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贈り物

作者: 大崎優

ルージュ。真っ赤なルージュ。貴方からの一番最初のプレゼント。きっと君に似合うよって、はにかんだ笑顔を見せてくれたね。でも少し赤すぎたよね。良い思い出。


ネックレス。貴方と私の名前が刻まれたネックレス。貴方からの2回目のプレゼント。これからも一緒にいようねって、照れてたね。でも私の名前のスペルが1文字違ってたよね。これも良い思い出。


指輪。貴方との結婚記念日が刻まれた指輪。貴方からの3回目のプレゼント。君とならどんなに不幸になってもいいんだって泣きながら話してたね。でも、サイズが少し大きかったね。大丈夫、これも良い思い出。


花束。私の大好きなカスミ草の花束。貴方からの4回目のプレゼント。花言葉の清らかな心って君にピッタリだねって、照れもせず真面目な顔で話してたね。でも一緒に束ねてあった白いチューリップの花言葉は、失われた愛だよって言ったらすごく落ち込んでいたね。大丈夫、貴方のこと愛してる。これも良い思い出。


ストール。私の大好きな水色のストール。貴方からの五回目のプレゼント。また2人で出かけようねって優しく微笑んでいたね。でも猛暑が続く8月のことだった。秋になるのが待ち遠しかった。これも良い思い出。


紫陽花の苗木。貴方の大好きな花である紫陽花の苗木。貴方からの最後のプレゼント。僕がいなくなっても紫陽花を見て思い出してって切なそうに話したね。でもまだ貴方はいなくならないよって言ったら、そうだねって笑ってた。いやだ、貴方がいなくなるのは。


「ありがとう」。貴方からの「ありがとう」。貴方からの最期のプレゼント。君のおかげで幸せだった、ありがとうって涙ながらにとぎれとぎれ話したね。でも私が泣きだしたら最後の力を振り絞って手を握ってくれたね。貴方のこと愛してる。永遠に。


貴方からのプレゼントは毎回小さな失敗付きで毎回楽しみだった。次また会う時にはよろしくね。

読んでいただきありがとうございます。きっと誰にでもこういったプレゼントにまつわる思い出、エピソードあると思います。この小説をきっかけに思い出して少しでも温かい気持ちになっていただけたら幸いです。

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