朝の会 -下-
「くだらないことを」あきれた声で藤本はつぶやいた。「いったい、誰が言いだしたんだ? 兄弟の恋人に首輪をつけるなど……お前たちがしてきたイタズラの中でも最低だ」
藤本は真剣に怒っている。ぴりぴりと張りつめた空気がなによりの証だ。『おつかい』のミス以外で叱るなどめったにないというのに。今回は、よっぽどのことだ、ということだろう。
「分からないのよ、お父さん」そんな空気をやわらげるように、美月のおっとりとした声が返答する。「どこからともなく、そんな提案が持ち上がった……そんな感じだったの」
「じゃあ、お前たちは、誰が言いだしたことかも分からない作戦に無条件で賛同した、というわけだな。どうなんだ、それは? 神崎さんのことは置いておいても、胸をはって言えることか?」
「今回ばかりは、しかたねぇ、て言わざるを得ねぇよ」と、美月の横から静流が口をはさむ。
「しかたない?」
「ああ、そうさ」静流は腕を組み、開き直ったような強い口調で返した。「兄弟が一人、家族を抜けたんだ。それも、神崎カヤになびいてな。皆が不安になるのは当然だ。今回は、集団心理に流されてもしかたねぇ」
「不安なのは分かっている。だが、何度も言うが、神崎さんは『黒幕の娘』じゃあないんだ」
「それでも、三神さんはあの子を『黒幕の娘』だと疑っていたんだろ。一度は」
藤本は思わぬ言葉に眉間に皺を寄せる。
その場の雰囲気ががらりと変わった。肩にのしかかるような重苦しい空気が漂う。
「三神さんの情報は正確だ。あの人の情報がはずれたことなんて、一度もなかった。あたしらがこうして無事でいるのが、その証じゃねぇか」
そこまで言って、静流は藤本から目をそらして苦々しい表情を浮かべた。
「あたしらにとっては」と、押し殺した声をしぼりだす。言うのをためらっているのが、はっきりと見て取れた。「あたしらにとっては……三神さんが一度はあの女を疑った――それが脅威なんだ。皆、口にはしねぇし、もしかしたら自覚して無ぇのかもしれねぇ。けどよ、深層心理にあるんだ。あの人の情報への絶対的な信頼、てやつがよ。あたしらがあの女を信用できない一番の理由は、そこなんだよ」
「特に……留王は」
ぽつりと弱々しい声が静流のあとにつづいた。
全員がハッとして、その声の主に目を向ける。
前髪を頭のてっぺんで留めた、お団子頭の少女だ。眼鏡の奥には、輝きを失った宝石のような曇った大きな瞳。俯くその姿は、いつもぴしっと凛々しい茶々には珍しく、頼りなく見えた。
「たぶん、言いだしたのは、留王だと思うんです」と語りだす声にも彼女らしい覇気はない。「留王は、特に三神さんのことを信用していますから。きっと、誰よりも。だって、留華兄さんは‐―」
「へっくしょんっ!」
いきなり、天井をつきぬけていきそうな甲高いくしゃみが、どんよりとした空気を吹き飛ばした。
「ああ、ごめんなさい、ごめんなさい」とすらりと白い腕を上げて皆の注目を引いたのは、アリサだ。形のいい鼻をちょいちょいと人差し指でかきながら、不思議そうな表情で小首を傾げる。「なにかしら、花粉症? ちょっとお化粧室に行ってきますわ」
おほほ、とでも言い出しそうなほど可憐な笑みを振りまいて、アリサはさっそうとベッドから降りて茶々の腕をつかむ。
「あなたもおいでなさいな、茶々」
「え? なぜ、私まで……!?」
あからさまに嫌がる茶々を問答無用で引きずって、アリサはふわふわと長い黒髪を揺らして病室から出て行った。
引き止める暇さえも与えない、まるでスコールのような勢い。
空気までもがあっけにとられたように静まり返る病室で、美月が物憂げに頬に手を置きため息を漏らす。
「茶々、最近、元気がないよねぇ。たしか、おとといあたりから……」
「留王もな」それだけ言って美月の言葉を遮ると、静流はちらりと父親に目をやる。「すみません、なるべくあの話はださないようにしたかったんですが。茶々と留王は双子みたいなもんだ。黙ってられなかったんだと思います」
言葉は返ってこない。
斜めに照りつける朝日を浴びながら、初老の男はじっと目を瞑っていた。橙色の光が男の顔に深い影を落としている。涙を堪えているかのような表情だ。
静流も美月も、何も言おうとはしなかった。いや、純粋に、何を言えばいいのか分からないのだろう。
