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「皇子の命令でハーレムに放り込まれました。逃げ場なし!?磨かれて戦場へ」

ついに帝国に到着した私、ヨウコ。

……なのになぜか、客間ではなくハーレム送りに!?

ギルヴァントの乳兄弟エレクの反対でそうなったらしいけど、私の貞操は!?

そして待ち構えるのは、個性強すぎる妃たち……もう、どうすればいいの!?


ギルヴァントは当然のように「ヨウコは俺の客間で休ませる」と言い放った。

だが、乳兄弟であり侍従のエレクが、眉間に皺を寄せて首を横に振る。


「殿下、それは……規則に反します。まずは正規の手続きを経ていただかねば」

「面倒だ」

「面倒でもです。お立場をお忘れなく」


結局、押し問答の末――なぜか私は一時的にハーレムに入ることになってしまった。

(いやいやいや!これ絶対危ないやつでしょ!?)


こっそりとイザークさんに耳打ちする。

「ねぇ、今夜……逃げられる?」

「……難しい。監視が多すぎる」

絶望。


そんな私を待ち受けていたのは、ギルヴァントに命じられた侍女三姉妹――マティ、パティ、ベティだった。

そして、彼女たちの任務は**“磨き上げ”**。


「いや、お風呂は一人で入れますからっ!」必死に拒否するも、三人にあっさり取り押さえられる。


マティが手を滑らせると、驚くほど白く細い腕が現れた。

「まぁ〜!?なんて滑らかでスベスベのお肌!これは磨きがいがありますわぁ」


パティが腰に手を回すと、あまりの細さに小さく息を呑んだ。

「腰は細いのに、お胸は立派ですのね。殿下が喜びますわよ!」


ベティはじっとヨウコを見つめて言った。

「この世界では珍しい、壊れそうなくらい華奢な体。雪のように白い肌。磨けば光る逸材、間違いない」


実際、この国の女性たちは戦士として鍛え上げたたくましい筋肉と、逞しい体こそが美の象徴だった。

しかしギルヴァントは、その硬質な美とは正反対の、儚げで繊細なヨウコの体に魅かれている。


「守りたくなる…いや、抱き潰したくなるような、不思議な魅力だ」

彼の心の声が、表情に滲んでいた。


もみくちゃにされ、湯と香油でつやつやにされた私は、豪華なドレスと宝飾品まで着せられ――まるで別人のように仕上がってしまった。


「……ヨウコ?」

驚愕するイザークさん。

その横で、ギルヴァントは満足げに口角を上げる。


そして、ついに私はハーレムの広間へと放り込まれる。

そこには、第1妃アレクサンドラを筆頭に、五人の妃たちがずらりと並び――

全員が、敵意を隠そうともせず私を見下ろしていた。


(うわぁ……これ、修羅場フラグだ)



---

今回はヨウコ、完全に逃げ場なしの状況に追い込まれました。

三姉妹に“磨き上げ”られるシーンは、書きながら作者もちょっと笑ってしまいました。

次回はいよいよ、アレクサンドラ様率いる妃チームとのファーストコンタクトです。

……波乱しかない予感しかしません。



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