表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対異世界無双したいマンが欠陥チート『スキル強奪』をつかまされた時に出来ること全部  作者: 立花 一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/105

51話 デバイスを求めて

 「魔術について教えてくれる人ですか?」

 お嬢様と会った次の日、『水魔術』を運用すべく魔術について教えてくれる人がいないか調査しにきた。

 調査先はもちろんマリーさんだ。

 マリーさんが魔術を教えてくれるでも俺は一向にかまわない。


 「いますけど今、手の空いてる人は・・・いないですね。うちのギルドで魔術を教える講師は少ないのでいつも忙しいからな、急には無理かな。」

 「そうですか。」

 「もう少し待ったら誰かしら戻ってくるかもしれませんが・・・いつになるかは分からないですね。」

 まあ急には無理か。しかしいきなりつまずいてしまった。


 「でも魔術と言っても何を聞くつもりなんですか?ちょっと聞いたくらいじゃ魔術は使えませんし、使いたいならちゃんと講習を受けた方がいいですよ。」


 そういえば何を聞けばいいんだろう。

 目的は『水魔術』を使えるようになる事だ。

 もっと言えば今持っている『水魔術』のスキル石を入れる先のものが欲しいのだ。

 そのためのヒントとなる何かが欲しかった。

 欲を言えば魔術を使う時のやり方なんかも知りたかったがそれはマリーさんの言うように講習を受けなきゃだめか。


 「魔術を使う際、どんな道具を使うのか聞きたかったんです。杖とかそういうのです。」

 「?。・・・魔術を使う時の武器とか媒体についてって事ですか?魔術が使えないならあまり意味はないと思いますけど。」

 「魔術を使える人がどんな道具や武器を持っているのか知りたいんです。それだけです、深い意味はないんです。」

 「・・・なるほど、そういう事もありますよね。ああいうのに憧れる時期っていうのは誰にだってありますもんね。」

 なんかマリーさんが凄い生暖かい目で見ている。

 あれだろうか魔術を使えもしないのに道具だけ持って格好つけたいと思われているのだろうか。

 弾けもしないギターを買って飾ってるやつみたいな。


 「それなら普通に販売店に行けばいいと思いますよ。あそこなら普通に売ってますし店員さんはみんな知識が豊富なんで。」

 なるほど、言われてみればそうだな道具の事なら道具を売っているところで聞けばよかった。


 「ありがとうございます。」

 そうマリーさんにお礼を言って販売店に向こうとする。

 「いえいえ頑張ってください。」

 マリーさんが生暖かい目で見送ってくれた。

 なんか凄い恥ずかしい、こうなったら『水魔術』を使えるようになってマリーさんをあっと言わせてやる。


 「すみません、魔術を使うの武器とか媒体?とか言うのについて聞きたいんですけど。」

 「いいけど、魔術使えるの?」

 訝し気な目でこっちを見ている。

 魔術が使えないからなんだ、こちとら客だぞ。魔術が使えないからって魔術を補助する武器を買って何が悪いんだ。

 俺の元居た世界じゃ、ギターを弾けなくてもちゃんとギター売ってくれたぞ。

 ギターを選んでる時に「少し、コードを抑えてみますか?」みたいな事を聞かれたのは凄い焦りましたよ、焦りすぎてなんて答えていいか分からなくて「まだ弾けません。」って言ったけれども、でも買えたもん。


 「えーとあの、魔術は使えないっていうか俺のじゃないというか・・・」

 そんな言い訳をしていたら、ひらめいた。

 うちには魔術使える奴いるじゃん。


 「こいつのです。こいつが魔術を使えるのでなんか少しでも威力が上がったりすればなと思いまして。」

 そういってギンを指さす。

 「わん。」

 良く分かっていないんだろうけど、注目されたせいか元気よく返事する。

 「へえ、この子魔術使えるんだ。凄いね。」

 なんか凄い感心している。

 そうだろうそうだろう、うちのギンはちゃんと魔術が使えるんだぜ凄いだろ。だから売ってくれ。

 

 「魔術の系統は?」

 「土です。」

 「土だとこの辺りで取れるものだとすると・・・宝石とかが媒体になるから結構高くつくね。」

 宝石なんかそれぽい。


 「媒体って言うのが良く分かってないんですけどあるとどうなるんですか。」

 「なるほどそこからか。まあ俺も詳しい理論とかは良くわかってないけど、ようするに魔術が強くなるんだよ。」

 ふわっとした質問からふわっとした答えが返ってきた。

 質問が悪かったな。

 「具体的にはどんな風に強くなるんですか。媒体があるとこう違うとか。」

 「うーん。具体的ね。そうだな使用者が言っているのは魔術の発動が速くなったとか、溜める魔力の量が上がったとか後は痛くなくなるとか聞くな。」

 なるほど魔術師じゃないから実際に使ったことがなさそうだな。だからあまり詳しくないのか。


 「痛くなくなるってのは?」

 「火魔術だとかは火を出すんだけど手の付近に出してると熱いし最悪自分で火傷しちゃったりするらしいぜ。だから杖なんかの先端に媒体を付けてそこから火を出すと全然火傷しないらしい。」