「すまないね」ようやく、藤本は疲れ果てた声をもらす。「お前たちに気を遣わせてしまうなんて、情けない。――すまない」
目が痛むかのように、藤本は目頭をおさえた。
「そうだな、留王のことも考えてやるべきだった。そうだな……あの子は不安だっただろう。ああ、そうだな。そうだな」
同じ言葉ばかり繰り返す藤本に、静流と美月は顔を見合わせる。
美月はじっと静流の切れ長の目を見つめ――その奥にある彼女の考えを読み取って――こくりと頷く。
「親父」静流はジーンズのポケットに手をつっこんで、一歩前に進んだ。「いろいろ勝手をして悪かった。曽良にはあたしから連絡して、盗聴はやめるように言うからよ」
「そうしてくれ。ありがとう」
「それじゃあ、わたしたちは……」
美月が遠慮がちに言うのを、藤本は「ああ、頼んだよ」と微笑んでさえぎる。
二人は心配そうな表情を浮かべていたが、それ以上は何も言わず、病室をあとにした。
***
もうあれから何年経っただろうか。――藤本は誰もいなくなった病室で、一人物思いにふけっていた。
たしか、三神がまだ十七のときだから、六年前か。留王が八歳のときだ。
そして……留華が十九のとき。
藤本は大きくため息をもらして、体を倒した。
決して忘れてはならない、父親として彼が犯した大きなミス。ほとんどの子どもたちはその事件を知っているだろう。しかし、藤本の前で口にすることはない。皆、知らないふりをする。
子どもたちが気を遣うほどの、過ちだということだ。
ぼんやりと窓の外をながめる。赤らみ始めた空がにじんで見えた。
「歳をとると、自制がきかなくなるな」
目を押さえ、藤本は憫笑した。
あと少しで、娘たちの前で泣きだすところだった。そういえば、神崎カヤの前でも涙を見せてしまったな。
ああ、本当に歳をとったものだ。
藤本は目じりを伝う涙を感じて、そう心の中でつぶやいた。
***
「初めまして」とブレザーの制服姿の少年はいきなり現れた。襟首のあたりで束ねられた短い髪がちょこんとつきでている。妙な髪形の若者だ、と思った。「もしかしてなんですけど、今度の土曜日に『ヴェネチア』に誰かを潜入させようとしてませんか?」
教会の前ではき掃除をしていた藤本はぎょっとして「なんだって?」と目を薄めた。
「今、なんて言った?」
「いや、ですから、今度の土曜日に行われる『ヴェネチア』のオークションに、部下を送ろうとしていませんか、てお聞きしたんですよ。『無垢な殺し屋』のおとーさん」
思わず、藤本は持っていたほうきを落としていた。目を見開いて硬直する。
「ああ、やっぱり。そうなんですね」と、藤本とは対照的に、少年は晴れやかな表情を浮かべた。といっても、そのややつった目には侮れない鋭い眼光が宿っている。
「留王!」
藤本は少年からは目を離さずに、背後で遊んでいる幼い少年に怒鳴った。ふわっとした髪に大きなつり目の少年――留王だ。
「教会の中に入っていなさい」
道路にチョークで落書きしていた留王は「え?」と興味に瞳を輝かせて顔をあげる。
「安心してください、僕は無害ですから。忠告しに来ただけですよ」
にっこりと少年は笑って肩をすくめた。
よれたシャツはズボンからはみでて、ブレザーのボタンもしめられていない。その身だしなみもだが、表情からもゆるい雰囲気がただよっている。敵意や、殺気、などというものは感じられない。街中で遭遇したなら、どうせ学校をさぼってふらついている不真面目な高校生だろう、としか思わなかっただろう。
しかし、少年の発言は、彼がただの高校生ではないことを示していた。
「何者だ?」
なに、なに? とそわそわしている留王を隠すように立ちはだかって、藤本は少年を睨みつけた。
「そうですねぇ」少年は南中にさしかかった太陽を眩しそうに見上げ、「三神、とでも名乗っておきます」
「名乗っておく、だと?」
ふざけるな! と叫びたいのを抑えた。子どもたちのお手本にならねばならない自分が、取り乱すわけにはいかない。
三神、と名乗った少年は子どもっぽく微笑んだ。
「今はしがないインチキ占い師ですけど、そのうちトーキョー一の情報屋になるつもりです」
藤本はあっけにとられた。
「情報屋だと?」
しかも、トーキョー一、といったのか?
