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絶対異世界無双したいマンが欠陥チート『スキル強奪』をつかまされた時に出来ること全部  作者: 立花 一


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74話 新生ワタル隊、出動せよ③

 「イチ、ニー、サン、ギンは俺の近くで戦闘態勢だ。サチはドンの傍にいて。ドンはサチを守るように」

 後ろをついて来た従魔達にそう指示を出しながらサチの手を離した。

 そしてドンとサチを中心にみんなで固まって戦闘態勢に入り、この部屋の真の敵、後方から来るであろう奴らを警戒する。


 そうして構えているとキーキーという鳴き声と共にこちらに襲いかかってくる一団がある。

 ネズミだ、大きなネズミが大群でこっちに襲いかかってくる。

 大きなネズミが塊となりこっちにやって来る。


 っていうか多い。想定以上に塊が多くて黒い波がこちらに向かってきているように見える。

 これあれだ、俺がこの部屋に最初に見た奴だ。


 「ひっ」

 この異常な光景にサチは思わず短い悲鳴を漏らしていた。

 俺も最初にこの光景を見た時はビビった、はっきり言えば死すら意識した。それくらい異様な光景だ。

 何度もここに来て定期的にネズミを倒していたので最近はこんなこともなく、黒い塊がいくつか襲って来るくらいだった。

 誰もここに来てネズミを倒さなかったので数が増えたのかもしれない。

 俺が最初にここに来た時並みの群れに戻っていた。想定外だ。これだとサチも怖いだろう。


 しかし、そんなサチに構っている暇はない。

 慌てて俺はメイスを取り出す。

 そうしてメイスを取り出している間に黒い波の先端が俺達に到達していた。


 以前と同じように足でネズミを潰しながら、メイスに力を込めていく。

 昔と違って今は強力な武器があるのだ、これで一気に数を削ってやる。

 そう思いメイスを振り下ろし溜めていた力を解放していく。イメージは広く大きく、とにかく広範囲にだ。


 ドゴーン。

 大きな音がして黒い波の中心部がえぐれる。中心にいたネズミ達は潰れただろう。

 黒い波に大きな穴が出来た、だがまだネズミは沢山いる。

 直ぐに大きな穴を塞ぎながらこちらに殺到してくる。


 その後は近くになり過ぎたためメイスの広範囲攻撃も出来ず、足とメイスを使いながら一匹ずつネズミを潰していく。

 潰して、潰して、潰しまくってようやく襲って来るネズミがいなくなった。

 そうして辺りを見回すと大量のネズミの死体と勝利を祝って喜びの舞をしているゴブリン達とギンがいた。


 みんな元気だな、そう思い一息ついた瞬間思い出した。

 そういえばサチは無事か?

 そう思い、直ぐにドンの陰にいたサチに近づく。

 そこには鞘に入ったままの短剣を握りしめて完全な泣き顔で立ち尽くすサチがそこにいた。


 やばい何処か怪我したか。

 そう思いサチの体中を確認する。

 幸い、少しネズミに噛まれた跡があったがそれだけだった。

 これくらいの傷なら普通にしていても治るし、ましてや『再生』スキルが2.0あるサチなら何でもないな。

 後は病気だが、一応サチにも『抗病魔』スキルを1.0入れているので大丈夫だろう。


 「大丈夫だな。良かった良かった」

 

 そう言った瞬間、今まで固まっていたサチが俺に抱き着いてきた。

 抱き着いてそのまま凄い勢いで泣く。

 泣きながら頭を横に振っている。

 声には出さないが「全然良くない、凄く怖かった」という事を言いたいんだろう。


 「ごめんごめん悪かったよ」


 そう言いながら頭を撫でた瞬間、更に勢いよく泣きだし頭を横に振っている。

 どうやらこの軽い感じの謝罪が駄目らしい。

 しかしどうしよう出来ないのでこのままサチが落ち着くまで謝りながら頭を撫でる事にする。


 しかしあれだな、こういったらサチに怒られるが、こうなったサチも可愛いもんだ。

 サチはあんまり俺に不満や怒りをぶつけて来ないのでこういう事をされるのは新鮮で楽しい。

 わがままや文句を言わないのは手がかからなくていいが、やっぱりこういう風に感情をぶつけられるようになって欲しい。

 もっと俺に色んな感情を見せて欲しい、正の感情も負の感情も両方とも。

 早くそういう日が来ればいいな。


 しばらくそうやってサチを慰めていると、サチも落ち着いてきたのか俺から離れた。

 泣いたのが恥ずかしいのか分からないが、恥ずかしそうに下を向いたままこちらと目を合わせてくれない。

 もうちょっとこのままサチを見ていたいがやる事は色々あるので作業に戻る。


 まずは死体の処理だ。

 ギンに穴を掘ってもらってそこにネズミの死体を入れて穴を塞ぐ。

 その際に一緒に落ちている『繁殖』や『抗病魔』のスキル石も拾っていく。

 ネズミの死体は俺達が固まっていた所と大きく地面がへこんだ所にあるので、数はあるが割と時間が掛からず死体の処理が終わった。


 ギンに魔術媒体の首輪をつけたので土魔術による穴を掘る速度が上がった・・・と言いたいところだけど実際にはよくわからない。

 前に掘った穴のスピードより早い気もするし、変わらないような気もする。

 比べるならギンの首輪を外した状態と付けている状態で比べればいいのだが、それも時計がなく正確な時間が分からないのでやめた。


 まあ首輪をつけてギンも嬉しそうだし、速度が上がったという事にしよう。そう決めた。


 死体の処理が終わったら次は回復ゴケの採取だ。

 回復ゴケは俺が育てた時と同じように壁一面生えていた。

 最近ここの手入れをしていないのでどうなるかと思ったが普通に大丈夫だった。良かった良かった。


 早速、回復ゴケの採取を始める。

 採取と言っても回復ゴケを取るわけではない、スコップで回復ゴケを剥がしながらそこから出る『薬効』のスキル石を採っていく。


 『薬効』スキル石を100分、採取した。

 『薬効』スキル石の在庫が少なくなってたし、そんなに頻繁に来ないのである程度まとまって採っておきたかった。

 ちょっと取りすぎかなと思ったがここには俺と後はアリサくらいしか来ないし大丈夫だろう。

 