 なんか凄い間抜けな笑い話に聞こえるけど使用者からしたらそうじゃないんだろうな。


 「じゃあ媒体があれば魔術は基本的に強力になるって思って良いんですか?」

 「まあそうだな、誰かが言ってたけど魔術を使う時は自分の体の中から魔力を出すんだけどその出口がいっぱいある上に物凄い窮屈なんだとよ。それが媒体を通すと出口は一つになって分かりやすくなるしその出口から魔力を出すのが凄い楽になるらしいぜ。」

 なるほど媒体を使うって言うのは魔力の出口をきちっと整備してあげるってことなのね。


 「じゃあ媒体があれば他は何でもいいんですか?形とか。」

 「媒体を付ける物の事を言っているのか?」

 「はい。杖とか。」

 「まあ基本的には何でもいいぞ。媒体とその物と自分がくっついていればいいんだから。」

 「なるほどじゃあ腕輪とかでも良いんですか?」

 腕輪、それは前に『水魔術』の入れる先として考えた奴だ。

 

 「腕輪でも指輪でも首輪でもなんでもいいぞ。実際あるし。ただし魔術は媒体から出るからなあんまり体に接してると魔術の影響を受けたりするからな、さっき言った火傷みたいな。それに腕輪なんかだと出る魔術の方向を気を付けないと自分に当たったりするからな。」

 出る方向?

 なるほど動いたりすると腕輪を付けた時と媒体の位置がかわって上の方にあると思って魔術を使ったら実は下の方でしたとなったら大変なことになるもんな。

 普通の時は一々確認しながらやればいいけど戦闘中だったらそんな暇はなさそうだしな。


 「じゃあこの腕の防具で手を覆っている部分の手の甲とか手のひらに付けるって言うのはアリなんですか?」

 マンガとかでよくある手のひらや甲になんか宝石みたいなのが付いてる奴だ。

 そしてそこから魔法を出す。いいじゃんいいじゃん、かっこいいじゃん。

 「まあ付けられるとは思うけど手の甲なんて攻撃を受けるところだし、手のひらに付けたら武器がもてなくなるぞ。」

 まあそうですよね。


 「というかその犬の物じゃないの?」

 そうでしたそういう設定でした。

 「ちょっとした好奇心です。他意はないです。」

 「・・・ふーん。なるほどね。」

 誤魔化せたか誤魔化せてないか微妙なところだな。


 「犬に持たせるとしたら普通はどんなのですか。」

 強引に話題を変えていくスタイル。

 「犬用の物なんて聞いたこともないからな・・・無難なところで首輪?」

 首輪かまあそれが無難なのか?首から出るとそれはそれで怖い。

 そもそも犬用ってないんだ。


 「実際にどんな魔術が使えるんだ?」

 「穴を掘ったり埋めたりできますね。見た目は前足で掘ってるだけなんですけど土が動いて行くっていうかいつの間にか穴が出来ているというか。」

 「なるほどね。じゃあ首輪でもいいかもな。操作系統の魔術なら出口は何処でも良いんだし首輪でも大丈夫だろう。」

 そうかあれは操作だったのか。

 それに操作なら何処でも良いんだ。


 という事で首輪を注文することになった。

 使う媒体は結局、土属性の宝石の中でも安い部類の琥珀にした。うろ覚え雑学からすると琥珀は宝石じゃないんですけどと思ったけど言わない。野暮だから。

 媒体を取り付けておく部分である首輪は革製にしてもらう、なんでもこの部分は魔力が通りやすい素材の方がいいらしく聞いたこともない魔物の革がいいという事でそれにした。

 全部で70万なり。高い。


 だが戦いの本番はここから。


 「すみません後、『水魔術』を使う知人がいましてその人に装備を送ろうと思うんですよ。それを見繕ってください。」

 なんか胡散臭いものを見るような目でこちらを見ている。でも負けない。

 「その人は普段は剣とかメイスとか使っていて両手が塞がっているんですけどその状態でも使えるような物がいいかなと。」

 「・・・そいつはどんな魔術を使うんだ?操作か?放出か?それとも変化か?」

 変化ってなんだ?そもそも俺の『水魔術』って何が使えるの?