「結構、腕はいいんですよ。この通り、『無垢な殺し屋』のアジトを突き止めてしまうくらいに」
にんまりと笑む彼の目は笑ってはいなかった。
藤本はごくりと生唾を飲みこむ。
確かに、その通りだ――そう言わざるを得ない。自分の正体を……いや、その前に、藤本マサルが生きていることを暴いた時点で彼はただ者ではない。
少なくとも、ただの高校生ではないだろう。
「近い将来、きっと藤本さんにもお世話になるかな、て思って、こうして借りという名のコネをつくりにきたわけです」
じっとりと手の平に汗がにじんでいた。藤本は青いジャージのズボンを握りしめるようにしてそれをふく。
「借りとはどういうことだ?」
仕掛けたルアーに魚がかかったかのような、しめた、という表情。三神はそれを隠せなかったようだ。
子どもなことは子どもなようだ。藤本は少し安堵した。
「今度の土曜日、『ヴェネチア』では闇オークションなんて行われません」
藤本はぴくりと白い眉を動かす。「まさか」と鼻で笑って口を挟もうとしたが、三神はさっと右手で制す。
「確かに、そういう情報は流れています。でも、それはブラフ。トーキョーという暗い海にまかれた餌です。獲物がなにか、お分かりですか?」
藤本は表情を曇らせた。
当然、彼が何を言わんとしているか、容易に分かる。だが……
「わたしもね、だてに長年裏で駆け引きはしていない。ちゃんと信用できる情報屋を雇っている。君よりもずっとキャリアも付き合いも長い人物だ」
すると、三神は唇の片端を上げ、試すような視線を向けてきた。
「でも僕のほうが腕は上です」
「帰りなさい」
きっぱりと藤本は告げた。脅すような低い声で。
そんな態度を取られるとは思っていなかったのだろうか。三神は目をぱちくりと瞬かせ――それから、小バカにするように鼻で笑った。
「後悔しますよ?」
「こちらのセリフだよ、三神くん」
言って、藤本はくいっとあごをしゃくる。
三神ははっと目を見開いて、ちらりと背後を一瞥した。
「ウチの前でなにしてんの?」
そこに佇んでいたのは、チェック柄のシャツを着た茶髪の少年だった。染めているのだろう、髪が痛んでいるのがよく分かる。ほっそりとした顔立ちで、狐のような印象がある。
さらりと目にかかる髪をかきあげて、「迷子なら送っていくよ?」と不敵な笑みを浮かべた。
「留華兄ちゃん!」と藤本の背後で、留王が飛び上がって声をあげた。今にも飛び出していきそうな留王を、藤本はあわてて振り返って引き止める。
「あのさぁ」にこりと満面の笑みで弟に手を振りつつ、留華は低い声でつぶやく。留王に顔を向けてはいるが、三神に話しかけているのは明らかだった。「あんたの情報の中に、俺が行く、て事実ははいってんの?」
三神は小首を傾げて、「いいえ?」と素直に答えた。すると、留華は鋭い目つきで三神を睨みつける。
「そんじゃ、情報不足だね。俺が行くからには、罠だろうがなんだろうが関係ない」
「……だといいですけど」呆れたような笑みを浮かべ、三神は肩を竦める。「とりあえず、僕は忠告しましたからね」
しつこく主張を押し通す気はないようだ。――いや、と藤本は柳眉を寄せる。
この状況だ。さっさと退くのが利口というものだろう。冷静な状況判断ができている。見た目に似合わず……否、まさか、その格好は計算か。
不審そうにねめつけていると、三神はひらりと手を挙げた。
「それじゃ、また会いましょう」
