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Godspeed 星継ぎ物語 勇者のつもりだったのに編  作者: まとあし
勇者のつもりだったのに
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学園へ(7 初めての魔法)

初めて小説を書いています。

プロローグで勇者や異世界の背景を小出しに説明をしています。

書いてる途中で辻褄が合わなくなることも多々あり、勇者や異世界の背景修正が多くなっています。


しばらくの間、ご容赦をお願いします。


王都を出発して6日目、今日も良い天候だ。

昨日までの風景と異なり、目の前には大きな青いフランギル湖が広がっている。

フランギル湖は北に(そび)えるバキ山脈を主な水源としている。

北に見えるバキ山脈の峰には雪が見える。

少し沖合に船が見えるのはケストヘイを経由して王都に向かう船なのかもしれない。


「まるで海のようだ。

 カミンは何回も来てるの?」

ロバートがカミンに聞いている。

「うん。

 父上の別荘があるから、何度がフランギル湖に来たよ。

 でも、今回が一番楽しい。」


「おれは村を出たのが初めてだから、毎日が楽しい。


 魔王退治の勇者様物語に出てくる従者って憧れの対象だったけど、

 最初は従者って言うのに選ばれたって聞いて、どうなるのか怖かったんだ。

 

 でも、村を出る時もみんな頑張れって応援してくれて。

 みんなのために、頑張ろって。

 でも、出発の日もすごい不安で。

 でも、マービンに話しかけられて一緒に乗ろうってなって」


「ロバート、でもが多いぞー!

 何が言いたいんだ?」

マービンがちゃちゃを入れる。


「うんと、

 カミン、ありがとう!

 孤児(みなしご)で平民の子で、役に立てるかどうかわからないおれを、

 仲間って言ってくれて、ありがとう!」

「あーあー、おれもそう思ってた、ありがとう!」

便乗するマービン。


イリーナは微笑みながら、やり取りを見ている。

素直な子たちだ。

イリーナは自身が平民の出なので、平民に対して偏見がない。この関係はカミンにとっても良いことだと考えているようでイリーナの微笑みが絶えない。

子供たちのやり取りをみて、昔の自分たちの時のことを想い出し懐かしく思っているのかも知れない。


イリーナがロバートに話しかけた。

「ロバート、ちょっと魔力を試してみない?」

「え? 魔力を試すって?

 やってみたい!」

「おれも、やってみたい!」

マービンも続く。


「じゃ早速(さっそく)、試してみましょう。

 そのまえに、ミノルも一緒に聞いてね。

 魔力について少し話をするわ」

イリーナが魔力についてレクチャしてくれるようだ。



魔力の元は魔素である。

魔素は濃淡こそあれどこにでも存在する。

魔核が魔素を魔力に変換し、魔力を魔包結晶体に貯めて、貯まった魔力を使い魔法が使えるようになる。

ただ、魔素が濃すぎると人間には毒になるので魔素だまりなどに迂闊に長居してはいけない。


マービンやロバートが勇者の従者に選ばれたのは、マービンやロバートの持つ魔核が優れていたためだろう。

優れた魔力使いが見れば、マービンやロバートの持つ魔核がとても優れていることがすぐにわかる。

魔核の評価には、

・魔素を魔力に変える力

・魔力を一度に出す力

・魔法を制御する力

が有る。

魔力を溜める魔包結晶体は魔獣や魔物などからでる魔煙を吸収して育てる。


冒険者が使う魔法は、一般的にこの3系統の魔法があるとのこと。

・通信系 思念通話、周辺探査、神託

・攻撃系 爆発、衝撃波、光熱線

・回復系 回復、身体強化

その他、生産系の魔法として、錬金系があるらしい。錬金系は魔物の素材加工や銅を強化したり出来るらしい。イリーナさんは錬金系の魔法も出来るらしいが得意では無いとのこと。


通信系-思念通話と攻撃系と回復系-身体強化は魔核と魔包結晶体を持つ者で、簡単な魔力出力が出来るようになれば、誰でもすぐに使えるようになる。


特に回復系-身体強化は意識せずとも自動的に常に発動するようになる。

魔物を倒し魔煙を吸収すれば、吸収量に合わせて自然と限界まで強化される。

身体強化は力強く、硬く、打たれ強い体。素早く思い通りに動く体。極暑や極寒にも耐える体。知能が高くなり判断力、創造性、知恵が高度に働くようになる体に強化される。

身体強化は知能や判断力と言ったものまで向上させるので、レベルに高い魔物や魔人は知性において人を凌駕するものも出てくる。


通信系-思念通話とは、いわゆるテレパシーのことで謁見の時にカミンからミノルに送られた来たものだ。

一般的には通話したい相手と事前にコンタクトしておかないと通話できないそうだが、カミンは優れた思念通話能力を持つのでコンタクトなしでミノルにも通話を送ることが出来たそうだ。