 「それはちょっと分かんないっす。」

 「はぁぁ。」

 なんか深い溜息をつかれてしまった。幸せ逃げちゃうぞ。俺のせいか。


 「どんな『水魔術』か分かんないなら無難に杖にしておけ、杖ならどんなモノでも対応できる。」

 「でも杖だと他の武器を使っている時は使えないし。」

 「別々に使えばいいだろう別々に。あとはその剣とかメイスに媒体を付けるっていうのもあるな、魔鉄鋼は魔力を通し易い素材だから問題ないだろう。実際に魔法剣なんかは柄の下とかに媒体を付けてるし。」

 なるほどそういう手もあるのか。あと俺の剣を見ながら言わないでください友人の話です。


 しかし剣やメイスはもうスキル容量が一杯だからそこに『水魔術』は付けられない、付けるなら新しい奴を作らなきゃいけないけどそうしたら今度は『棍棒術』や『剣術』がなくなってしまう。

 なしだな。

 そうすると後は杖か。でもそれだと魔術と剣を別々に使う事になる。それってイマイチだな。


 後は操作系と仮定してギンのと同じような腕輪とかにするというのもある。

 でもこれも微妙で亀なんかは明らかに水の少ない所で大量の水を使っていたからな。あれが使えるなら操作系とも言い難い。

 仮に放出系だとすると腕輪からドバドバ水を出すマンになるという事か。

 ・・・うーん剣を使いながらでしょ。想像すると使いづらそうというかうまく使っているイメージが湧かない。


 「何悩んでるんだか分からないが杖でいいじゃないか。嫌なら素手で使え、素手で。」

 本当はそれがいいのだが生憎俺は何か物を介さないとスキルが使えない。素手は無理なのだ。


 「じゃあ分かりました。杖にします。その代わり直ぐに交換できるようになるべく短くすることって出来ますか?」

 「短くする分には別に問題ないよ、片手用の短い奴だな。」

 という事で『水魔術』を入れる先は片手用の杖、短杖にする。


 後は短杖の素材やデザインを聞かれたので答える。

 素材は最初はなんかの木から作ろうかと思ったがどれもこれも元の素材を見せてもらったらスキル容量が小さい、最高で3.5だ。


 これなら魔鉄鋼で作った方がスキル容量が上がる。

 そう思い魔鉄鋼で作りたいというと重くなってもいいなら好きにしろと言われた。じゃあ好きにする。

 もちろん魔鉄鋼の元となる魔鉄鉱石は自分で採ってこないと駄目らしい。

 それで構わない俺には魔鉄鉱石の隠し鉱床があってちょっと掘って来ればいいだけだから。


 杖の部分は決まったので後は後は媒体の部分だ。

 なんでもこの辺で取れるのだったら亀の甲羅から作った物がいいらしい。

 あの甲羅は売れるとは聞いていたがこういう媒体に使うものだったのね。ようやくわかった。

 しかし今手元には亀の甲羅が無いので作る場合はお店の在庫からになるらしい。まあしゃーなし。

 ちなみに買取不可で返却された甲羅の破片は思い出として取っておこうかと思ったが凄く生臭くなってきたのでダンジョンに埋めた。


 と言う訳で大体、短杖の詳細は決まったので後は注文する。

 全部で220万らしいそれも魔鉄鉱石の素材料をぬいてだ。

 高い、高いが手持ちで一括で払える程度なのでそれで注文を決定する。


 後は自分が必要量の魔鉄鉱石を持ってきたら注文開始となる。

 あらかた注文をしたのでダンジョンに行こうかなと思ったがそこでブーメランを上げてしまったのを思い出した。

 あれがないとギンと遊べないので追加で注文する。前に注文した時の注文票が残っていたのかすんなり注文できた。  


 これで全部の買い物が終了。

 早速、ダンジョンに向かう。

 早く魔鉄鉱石を持って行って俺の杖を作ってもらわねば。これは現在の最優先事項だ。


 そう思いダンジョンの入り口に来た。

 今日もアリサがいる、お見送りに来てくれたのだろう。


 そのアリサが俺を見つけるとこっちに向かって歩いてくる。

 俺の目の前で止まるとがしっと俺の両腕を掴む。

 一体何が始まるんだろう。急に腕を掴まれたので心臓がドキドキする。


 「用がある来て。」

 かなり表情はこわばっている。何か怒らせるようなことをしてしまったのだろうか。

 だとしたらあまり行きたくない。

 「また今度では駄目でしょうか。」

 「駄目、今すぐ。」

 「・・・・・・はい。」

 これは相当怒っている。

 こういう時は逆らってはいけないそう本能で理解した。

 こうして俺はもう夜だというのにアリサに何処かに連れていかれるのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