にっこりと微笑んで、バレエでも踊るかのように軽やかに身を翻して去っていく。
無防備な背中。軽快な足踏みにあわせてぴょんぴょんと跳ねる黒髪。鼻歌まで聞こえてきそうなほどの、なんとものんきな態度だ。振り返ろうという気配もない。背中を撃たれてもおかしくない状況だというのに。無用心なのか、こちらが撃たないことを読んでいるというのか。
藤本は、結局、三神という少年をつかみきれなかった。まさに、謎の少年、だ。
しかし、敵意は感じなかった。それだけは確かだ。突然現れた妖精にいたずらでもされた気分、といえばいいだろうか。
「あっさりだなぁ」肩透かしだったのだろう、留華はどこか物足りなさそうな声でぼやいた。「このまま逃がしちゃっていいんですか? 追います?」
「かまわんよ。無害、というのは本当だろう。すきだらけだった」
呆れたようにそう答え、藤本は留王の肩をおさえていた手を離す。
ようやく拘束を解かれた留王は、ゲートが開いて飛びだす競走馬のように留華へと駆けだした。留華はしゃがみこみ、タックルをかますように突進してくる弟を抱きとめる。
「おう、待たせたな。バスに乗り遅れちまって……」と遅刻の弁解を始めたものの、
「さっきのお兄ちゃん、なんのはなしをしていたの!?」
留王は留華の胸倉にしがみつくようにして突然訊ねた。好奇心と不安が入り混じった表情が浮かんでいる。幼いながらも不穏な話がされていることに気づいていたようだ。
「忠告って言ってたよね? なんの忠告だったの?」
「なんでもねぇよ。あの兄ちゃんはただの大嘘つき。人が不安になるのを見て楽しんでるだけだ」
説得するように強い語調で言ってから、留華はよからぬことを企んでいるかのような怪しげな笑みを浮かべた。
「そうだ。茶々と寧々姉さんのところに押しかけようぜ。カレーでもつくってもらおう」
すると、留王の表情から不安の色が一瞬で消え去った。つり目を大きく見開いて、嬉しそうに「うん」と頷く。
見ているだけで癒される、天使のような純真な笑顔。藤本はつい頬がゆるんだ。
「父さんも心配しないでよ」
留王の右手を取って立ち上がり、留華は屈託のない笑みで藤本にそう言った。力強い口調。俺は大丈夫、信じてよ――そう訴えているようにさえ見えた。
不吉な『予言』を聞いても毅然としている息子を誇りに思いつつも、しかし、胸騒ぎを覚えてならなかった。
「念のため、木田くんや他の情報屋にも確認してみるよ」
険しい表情でそう告げると、留華はくつくつ笑った。
「まったく、心配性というか過保護というか。まあ、父さんの気が済むなら、俺はなんでもいいよ」
「そうさせてもらうよ」
「そうしちゃってください。んじゃ、留王、預かってくれてありがとな」
あっけらかんとした調子で言って、留華は踵を返した。「カレー、カレー」と間の抜けた歌を口ずさんで、留王と手を繋ぎ去っていく。
もう兄弟など存在しないはずのこの世界で、まるで本物の兄弟のような二人。その後姿を、藤本はただただじっと見つめていた。
留王の甲高い笑い声が遠くから聞こえてきた。
***
「親父は、そんとき、ひいきにしていた情報屋――木田、だったけ。そいつ以外にも、知っている限りの情報屋に確認したらしい。でも、三神さんが主張していたブラフ説は浮き上がらなかった。だから……」
「『おつかい』を決行したのよね」
沈んだ表情で美月は静流の言葉をひきついだ。