通信系-神託は神の思考を読み取る能力のことだ。

神は常に存在している。

そして常にいくつもの膨大な情報を処理し、思考し、結果を確認している。

神託とは自分が関与する情報だけを神の思考から取り出し読み取ることを言う。自分に関与する情報しか開示されない。

膨大な神の思考から真に欲しい情報を得るのは、砂漠の中の一粒の砂を探すがごとく難しいことなので、欲しい事柄の信託を聞ける能力は極めて稀な能力と言える。


通信系-周辺探査はソナーのような能力のことだ。

音波や超音波を周囲に出し反射波を捉えることで周辺探査を行える。

成長するにつれて多くの人が発現する。

能力に応じて探査範囲や取得する情報の細かさが変わってくる。


攻撃系-爆発は強力な電磁波を送り込み、狙った場所を瞬間的に超高温化し爆発させる能力。

攻撃系-衝撃波は2種類の電磁波を送り込み、狙った場所で干渉、衝撃波を発生させる能力。

攻撃系-光熱線は光を極限状態まで集約し、狙った場所に送り込む能力。

これらは十数メールの射程距離で、数メートルの攻撃範囲が一般的とのこと。

最高の力を持つ勇者なら、もう少し長距離攻撃もできるとのこと。

電磁波の周波数は無意識に選択されるが、経験を積むことで最適な周波数になるなど、訓練も大切である。


回復系-回復は神に祈りを捧げ健全な状態に戻してもらう身体創造能力と、身体能力強化の延長で傷な断裂などの損傷を修復する修復能力があるとのこと。

腕を失っても腕が生えてくる身体創造回復は神に祈りを届ける必要があり、やはり稀な能力と言える。


通信系-神託と回復系-回復は、発現することがほとんどなくカミンはよほど才能に恵まれ、神に愛されているらしい。勇者の一部も成長するにつれて回復系-回復が発現するらしい。


ミノルは思った。

これだけ? 火、水、土、風、雷、光、闇・・・は?

空間魔法とか、次元魔法とか・・・は?


山の形が変わるような極大魔法もなく。それを防御する魔法もなく?

え?

そもそも防御系の魔法すらないの?


便利な生活魔法とかは?

収納魔法とか・・ない?

どこでもドアは?

身体強化はすごいと思うけど、うーん。


ミノルにとっては衝撃的な事実だった。


「ミノル殿、がっかりした?」

イリーナさんが聞いてくる。

「そうですね。想像していた魔法とは違ってました。

 私たちの世界では火、水、土、風、雷、光、闇、空間などの魔法が想像で語られてたので。

 もっと便利なものかと勝手に想像してました」

「あはは。そうね、わかります。

 私が従事した勇者のフェイミンも同じようなことを言ってがっかりしてましたから。


 そうそう、フェイミンは金属って言う物が無いことにも驚いてたわ。

 『鉄が無いの?!』って。

 『どおりで車も飛行機も作られてないわけだ~』って。」


「私もそれも思っていました。

 なんで移動が馬車なんだろうって。

 鉄が無いんですね?

 ちなみに、剣や盾は何で作られてるのですか?」


「銅で作られてるのよ。

 この世界に有る金属は、金と銀と銅と鉛と錫くらい。

 金属はあまり産出されない貴重なものなの。


 剣などの武具は高いものは魔物の素材で出来てるんだけど、一般的には銅で出来てて、魔力を流すと強化されるの。

 堅い木でも良いんだけど銅の方が重みがあって良いという人が多いのよ」


「そうだったんですね。

 知らないことが多くて、勉強になります。

 ありがとうございます」


「どういたしまして。

 質問は遠慮なく、どんどんしてね。

 マービンやロバートもね」

笑顔のイリーナさん、優しくて癒されます。


「じゃ、魔法についてわかったところで。早速だけど、3人の魔核を診させてね。

 まずはロバート、ちょっと来て。

 ロバートの魔核から診ていくね」


イリーナとロバートは向かい合い手を合わせる。

イリーナは何かを探るように難しい表情をしている。

ロバートは嬉しそうだ。

「思った通り、ロバートの魔核は素晴らしいわ。

 貴族の才能に秀でた子に比べても全然負けてないわ。

 とくに、魔力を制御する力が秀でているの。

 この分だと、周辺探査がすぐに出来るようになるわよ!錬金系も得意になりそうね。

 これからまだまだ成長するし、有望株ね!


