表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対異世界無双したいマンが欠陥チート『スキル強奪』をつかまされた時に出来ること全部  作者: 立花 一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/105

72話 新生ワタル隊、出動せよ①

 「ゲギャゲギャ」

 耳元で誰かが騒いでいる。

 体が揺すられる。

 この揺すり方、この声のボリューム完全に俺を起こしにかかっている。

 だが俺は敢えて寝る、何故なら超眠いからだ。


 実はこの攻防はすでに何回か行われている。

 最初は前回の事もあって慌てて飛び起きたが、誰も攻めて来てないし誰も死んでなかったのでそのまま寝た。

 次に起こされた時は、薄眼で確認したが何もなかったのでやっぱり寝た。

 その後も何回か起こしに来たが全部無視している。

 何故なら超々眠いからだ。

 ここ最近はずっと寝不足だったので体が睡眠を欲しているのだ。

 体が眠いからだ。

 何でもないです黙ります寝ます。


 今度も無視してこのまま寝ようかと思ったが、こんな事を考えていたらだんだん頭が冴えて来た。

 まだまだ寝足りないがそろそろ起きてもいいかもしれない。

 しょうがない起きるか。


 そう思って目を開けて体を起こす。

 すると傍にいたゴブリン達が揃ってお腹を押さえている。

 お腹すいたのポーズだ。

 そうかお腹空いたのか。


 今何時だろう?そう思い窓の外を見る。

 日がかなり高い、確実に昼は過ぎているだろう。 

 かなり眠気も取れているし体感的には相当寝た感じだし、当然か。


 なんかちょっと悪い事をしたな、そう思い他がどうしているか見る。

 するとサチが一生懸命、ギンの毛をブラッシングをしている。

 あれは州都でサチの身だしなみ用に買って上げたブラシだ。

 当然、俺が気付いて買ったわけじゃない、アリサが気をまわしてくれて選んだ必需品の一つだ。


 奴隷商の所でも犬の世話の一つにブラッシングがあったのでそれを真似しているのだろう。

 一生懸命にギンの毛にブラシをしている姿を見て、朝からほっこりした。


 よし元気が出た所で、飯にするか。

 と意気込んだがいいがここは完全に他人の館だった。

 何処に行ったらご飯が貰えるんだろうか、そもそもご飯は貰えるんだろうか。


 うだうだ考えていてもしょうがないので身支度をしたら、みんなで廊下にでる。

 うん、完全に迷子だね。どっちに歩き出していいかも分からない。

 トイレの場所くらいは分かるがそれ以外は入り口がどっちだったかも覚えてない。

 そもそも館が広すぎるとなんか似たような廊下と扉が続いているのが悪い。

 この感覚はアレに近い、大きなホテルに泊まって朝、出かけようと思ったらエレベーターはどっちだっけってなるあれだ。

 あれこれ俺だけ?


 そんな感じでどっちに行っていいか迷っていたら一人のメイドさんが通りかかった。


 「お目覚めになられたのですね、今日はこのままお出かけになるのでしょうか?」

 「あ、いえ、ちょっと朝飯というか昼飯を食べようかなと・・・」

 「でしたら、お部屋の方にお食事をお持ちしましょうか?」

 「あ、はい。よろしくお願いします」


 と言う訳で部屋にご飯を用意してもらえることになったので、そのまま回れ右をして部屋に戻る。

 食事を待っている間、暇なので今日これからの事を考える。

 前に泊っていた宿屋に置きっぱなしにしている水瓶を取りに行きたい。

 そしたら回復薬を作って・・・はまだいいか、作るのも時間かかるし、なにより薬屋に行くのも怖いし。

 冒険者ギルドは必ず行こう。

 マリーさんに久しぶりに会いに行きたいし、前に注文していたギンの首輪やブーメランはきっともう出来ているだろう。


 あとは、『暗殺術』スキルを何処に入れるかを考えないとな。

 ゴブリンのサン辺りに入れて強化するのもいいし、いつもみたいになんかの武器に入れるのもいい。

 と思ったけど、そもそも『暗殺術』ってどんなスキルなんだろうか。

 『剣術』みたいに如何にも剣を使いますみたいなスキルじゃないから何を武器にするのかも、どんな攻撃をするのかもよく分からない。

 イメージ的には不意打ちの攻撃にクリティカル効果付けたりするような奴だけど、クリティカルとか意味わかんないしな。

 あとは暗殺なら暗器を使う気がするけど、暗器とか漠然としたイメージしか無くて具体的にどんなのか分からないし、針とか?短剣でもいい?

 まあ、分からない事だらけだから『暗殺術』はとりあえず保留だな。


 「失礼します」

 そんな事を考えていたら、メイドさんたちがワゴンに食事を載せて運び込んできた。

 そして、部屋にある机の上に並べていく。

 結構な量が並べられる。

 これは昨日、ゴブリン達が次から次にお代わりをしていたせいだ、きっとそうに違いない。


 料理があらかた運び込まれるとメイドさん達は2人残し後は帰っていった。

 残った2人をよく見たら一人はクレアさんだった。

 そういえばお嬢様にクレアさんがお世話係だと言ってたな、昨日の食事の時は見なかったけでどクレアさんもついたばかりだったし、今日からはクレアさんも本格的に仕事を始めたという事かな。


 まあそれはそうと、大量に運びこまれた料理を目の前にして興奮しているゴブリン達がうるさいので食事を始める。

 毎回思うがこいつら人様の家に行ってご飯食べさせてもらっているのに遠慮なさすぎじゃね。

 次々に消えていく料理を見ているとなんか申し訳ないのと恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。