 次は魔鉄鉱石を埋めて増やしている場所に行って採取したい。

 直ぐに移動しようかと思ったが、久しぶりの大規模な戦闘とか色々あって疲れているのでここで長めに休憩していく。


 地面に直接座りながら水を飲んだりギンを撫でまわしたりしながら休憩した。

 だらだらしていると永遠にだらだらしたくなってしまうのでキリのいい所で休憩を切り上げて次の場所にいどうする。

 次は本日の本命、魔鉄鉱石掘りだ。


 以前、2階の少し奥にいった所、通称2-3の部屋に魔鉄鉱石を埋めて増やしていたのだ。

 大分前にメイスを作るためにかなりの量を採った後、そのままろくに手入れもせず放置している。

 そのため今、現状どのくらいの量が残っているのか。あれから増えているのかそれとも減っているのか分からない状態だ。

 自信満々に杖を作る分の魔鉄鉱石はあると豪語していたが実はない可能性もあるわけだ。

 やばすぎ。なかった場合どうしよう。何も考えてなかった。


 と言う訳で今回の俺の魔法の杖が直ぐに作れるかどうかはこの魔鉄鉱石の鉱床にどれだけの量あるかにかかっている。

 なんかドキドキしてきた。


 そんな事を考えながら歩いていきようやく2階へ着いた。

 2階と1階の境には看板が出ておりここで地図を切り替えたり水を飲んで少し休憩したりする。


 小休憩が済んだらいよいよ2-3目指して進んで行く。


 少し歩いたところでそれはやってきた。

 「ゲギャゲギャ」

 奇声を上げてそいつはこっちに突進してきた。そう野生のゴブリンだ。

 2階からはゴブリンが出るのだ。

 こいつらはうちのゴブリン達と比べて二回りも小さく何も装備していないため大した脅威ではない。

 落ち着いて戦えば楽勝で倒せる相手だ。


 しかし、こいつらが今までの1階にいた敵と違い厄介な事はこっちに気が付くと必ず、そう必ず大声を上げながら走って突撃してくるのだ。

 その異様な光景に大したことがない敵だと分かっていても、ぎょっとするものだ。

 そしてその光景を初めて見る人、ましてや小さい子ならとてつもない恐怖を感じるかもしれない。ソースは俺の手を握りしめて震えているサチ。


 そういやここからゴブリンがいる事を伝え忘れてた。

 てへぺろ。


 そんな事を思いながら突撃してくるゴブリンを見ていると案の定、うちのゴブリン達も同じように声を上げ突進していく。

 そしてうちのゴブリン達があっさりと敵のゴブリンを吹き飛ばして簡単にとどめを刺していた。

 まあいつもの光景だな。


 「大丈夫、大丈夫あいつらは元気がいいだけであんまり強くないから」

 そうサチに言って慰める。

 サチはサチで怖がった事が恥ずかしいのか顔を赤くしながら下を向いていた。

 なんか今日は何時にもましてサチの可愛い所が見えていいな。


 そんな感じで襲いかかってくるゴブリンを倒しながら進んで行き、ようやく目的の2-3に着いた。

 前は埋めた場所を完全に記憶していたので地図もなしに行けたが、今は朧気になんか隅の方としか場所を覚えていない。

 なんとか地図に書いてある印の付近でスキル容量が異常に高くなっている所がないか探して見つけた。


 「よしギンここだ。ここを掘れ。そして魔鉄鉱石を掘り返すんだ」

 ここ掘れわんわん。原作だと指示をするのが犬で掘るのが爺さんだった気がするがまあいい。

 勢いよくギンが穴を掘って行く。

 最初は小さな穴だったものが、どんどんどんどん広がりそして深くなっていく。


 いまこの地面の下に埋まっている魔鉄鉱石が増えているのか減っているのかは半々で誰にも分からない状態なのだ。

 そう俺達が観測するまでこの魔鉄鉱石の未来は決定しない。いわばシュレーディンガーの石なのだ。

 増えているか減っているかは最初に確認した者の運命力にかかっているのだ。

 だからギンよ是非とも増えている世界線の穴を掘ってくれ。俺が水魔術を使えるかどうか君にかかっていのだ。だから頼む何としても魔鉄鉱石がある未来を引き当ててくれ。


 「わん」

 そう鳴くとギンが穴を掘るのを止めた。

 急いで穴の中に入り下を確認する。

 すると明らかに他の地面より硬い部分がある。

 これだ間違いないそうして慎重に硬い部分を掘り起こしていく。


 するとあった魔鉄鉱石の塊だ。スキル容量も5.1なので間違いない。

 魔鉄鉱石は消えずにそのまま残っていたのだ。まずは第一段階クリア。


 次は大きさだ。この魔鉄鉱石が増えているか減っているのかそれを確認する必要がある。

 魔鉄鉱石の部分を全部掘り起こし、魔鉄鉱石の大きさを慎重に確認していく。



 うん。分からん。

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