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絶対異世界無双したいマンが欠陥チート『スキル強奪』をつかまされた時に出来ること全部  作者: 立花 一


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79話 新・水の魔術師と呼ばれた男

 良し、今より俺が考案した全く新しい完全オリジナルな技を実行する。

 そう宣言する。もちろん心の中だけだが。


 ここは回復ゴケ農場がある部屋だ。

 あの後、急いでダンジョンに入り、水魔術をぶっ放していい所へ来たのだ。


 そしていよいよ、新しい技を試す時が来たのだ。

 早速、新技の準備をする。


 まず、右手に『水魔術』スキル入りの杖を持つ。名前はまだない。

 次に、左手に『消化』スキル入りの水が入った容器を持つ。名前は溶解液。


 これで準備は万端だ。

 もう皆さんお気づきかもしれない。今からやる技は先ほどの授業よりヒントを得て考案した技で、溶解液を操作して相手にぶつけようという物だ。

 高位の水魔術師が毒物を操り敵を倒すと聞いて考えついた、パクリもといインスパイア技だ。

 名付けて、『アシッドフォースレイン・ダークネス』。相手は死ぬ。

 ごめん、その名前はなし。普通に溶解液操作で。


 では早速、実技を開始する。

 まずは杖に体の中にある力を込めていく。俺達はこの力の事を魔力と呼んでいる。

 次に・・・次にどうすればいいんだ。よく考えたら操作なんてやった事がなかった。

 まあいい何とかなるだろう、何故なら操作が一番簡単らしいからな。何となくノリで出来るだろう。


 杖の先端を容器に近づける。

 杖の先端には先ほど俺が溜めた魔力がまだあるのでそれがどうにかなって、なんとなく操作できるはずだ。

 うーん、どうにかなれ。

 そう念じるがどうにもならない。そりゃそうか。


 もっと真剣にやろう。こういう時は大体イメージだ、イメージで何とかなるもんだ。

 昨日の特訓でも最終的に水を出すときはイメージが重要だった。


 杖の先端の魔力に意識を集中する。

 今、そこにある魔力はまだ何でもないただの力の塊だ。

 その力の塊を手に変形させる。そういうイメージだ。

 次にその魔力の手で溶解液を掴むイメージを作る。

 が、うまくいかない。

 溶解液は手をすり抜けていく。駄目か。

 

 手じゃだめだ。イメージを変えよう何か溶解液を掴めるもの。この際、つかめなくてもいい、溶解液を吸い出して閉じ込めるもの・・・。


 そうだ、ストローだ。

 巨大なストローで吸い出すイメージだ。

 イメージしたストローを溶解液の中に入れる。

 すると簡単に溶解液の中に自分の魔力が刺さっていくき、そのまま溶解液の一部になるのを感じた。

 あ、なんか行けそう。

 そのまま溶解液を吸い出すのではなく、溶解液全体に俺の魔力を浸透させることにする。

 徐々に徐々に俺の魔力が浸透していくのが分かる。


 行ける。溶解液に全体に俺の魔力が行きわたった。これなら溶解液自体を動かせる。

 そういう確信と共に溶解液を動かしてみる。すると容器の中で確かに動いているのが見えた。

 これだ。これこそが操作のやり方なんだ。これもう完成したろこの技。


 そう思い容器の外に移動させる。イメージは勢いよく容器を飛び出し空中に塊として浮かべる。あの感じだ。

 それ。

 ジュッ。

 熱っ・・・くないけど、籠手みたいなのがジュウジュウいってる。溶けてる溶けてる。

 溶解液が空中に飛び出さず、そのまま容器を持っている手にかかったのだ。幸い籠手のようなもので手を覆っているので直接被害はないが、完全に籠手を溶かしに行っている。

 慌てて溶解液を容器の中に戻す。


 まだ溶解液には自分の魔力が浸透しているため難なく動かすことができた。

 そうして手にかかっていた溶解液をなんとか容器に戻せた。

 