 あ、でもサチお前は遠慮せずにいっぱい食べていいんだよ、いっぱい食べて、いっぱい大きくなりなさい。


 そんなこんなで怒涛の食事が終わる。

 よし食事も終わったし外に出るか。


 「すみません、この部屋から外に出るにはどうしたらいいですか?」


 この館からの脱出方法を聞く。


 「・・・・・・・・・」

 クレアさんの沈黙が重い、まさかこの館からは出られないのだろうか。

 土砂で道は埋められ、電話線は切られている的なやつ。


 「どちらに行かれるかによって近さが違いますので出入り口は変わりますね。どちらに行かれるのでしょう?」

 クレアさんが答えないと見て他のメイドさんが答えてくれる。

 まあ、普通に出れるよね。


 というか出口そんなにあるの?行く場所によって出口変えるとか地下鉄かよ。

 Aの1も2も大して変わらないだろうと思って出たら道路の反対側に出て目的地に行くのに凄く大変になるようなやつなのだろうか。


 「前にお世話になった宿屋とか冒険者ギルドに行きたいんですけど」

 「・・・・・・・・・」

 「それはどちらの冒険者ギルドでしょうか?冒険者ギルドは3か所ございます」


 そう言えば3か所あった。

 というか俺は何処の所属だっけ?


 「えーと確か・・・西の方の冒険者ギルドだった気がします」

 「・・・・・・・・・」

 「それなら、おそらくアルスター西門支部でしょう。それなら――」 


 メイドさんに丁寧に出口と冒険者ギルドへの行き方を教えてもらう。

 どうやらこの屋敷はこの街の中で北側にあり、冒険者ギルドや何時も行っていた場所は大体、街の西側にあるようだ。

 メイドさんに丁寧に教えて貰ったのでおそらく道は大丈夫だ。


 しかし、それにしてもこの会話をしている間にもクレアさんは一言も発さなかった。

 対応してくれたメイドさんは一々、クレアさんが喋らないのを確認してから答えていたので、必ず変な間が出来ていた。

 途中から何かそれが楽しくなって来たので、メイドさんがクレアさんが喋らないのを確認する時に俺も一緒にクレアさんの方を見て確認していた。


 クレアさんは自分に注目が集まっている瞬間、次こそは何か言うのかなみたいな気配を見せるがやっぱり何も言わない。

 そんな事をしているクレアさんを見て、俺も昔の会話が出来ない頃の自分をはたから見たらあんな感じなんだろうなと思い、ちょっとしみじみした。


 そんなこんなで冒険者ギルドの場所を教えて貰ったので早速、行動する。

 支度をしてドンを厩舎から引き取ったら屋敷の外に出る。


 教えて貰った出口は普通に正面の門からだった。

 聞けば出口は普通に正面と裏口の二つだけらしい。

 何故だか分からないが、東京の地下鉄並みに出口が沢山あるのを想像していたので少しがっかりした。


 屋敷の正門を抜けて大通りを歩き、教えて貰ったルートを通っていく。

 ほどなくして見慣れた道にでる。

 ここでようやく、一息付けた。


 昨日からダンジョン都市に帰ってきたと聞いていたが全く見たことがない場所だったので、実感は全くなかったし少し緊張もしていた。

 しかしこの見慣れた街並みを見て、ようやく俺はこの街に帰って来たのだという事を実感できた。


 よし、ここまで来たら後は勝手知ったる地元だ。

 まずは前に泊っていた宿屋に行く。


 「あら、ワタルじゃないか。いつ帰って来たんだい?」

 宿屋に着くと女将さんに迎えてもらう。


 「昨日の夕方くらいに帰ってきました」

 「昨日?夕方?じゃあ昨日は何処に泊ったのさ、あれかいまた夜にダンジョンに入ってたのかい?」

 「いえ、知り合いの家にお世話になってまして」

 「知り合いにお世話?じゃあ、もううちには泊まらないのかい?」

 「すみません・・・」

 泊まらないと分かった途端、女将さんの目つきが冷たい。


 「じゃあ、今日は何しに来たんだい」

 「えーと、あの置きっぱなしにしていった水瓶を取りに来たというかなんというか」

 「あー、あれね。何個か使わせてもらって後は物置にあるね。ちょっとまってな。あとその後ろの小さな子はどうしたんだい?」

 「この子は妹です」

 すかさず妹理論を展開する。決まった。

 これは完璧、誰にも論破されないやつだ。

   

 「嘘つくんじゃないよ。どうせまた勢いで買ったんでしょ。全くこれだから男は。買ったからにはちゃんと最後まで責任取るんだよ」


 一瞬で嘘つき認定されてしまった上にダメ男扱いされてしまった。

 でも妹っていうのは嘘じゃないです。魂レベルで妹なんです。嘘じゃないんです。

 だからきちんと最後まで面倒見ます。だからその目は止めてください。


 そんな言い訳を考えているうちに女将さんが水瓶を次々に運んできた。

 結局、物置に突っ込んでいた4つほどを返してもらって、使っている物はそのまま寄付した。


 よくよく考えてみると、水瓶なんて回復薬を作る1個でいいし、なんならお屋敷にあるやつを使わせて貰えば良かった。

 荷物としてはドンに括り付けるだけなので重くないのだが、とにかく場所が嵩張る。

 割れ物なので乱暴に出来ないし、このタイミングで受け取る物じゃなかったな。


 まあいいか、次は冒険者ギルドだな。

 そうして久々の冒険者ギルドに思いをはせながら、冒険者ギルドへ向かうのであった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