「鉄壁のハーレム〜異世界皇子と華奢な乙女の攻防戦〜」
今回は物語は、巨人の国である異世界に転移した身長185cmのヨウコが、強靭な肉体を誇る皇子ギルヴァントと、その取り巻きの美女たちの渦中で繰り広げる、ハーレム生活を描きます。華奢な体格の彼女が、鋼のような強者たちの世界でどう生き抜くのか――波乱の幕開けをご覧ください。
最初に出迎えたのは第1皇子妃のアレクサンドラだった。 続いて第2妃カンデュラ、第3妃エルディナート、第4妃マデラン、第5妃ナディアが並ぶ。
皆、現代でいうボディビルダーのような均整の取れた肉体で、その顔は一様に美しい。 アレクサンドラは大国の王女で、貫禄と威厳を兼ね備えていた。
彼女の冷たい視線がギルヴァントに向かい、とろりと甘い笑みを浮かべた。 「殿下、お待ちしておりました。しばらくお会いできず胸が苦しゅうございました。今日は私の部屋にお越しくださいますか?」 彼女は体をしなだれかけてきた。
その隣で私はまるで存在が無視されているかのようだったが、気にしないことにした。
ギルヴァントはアレクサンドラの身体を軽く押しのけ、冷たく告げる。 「今日からハーレムに入るヨウコだ。よろしく頼む。お前の寝所には行かん。今後も同様だ。 そして、ヨウコを第1妃にするため、お前には第2妃となってもらう。ほかの妃たちも同様に思え。 不満があるなら、他の高官の妻として下賜する」
妃たちはざわめき、アレクサンドラは怒りと羞恥の入り混じった表情で抗議する。 「なっ!なぜです、殿下!こんなにお慕いしておりますのに! 殿下はいままで誰一人の女性に執着なさらなかった。だから私は……それでも第1妃である私が一番だと思っていたのです。許してきましたのに!」
その憎しみのこもった目が私に向けられた。 「お前ね!その細腰でどうやって殿下を誑かしたの!?」
ギルヴァントは鋭く言い放つ。 「アレクサンドラ、これ以上は許さん!下がれ!」
彼の声は冷たく、怖かった。
私には関係ないはずなのに、勝手に物語は進んでいく――。 そんなハーレム1日目の幕開けだった。
ヨウコを取り巻く複雑な人間模様がいよいよ動き始めました。強い者たちの間で翻弄されながらも、自分らしさを失わずに進んでいくヨウコの成長と奮闘を、どうぞ最後まで見守ってください。今後も波乱の展開をお楽しみに!




