アヌンナキ神話
『終焉の詩姫』は、シュメール神話をベースとしたオリジナルの神話をもとに、
架空の犯罪都市トーキョーで、運命に翻弄される少年少女の話になっています。
物語も一章を迎えたところで、ストーリーの軸となるこの世界の神話を簡単におさらいしたいと思います。なお、読み飛ばしていただいて構いません。
【アヌンナキ神話】
遠い昔……
この地球に、『ニビル』という名の宇宙船に乗った生命体が降り立った。
彼らは、『メ』と呼ばれる偉大なる力で地球に世界を創り出し、やがて暮らし始めた。
あるとき、その生命体の一人、エンキが、新しい種族を創った。
彼らはこれに『ルル』と名づけ、『ルル』は彼らを『神』と呼び始める。
だが、『ルル』は繁殖を続けていくうちに、だんだんと神々の邪魔になっていった。
神々の中には、『ルル』を忌み嫌うものも現れ、
ついに、エンリルという神が『ルル』を滅ぼそうとし始めた。
飢餓や病気、そして最後には…エンリルは大洪水までおこした。
それは地球全てをのみこむほどの大きなもので、
今度こそ、『ルル』は滅びたと思われた。
だが、『ルル』は絶滅しなかった
『ルル』を創ったエンキが、エンリルのたくらみを知り、
お気に入りの『ルル』であった、アトラハシスという男に知恵を与えていたからだ。彼とその家族は、エンキのおかげで最後の洪水も生き残った。
エンリルはこれを知ると怒った。
エンキとエンリルは腹違いの兄弟だが、人間に関しての意見の相違で仲が悪かった。
エンリルは、『ルル』を滅ぼしたい。エンキは、『ルル』を守りたい。
二人の神は平行線。
そこで、神々は、ある取り決めをした。
今後もし、『ルル』が救いようのないほどに落ちぶれた種族になったのなら、
エンリルは、好きにこれを滅ぼしてもよい、と。
ただし、それまでは、エンリルは手出しをすることはならない。
やがて、神々は地球を『ルル』に与え、また宇宙へと旅立った。
エンキとエンリルの子孫である二つの一族、『マルドゥク』と『ニヌルタ』を残して・・・。
マルドゥクはエンキの子孫、ニヌルタはエンリルの子孫だった。
二つの一族は地球の状況を、遥か彼方の宇宙にいる神々に伝える役目をになうことになる。
神々は、マルドゥクとニヌルタの報告をもとに、『ルル』を滅ぼすか否かを決断してきた。
そして、神々が『ルル』を滅ぼす、と決断すると、『災いの人形』が地球に現れる。
『災いの人形』は『パンドラの箱』から生まれ、17歳まで普通の『ルル』として暮らす。
『災いの人形』の17歳の誕生日に、『パンドラの箱』に『テマエの実』という林檎に似た果実が現れ、それを彼女が食べると『災いの人形』としての使命、そして『終焉の詩』を思い出す。
『終焉の詩』とは、その昔、エンリルが地球に仕掛けた大洪水を引き起こす呪文であり、それを『災いの人形』が唱えたとき、その洪水によって世界は滅びるとされている。
本編では『アヌンナキ神話』という表現はしませんでしたが・・・
特に名前は気になさらずに結構です。
内容が少しややこしいのですが・・・
エンキ=マルドゥク=人間の味方
エンリル=ニヌルタ=人間の敵
を理解していただければ言うことありません。