ほんとこの二人、なんでそんなに影みたいに動けるの。忍者?
皇子って立場のせいか、街に出ても護衛だらけ。
「二人きり」って言ってたけど、いやいや、どう見ても団体旅行です。
最初に連れて行かれたのは、やたら豪華そうなドレスショップ。
「似合いそうなのを選べ」
「え、そんなにいらないよ! ドレスなんて数着あれば――」
「俺が楽しむためだ」
……何その理由。意味わかんない。
そこからはもう、完全に彼のペース。次から次へと着替えさせられては、「これだ」「それも買え」と指示が飛ぶ。
気づいたら、試着したほとんどが「包んでおけ」になってた。あの、ほんとにこんなにどうするの?
そのあと、可愛いケーキ屋さんへ。
店の前で足を止めてたら、ギルヴァントが「入るぞ」と当然のようにドアを開けた。
「いいの? 甘い物とか苦手そうなのに」
「別に構わん」
へぇ~、意外。こういう店も来るんだ。
運ばれてきたケーキは見た目からして幸せの塊。
私が夢中で食べてると、ふと「これ、自分だけ食べてるのちょっと悪いな…」って思って、ついスプーンを差し出した。
「これ、めっちゃ美味しいよ! 一口食べてみる?」
ギルヴァントは一瞬だけ目を見開き――すぐにニヤッと笑い、そのままパクリ。
「……これはこれで悪くないな」
低い声が耳に残る。なんだろ、ちょっとドキッとした。
――まあ、美味しいってことだよね。うん。
ふと横を見ると、影からこっちをじーっと見てるイザークさん。
……なんか目つきが鋭いけど、気のせいかな。
その横でナディールは口元押さえてニヤニヤしてるし。
――え、なに? 私なんか変なことした?
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ギルヴァントって、やっぱり普段からこんなに女性に優しいわけじゃないらしいです。
……そういう情報、もっと早く教えてくれません?(本人は教える気ゼロ)
次回はイザークさんの不機嫌(?)と、ナディールのニヤニヤの理由がわかる……かも。
ここまで読んでくださってありがとうございます!