 それにしても誤算だったのは溶解液がうまく容器から飛び出さなかった事だ。

 容器の中ではそんな事がなかったが外に出した瞬間、重力を感じ、そのまま重力に引っ張られるように下に落ちてしまった。

 例えて言うなら、重たい物を水中の中で運んでいる分には簡単に運べたが、いざ水の外に出そうと持ち上げて水の中から出た瞬間、一気に重くなる。あの感じだ。

 魔術っていうくらいだから重力関係ないと思ってたけど、そうでもないのね。世知辛い。


 二度とこんなことが無いように容器を地面に置いてからやろう。

 と思ったけど、そもそもさっきみたいに予想外の動きをして変な所にかかったら嫌だから別の液体で練習することにしよう。


 と言う訳で別の液体をだす。そう水だ。

 何も入っていない普通の水。水袋の中に入っている人畜無害のあれだ。


 水袋の蓋を開け杖の先端を向ける。

 そうして先ほどと同じように自分の魔力を水に浸透させていく。

 今度は先ほどよりスムーズに全体に染みわたっていく。これが液体の差なのか俺が操作に慣れて来たのか。後で確認する必要があるな。


 とにかく、水に俺の魔力が行きわたったので早速、動かしてみる。

 すると水は水袋の入り口からゆっくり出て来る。

 それも水袋の入り口伝いに垂れていって地面に落ちていく。

 水袋の中の水が全て出すと、水は地面の上に一つの大きな塊となっていた。水はそのまま流れることも地面に吸収されることもなくただそこにあった。

 何かスライムみたいだ。


 左手で地面の水に触れてみる。塊となっているので弾力があるのかと思ったが、そう言う訳でもなくあっさりと水の中に指が入っていく。なんというか普通の水の感触だ。


 水を触っていると遠巻きに見ていたゴブリンやサチがやって来て水を触ってくる。

 そりゃこんな面白そうな事をしてたら寄って来るよな。

 よし。立ち上がって右手に持っている杖に意識を集中する。

 まだ杖の魔力と水の魔力はつながっている。ならまだ水は操れる。


 ゴブリンやサチがつついている水を一気に横に移動させる。そーれ、水の散歩だよ。

 この操作に慣れて来たせいなのかそれなりのスピードで移動させることが出来た。

 ゴブリンやサチは急に動いたのにビックリして固まったが、すぐさま水を追いかけ始めた。


 水とゴブリン、サチ連合の追っかけっこが始まる。

 ゴブリン達の足元をうまくかわして水を逃がす。

 きちんと狙ったところに移動させるのはなかなか難しい。直線の移動はかんたんなのだが、カーブやジグザグに動かすのが難しい。

 そんな事をやっていると水自体に興味を示さなかったギンが参戦してきた。

 動き回るものは追いかけたいらしい。

 ギンは他のメンツと違って水を触る時にしゃがまなくていいし何より機敏だ。こいつは強敵だ。逃がす甲斐がある。


 皆から逃がすために一生懸命操作していたその時、急に杖の魔力と水の魔力を繋いでいた線みたいなものが切れる。

 その瞬間、水ははじけたように地面に広がっていった。

 なぜかこれも皆には受けていて、なんかはしゃいでいる。何でも良いんかい。


 しかしどうして急に俺のコントロールから離れたのだろうか。

 感じとしては急に切れた感じだが、時間か?それとも距離?この辺は検証していく必要がある。

 

 しかし、この水の操作は凄いといえば凄いのだが何か思っていたのと違う。

 想像では水の塊が空中にいくつも浮かんで、それを俺の指揮とともに敵に向かって飛ばすようなそういう魔術師的な物を想像していたのに。


 まあ、出来ないのであればしょうがない。この操作で何とかするしかない。

 それにスキルレベルを上げれば出来るようになるかもしれないし。

 とにかく今はこの操作を完璧に自分の物にしたい。練習するぞ。練習するぞ。


 この日、1日滅茶苦茶、練習した。

 練習の際、どうしても水を駄目にしてしまうので途中から湧水がある部屋に移動した。

 それ以外は全部、遊びじゃなかった水魔術の練習に費やした。


 その結果、分かったことは3つ。

 1つ目は有効範囲がある事。

 ある一定の距離を超えると魔力の管が切れてしまう。ちなみに俺はこの管をリンクと呼んでいる。

 この管が途切れれば当然、操作できなくなり水は飛び散ってしまう。目算で5メートルくらいだ。


 2つ目は操作していられる限界について。

 水を動かせば動かすほど水に行きわたらせた魔力は減っていく。魔力が全部なくなればやはり水は飛び散ってしまう。

 しかしリンクがある限り、魔力は送りたい放題なのでほとんど無制限に操っている事は出来る。

 ただ魔力を込めていると自分の中の力が減っていっているような疲れるのが早いような感じがしてずっと連続で使っている事は辛い。

 試したわけではないが使い続けると何時かは使えなくなると思う。自分の魔力量にも限界はあると思う。

 今は疲れたら休憩をはさみつつ使っており、使えなくなったことはないので定かではない。要確認だな。

 

 3つ目は操作できる水の量について。

 量もどんどん増やしていけるがある一定の量まで行くと途端に操作が難しくなり端の方からこぼれていってしまう。

 どれくらいの量かというと水袋3つ分くらいなので10キロちょいくらい。なので10リットルくらいか。

 後、量が増えれば増えるほど動かす速度は遅くなる。


 4つ目は同時に操作できる数だ。

 これは1つしか操作できなかった。というかリンクを二つ作り別々の水に差す事が超難しかった。

 だから出来ないという事になりました。俺の力量や脳の限界ではありません。出来ないのです。


 なんかこうやって整理していくと今日、分かったことが増えてくな。

 後は、やっぱり水への魔力の通りが良くて操作がしやすいとか、水をジャンプさせる事は出来たが空中に浮かせる事は出来ないとか、水を操っていると必ず誰かが追いかけてくるとかだな。


 まあ、今日実験して分かった事はこんなもんだ。

 後はまた何か閃いた時に試してみよう。


 今日で大体、この杖の事は分かった。

 練習も十分だ。

 つまり、次は実践だ。

 そんな事を考えながらこの日は屋敷に帰るのであった。

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