第1話:パパの秘密
初投稿です。
へたくそですが、ぜひ見て下さい。
「あんた、風邪ひいてるんじゃないの?」
「えっ、やっ……あのですね……」
俺、西条慶真は困っている。これはかなりの緊急事態。
目の前にはクラスメートの早乙女るりが立っている。
頭がよく、運動もできる、噂では中学のときからモデルをやっているらしい。 つまり、かなりの美少女ってこと。
そして、そんなとてつもなく可愛く愛らしい顔を笑みの形にしてこちらを見る早乙女。普通だったら喜ぶところだろうが、目が、目が全然笑ってない。
「学校、サボってたわけ?」
「いや!サボってはいない!!風邪ひいてるのはホントだし……」
「じゃあ、何で今そんなにピンピンしてるの?」
早乙女の黒いオーラが増幅した……気がする。
というか、なぜこんな状況に陥っているのか。
俺はここ2、3日学校を休んでいる。早乙女は先生に頼まれてプリントを持ってきてくれた。
すると、風邪のはずなのに、ピンピンしている俺がいた、というわけだ。
「パパ……?お客さん、だぁれ?」
奥から眠そうな幼い声が聞こえてきた。と、同時にパジャマを着た小さく可愛らしい女の子が姿を現した。
「晴香!まだ寝てなきゃだめだろ?」
「パ……パ?西条、あんた父親だったの?」
さ、早乙女さっきの聞いちゃったのかよ!!
「俺の本物の子どもじゃないから!」
「じゃあ……っ!もしかしてロリコン?!」
ひどくなってんじゃん!勘違い度ひどくなってんじゃん?!
「あのさ、とりあえず説明するから上がってもらえるか?」
本当はあんまり他人に話したくないんだけどな。さすがにロリコン疑惑をかけられんのは、人として辛いし仕方ないか。
早乙女は少しどころか、かなり警戒しながらも家に上がってくれた。
俺どんだけ信用ないんだろ。ちょっとショックなんだけど?
俺は晴香を寝かしつけてから、早乙女を待たせているリビングへと向かった。
「飲み物何がいい?」
「てきれば冷たいもの」
冷たいものって麦茶でいいかな?麦茶以外牛乳しかないし、ま、いいだろ。
俺は早乙女の前に麦茶をだしてから、向かいのイスに座った。
「そおいえば、親はいないの?お仕事?」
なんてピンポイントな質問だ。
「俺の親、俺が小3のときに死んじゃったから」
「えっ!?」
俺が答えると早乙女は驚いたように目を見開いた。
「もうなんともないけどね。で、それがさっきの女の子、晴香っていって今4歳なんだけどな。その子につながるわけだ」
早乙女はわけがわからないのか、首を傾げている。
「ちょっと長くなんだけど、聞く?」
念のため確認をとると、早乙女はコクンと頷いた。
俺は話し始めた。
「親が死んだとき俺まだ8歳でさ、親しい親戚もいなかったから孤児院に預けられそうになったんだ。んでそのときに、自分が面倒見るって言ってくれたのが10歳年上の俺の兄ちゃん。自分も高校生だったのに、一生懸命俺のこと育ててくれた。そんで俺が11のときに結婚したんだ。義姉さんもいい人でさ、3人で一緒に暮らしてて、俺が12のとき2人の間に生まれたのが晴香」
ふう〜つかれた。
「大体わかったけど、どうしてお兄さんの子が西条をパパって呼ぶの?」
またもやピンポイント。目のつけどころがちがうねえ。
「その兄ちゃん達も半年前に死んじゃったんだ……幼い晴香達を置いてね。晴香達も孤児院に預けられそうになってたから、俺が引き取ったんだ。優しい兄ちゃんと義姉さんの忘れ形見だからな」
俺が話し終わると、早乙女は何かを考えるように下を向いた。
そして何かに気づいたように俺を見る。
「ねえ、晴香達ってどういうこと?」
「あああっ、んぎゃあ」
あっ!この叫び声俺じゃないからね?
つぅか晴香が起きるかもしれねぇじゃん。
「悪い、ちょっと待ってて」
それだけ言って俺は立ち上がった。数分して戻った俺の腕に抱かれているものを見て、早乙女がびっくりしている。
「つまり、こういうこと……?」
俺は腕に兄ちゃん達のもう1人の忘れ形見である、男の子の赤ちゃんを抱きながら言った。
「なっ、なっ……」
「な?あ、名前?この子は空。ちなみに男の子だぞ」
「聞いてないっ!!あんた2人も面倒見てるわけ?」
早乙女の今日一番の大声。まぁ、気持ちはわかるけど……。
「見てるわけ、なんだけど……」
「パパ」
俺が答えると早乙女ではないほうから声がした。
晴香の声だ。
「ああ、晴香。やっぱ起きちゃったか」
俺が晴香の方を向くと、なにやら恥ずかしそうにモジモジしていた。
知らない人がいるから緊張してんのかな?
すると晴香は、トテトテと早乙女に近づいて行った。
何する気だ?変なことはしないだろうけど。なんか早乙女も驚いてるし。
「あの……、ママ…?」
世界が止まった……………………。
って、固まってる場合じゃねぇ!ああっ、早乙女もかたまっちゃってるし!!
「あの、晴香?早乙女はな」
「ちがうの?」
そんな泣きそうな顔で見るんじゃない!何も言えなくなっちゃうだろ?
意識取り戻した早乙女もあの目にタジタジじゃん!?
「ママ、だよね?」
早乙女は沈黙の後に言った。
「そう、だよ」
「って、ちょっ、早乙女?!いいのかっ?」
「だって仕方ないじゃん。それにあんたのためじゃなくて、晴香ちゃんのためだもん」
ハハッ。最後のセリフ、ちょっとグサッときたかも……。
でもかなりありがたいよな。男の俺じゃ晴香のことわかってやんのに限界あるし。
「早乙女、ありがとう」
「あたし、まだママらしいこと何もしてないんだけど?」
ちょっと顔、赤くねぇか?なんつうか、やっぱかわいいよなぁ早乙女も。
「よろしくな」
「ん、よろしく」
からかってやろうかな、とも思ったけど、まぁなんというか……今はこの空気を壊したくなかった。
めっちゃベタです。
そしてあり得ない話です。
すみません。




