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エンディング

(ラウンド4の深い議論の余韻が漂うスタジオ。万雷の拍手(の効果音)が鳴り響く中、司会者あすかが、感慨深げな表情で対談者たちに向き直る)


あすか:「レオナルド・ダ・ヴィンチさん、ミケランジェロ・ブオナローティさん、パブロ・ピカソさん、そして黒澤明監督!時空を超えた、まさに歴史に残る魂の議論、本当に、本当にありがとうございました!」


(あすか、深々と頭を下げる。対談者たちも、それぞれの形でそれに応える。ダ・ヴィンチは穏やかに頷き、ミケランジェロは少しだけ表情を和らげ、ピカソは満足げに腕を組み、黒澤は静かに目礼する)


(あすかの総括)


あすか:「今宵、私たちは『最高の芸術とは何か?』という、壮大にして根源的な問いを掲げ、皆様の熱い言葉に耳を傾けてまいりました。絵画か、彫刻か、映像か…あるいは他の何かなのか。美の基準はどこにあるのか。芸術は誰のために存在するのか。そして、創造の源泉とは何か…」


(あすか、ゆっくりと言葉を紡ぐ)


あすか:「正直に申し上げて、この問いに、たった一つの明確な『答え』は見つからなかったのかもしれません。ダ・ヴィンチさんの探求する普遍的な法則、ミケランジェロさんの叫ぶ魂の力、ピカソさんの打ち立てた新しい価値観、そして黒澤監督の描く人間の真実…。それぞれが、それぞれの信じる『最高』であり、そのどれもが、疑いなく尊く、そして強い輝きを放っていました」


あすか:「しかし、それでいいのかもしれません。『最高の芸術』とは、もしかしたら、固定された一つの答えではなく、時代を超えて、私たち人間が、問い続け、探し求め、そして時には自ら創り出していくもの…なのかもしれませんね。そして、その多様性こそが、芸術という世界の、尽きることのない魅力であり、豊かさなのではないでしょうか」


(あすか、温かい眼差しで対談者たちを見つめる)


あすか:「皆様の言葉を通して、私たちは、芸術が単なる美しい飾り物ではなく、人間の魂を揺さぶり、世界の見方を変え、時には社会を動かすほどの力を持っていることを、改めて強く感じました。そして、その偉大な芸術を生み出すための、想像を絶する苦悩と、それを乗り越える情熱、そして揺るぎない信念…。本当に、胸が熱くなる思いでした」


(対談者からの最後のメッセージ)


あすか:「さて、名残惜しいですが、本当にお別れの時間が近づいてまいりました。この歴史的な対談の最後に、偉大なる皆様から、今この瞬間を生きる私たちへ、そして、これから芸術の道を志す未来の若者たちへ、メッセージをいただけますでしょうか。まずは、レオナルド・ダ・ヴィンチさんからお願いします」


ダ・ヴィンチ:「(穏やかな表情で、カメラの向こうを見据えるように)…未来を生きる皆さんへ。世界は、あなたがまだ知らない驚異と謎に満ちています。決して、『知りたい』という好奇心を失わないでください。自分の目で注意深く観察し、自分の頭で深く考えるのです。常識や権威を鵜呑みにせず、なぜそうなるのか、どうすればもっと良くなるのか、と問い続けてください。探求の道は、時に険しく、終わりがないように見えるかもしれません。しかし、その過程にこそ、真の発見と喜びがあります。あなたの探求が、未来の世界を少しでも豊かにすることを願っています」


あすか:「探求し続けること…ダ・ヴィンチさん、含蓄のあるお言葉、ありがとうございます。続いて、ミケランジェロさん、お願いします」


ミケランジェロ:「(強い眼差しで、厳しいながらも熱を込めて)…芸術を志す者たちよ!安易な道を選ぶな!己の魂の声に耳を澄ませ!そして、信じたものがあるならば、全身全霊を捧げよ!周囲の雑音に惑わされるな。時代の流行に流されるな。ただひたすらに、己の信じる『真』と『美』を、不屈の精神で追求するのだ!その道は、血と汗と涙にまみれた、苦難の道かもしれん。だが、情熱の炎を燃やし続け、決して諦めなければ、必ずや、神は応えてくださるだろう!魂を込めよ!それだけだ!」


あすか:「魂を込めよ!ミケランジェロさん、熱い、熱いメッセージ、ありがとうございます!さあ、次はピカソさん、お願いします!」


ピカソ:「(不敵な笑みを浮かべ、楽しそうに)未来の若造ども!いいか、常識なんてものは、ぶっ壊すためにあるんだぜ!人の真似なんかするな!先生の言うことなんか聞かなくていい!大事なのは、お前自身の目で世界を見て、お前自身の心で感じて、お前自身のやり方で表現することだ!うまく描こうなんて思うな。失敗を恐れるな。いつまでも子供の心を忘れずに、遊び心を持って、自由に、大胆に、めちゃくちゃにやってみろ!退屈な世界を、お前たちの手で、もっと面白く変えちまえ!」


あすか:「常識を壊し、子供の心で!ピカソさんらしい、パワフルなエール、ありがとうございます!それでは最後に、黒澤監督、お願いします」


黒澤:「(静かに、しかし深く響く声で)…これから何かを創ろうとする人へ。まず、人間を、そして世界を、じっと見つめてください。喜びも、悲しみも、美しさも、醜さも、目をそらさずに。そこに、あなたの描くべき物語が必ずあります。そして、それを表現するための『言葉』(技術)を、弛まず磨き続けてください。道は長く、険しいでしょう。何度も壁にぶつかり、挫折しそうになるかもしれません。しかし、本当に伝えたいという強い想いがあるならば、決して諦めないでください。その想いだけが、あなたを支え、道を切り拓く力となるはずです。…頑張ってください」


あすか:「人間を見つめ、諦めない心…黒澤監督、静かながらも、心に深く染み入るメッセージ、ありがとうございました」


(最後の締め)


あすか:「(感動を胸に、声を少し震わせながら)探求心、情熱、自由な魂、そして人間への眼差し…。偉大な先人たちからの、なんと力強く、温かいメッセージでしょうか。きっと、今を生きる私たちの、そして未来を担う世代の、大きな道標となることでしょう」


(あすか、改めて4人の顔を見渡し、心からの笑顔で)


あすか:「レオナルド・ダ・ヴィンチさん、ミケランジェロ・ブオナローティさん、パブロ・ピカソさん、黒澤明監督。今宵は、時空を超えた奇跡の出会い、そして、私たちの知性と感性を揺さぶる、忘れられない時間を本当にありがとうございました!」


あすか:「『歴史バトルロワイヤル〜芸術頂上決戦!時空を超えた美の祭典〜』、これにて、閉幕とさせていただきます!最後までご覧いただき、誠にありがとうございました!また、時空のどこかで、素晴らしい物語と共にお会いしましょう!さようならー!」


(あすか、深々とお辞儀をする。スタジオに、再び壮大で感動的なエンディングテーマ曲が流れ始める。カメラは、それぞれの役目を終え、穏やかな、あるいは達成感に満ちた表情を見せる4人の対談者たちをゆっくりと映し出す。ダ・ヴィンチは静かに微笑み、ミケランジェロは窓の外の幻影に目をやり、ピカソは満足げに頷き、黒澤は遠くを見つめている。彼らの姿と、番組の名場面、そして彼らの残した偉大な作品群がオーバーラップしながら、エンドロールが流れ始める)

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