 次はマービン、どうかな~?」


マービンの魔核を診るイリーナ。

やはりマービンも嬉しそうだ。

「マービンもロバートに劣らず優秀だわ。

 マービンは魔素を魔力に変える力が秀でているの。

 魔包結晶体を多く取り込めば戦闘時にかなり有利よ。

 長い時間を身体能力を維持したまま戦えるし、

 走って移動するときもスピードを落とさずに長距離を移動できるようになるの。


 マービンもかなり有望ね!

 ちなみにアサヒとマービンは同じタイプよ。


 アサヒ~。

 アサヒも油断してるとマービンに置いてかれちゃうぞ~。

 しっかり修行をしなさいよ~。

 マービンはアサヒに追いつき追い越せの気合でね!

 

 それからカミンはね。

 全ての力が飛びぬけているの。

 私の遺伝じゃなくて、王族の隔世遺伝だわ、きっと。

 私に似てなくて悔しいわ!

 けど、それがもとで悲しい事件もあったし、良いことばかりじゃないわね。」


次はミノルの魔核を診てもらう。

「ミノルは、勇者だけど普通だね。

 何か有ると思うんだけど。私じゃ、やっぱりわからないのかなぁ、うーん、やっぱり診えないわ。

 まぁ、頑張れば、なんとでもなる!

 頑張れ!」


あまり良くないと言うか、はっきり言って平均以下なんだろう。

イリーナさん優しいから、ごまかしてくれたんだろう。

ギフトと言い、魔核の能力と言い、がっかり勇者決定だ~。

「イリーナさん。修行をよろしくお願いします。」


「はい。

 私も協力できることは、全力で協力するね!

 みんなも辛いことも多くて嫌になる時も有るだろうけど、5人で助け合って乗り越えてね!


 じゃ、次は、お待ちかねの魔法を試しましょう。

 みんな隣の人と手を繋いで。


 良い?

 ちゃんと手を繋いだ?


 今から私が魔力を流すから、感じて。

 流すよ……どう? みんな感じた?」


「「「はい。感じました。」」」


「じゃ、カミン、あなたも流してみて」


「うん。流すよ……どう?」


「「「あっ!わかる。カミンだ。イリーナさんとは違う。」」」


「そう、これが一番簡単な魔法よ。通信系-思念通話の基本魔法。

  ロバートもやってみて。

 額と言うか目の間に意識を集中して、『おれはここに居るよ』って念じてみて」


「あっ!ロバートってわかる!」


「イリーナさん、おれもやって良いかな?」


「うん、マービンもやってみて。」


「おれはここに居る……。

 おれはここに居る……。

 おれはここに居る……」


「マービン!来た!」


「次は、ミノルよ。やってみて」


「おれはここに居る……。

 おれはここに居る……。

 おれはここに居る……」


「ミノル、もっと強く念じて~」

マービンから注文が入る。


「おれはここに居る……」


「「「()()()」」」


「ミノル! 何をしたの?」

目を見開きイリーナさんがこちらを見ている。


「え?!

 えっと。強く念じてみました」


カミンが思念通話でイリーナに伝える。

『母上、今の感覚、神託と同じでした。』

『そうなの?

 私は初めての感覚だったから……ちょっとびっくりして』


「そうなの? 

 なんか、違った感じがして~」

普通を装うイリーナ。


「ミノル、もう一度、お願いできる?」


「ミノル、リラックス! 失敗しても大丈夫!」

「慣れが要るんだよ、深呼吸してリラックスして。ほらほら。」

「何度でも付き合うからね」

マービンとロバートが、応援してくれる。


「うん。リラックス。

 みんなに伝わるように……

 おれはここに居る……」


「あっ、ミノル来た!。

 ミノルを感じるよ!」


「うんうん、感じる。できたね!」


じっとミノルを見つめるイリーナとカミン。

イリーナは思念通話でカミンに伝えた。

『今のことは理由がはっきりするまで、誰にも言わないで。

 フェイミンに相談してみるから』

『母上、わかりました。』


「ミノル~。

 今度はちゃんとできたね!」

何ごともなかった様に笑うイリーナ。

カミンも普通ににこやかな笑顔に戻っている。


「じゃ、もっと練習ね。

 感じるだけじゃなく、今日はたくさん練習して、言葉も伝えられるようにしよ!

 それも出来たら、その次は手を放してだよ。

 やってみよ~」

元気良くイリーナさんがみんなを誘う。


馬車移動は楽しく修行の場と変わっていた。

馬車は今日も順調に学園に向かって進んでいく。

 

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