藤本の病室を出てから、二人は廊下の奥で向かい合って話していた。お互い壁に背を当て、藤本に聞こえないように、と声を押し殺して。
「でも、三神さんが正しかった。三神さんだけが正しかったんだ」
舌打ちでもしそうな、悔しげな声で静流はつぶやいた。
「留華兄さんは帰ってこなかった」
美月はぎゅっと自らを抱きしめるように両腕をつかむ。静流は頷く代わりに視線を落とした。
「もしものときは、自ら命を絶つこと――それは、あたしら『カイン』の掟。たぶん、留華兄さんも……」
「わたしたちが中学に入ったばかりの頃だったよね。香月姉さんが言ってたな。初めてお父さんが取り乱すところを見た、て。大変だったみたいよね、あのときの姉さんたちは……」
「だから、広幸さんが親父の代わりに、留王に説明したんだ。あたしも一緒に行ったよ」
懐かしむような表情で天井を振り仰ぐ静流。美月はくすりと意味深な笑みをもらした。
「いつのまに、そんなことしてたの? 広幸さんにメール一つ送るのも、わたしがいないとできなかったくせにぃ。しずるんってば、積極的」
「う、うるせぇ!」
静流は顔を真っ赤にして、美月に怒鳴りつけた。髪を振り乱してあたふたとする様は、美月をよけいに喜ばせた。
「広幸さんがからむと、すーぐ乙女になっちゃうんだからぁ。かぁわいい」
「いい加減にしろ、殴るぞ、美月!」
だん、と足を地面にたたきつけ、静流は拳をつくってふりかざした。
しかし、美月は「は~い」とにっこり微笑むだけ。まったく本気にしていないようだ。
調子をくずされたのだろう、静流は「ちっ」と舌打ちして行くあてのなくなった拳をポケットにしまいこんだ。
「ほら、さっさとアリサ姉さんと茶々のとこに行くぞ」
めんどうそうにそう言って、静流は身を翻して歩きだす。美月は「あ」とあわててそのあとを追い、
「忘れないうちに、曽良ちゃんに電話しないと。作戦中止、て」
追いつくなり、美月は静流の腕にするりと自分の腕をからめた。そうして歩く様子は、後ろから見ればまるでカップルだ。
「起きてんのか、あのバカは?」
美月に拘束されていないほうの手をポケットにつっこんで、静流は携帯を取り出す。
「ちょうどいいかも。起こしてあげなよ。ほら、今朝は補習でしょう。これ逃したら、留年リーチ、て言ってたもの。寝坊しちゃったら大変」
「なんで、あいつはいっつもギリギリなんだ。学校行けよ」
「学校は行ってるんだけど、授業にでてないらしいのよぉ」
「じゃあなにしてんだよ、あいつは」
「遊んでる、て言ってた」
「……いっぺん、『手加減』なしで殴ろうか」
「とにかく、電話してあげて。しずるんからの電話なら確実に起きるから」
「どういう意味だよ?」
「第六感、ていうのかな。しずるんがらみだと、それが働くらしいよ」
「あたしは幽霊かよ」
「どちらかというと、鬼?」
「今なんつった、美月!?」
わいわいと騒ぐ姉妹の声が徐々に遠ざかっていった。
更新が遅れてしまい大変申し訳ありません! お待ちいただいていた方には心からのお詫びと感謝の気持ちを届けさせていただきたいと思います。ありがとうございます!
それにしては、ストーリーが動かず……すみません。
次話からは、文化祭が始まります♪ ようやく主人公も戻ってきますので。
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