SCENE -1『注意書き』
この物語には、特定の性的エロコンテンツに対する精神的嫌悪感を掻き立てる(かもしれない)描写が多々含まれています。以下に該当する方は、閲覧をご遠慮くださるようあらかじめお願い致します。
・エロコンテンツのお約束を知らない方
・現実と虚構の区別がつかない方
・物語と作者を同一視する方
・皮肉と悪意を楽しめない方
・残酷な描写に嫌悪感を抱く方
・本作を他者への攻撃に用いようと考える方
この物語はフィクションです。
俗に言う、同人ゲーム――エロRPGというジャンルでは良くあるバッドエンド。
その後日談のような、そんな物語です。
同時に、前日譚でもある物語です。
お約束みたいなあらすじは、こんな感じ。
いつかどこかのファンタジーみたいな世界に、薬作りが得意な魔法使いの女の子がいました。
とても綺麗で可愛らしい、ヒロインみたいな女の子。
彼女が営む薬屋は、いつもたくさんの人がやってきて、誰も彼もが彼女を街のアイドルみたいに見ていました。
けれども、そんな彼女を食い物にしようとする男という生き物はどこの世界にいるわけで。
そこから先は、めくるめく暴力と陵辱の繰り返し。
規制に引っかかるかもしれないので、詳しくは説明しません。以下略。自重。自主規制。黒塗り。カット。モザイク。レーティング。ゾーイング。
残酷な描写が含まれます、と注意書きされそうなほどに。
とにかく、悲惨なことが繰り返されました。
繰り返して、繰り返して。
地球儀や独楽みたいに、ぐるぐるぐるぐる。
この物語は、そんな悲惨な出来事が台風のように通り過ぎていった後のお話になります。
――そういう設定の創作物なのです。
ええ、そうです。創作なのです。
作り物なのです。
虚構です。
フィクションです。
誰がなんと言おうとフィクションなのです。
読者の誰かがこれは現実にあったことだと主張したとしても、
作者を名乗る何者かが超能力か何かで観測した現実を基にしたノンフィクションだと主張したとしても、
創造主気取りの肉塊が「残念でした、この物語はフィクションではありません。精神的に死ね」と狂気を流し込んできたとしても、
意地悪などんでん返しみたいに、やっぱりフィクションでしたと嘲笑してきたとしても、
やっぱり、この物語はフィクションなのです。
全ての読者が、これはフィクションではないと断定しても、この物語はフィクションであり、もし仮に擬人化して「私はフィクションではありません」と主張したとしても、何者かの意思により却下され、フィクションであり続けるのです。
ざっくり言えば、絶対不滅永遠のフィクションそのもの。
どうか信じてください。
ひょっとしたら、本当はメタフィクションだったりするかもしれませんが。
或いは、メタメタフィクションである可能性もありますが。
何はともあれ、これはフィクションなのです。
だから、どうか。
この物語はフィクションなのだと、作り物なのだと、誰かの脳内で誕生した虚構の産物だと。
どこかの異世界で本当に起きた話ではなくて、あやふやで不確定で曖昧な、夢幻のような物語であると。
物語の形をした、ただの悪夢なのだと。
そう、信じてください。
それだけが、私――作者の願いです。