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(二)-9

 拓弥はベッドの上で実奈美の体から自分のを引き抜くと、立ち上がって無言で浴室に入りシャワーを浴びた。

「私、今日は朝番だって言ったのに。悪い子ね」

 浴室から出てきた拓弥に実奈美がそう言いながら浴室に入っていった。

 拓弥は無言で応えながら、床の上に落ちているバスタオルを掴み上げて濡れた体を拭いた。

 シャワーを浴びた実奈美が出てくると、拓弥はすっかり身支度を終えて、鏡に向かって前髪を櫛で整えていた。

 そして実奈美がバスタオルを使って濡れた体を拭いている間、拓弥は玄関に向かい、靴を履いた。

「鍵は私が閉めておくわ」

 濡れた長い黒髪をタオルで拭きながら実奈美が言うと、拓弥は「ああ」とだけ言い残して部屋を出た。


(続く)

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