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絶対異世界無双したいマンが欠陥チート『スキル強奪』をつかまされた時に出来ること全部  作者: 立花 一


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40話 ブキノカタチ

 2-3の周辺で狩りをして結局この日倒せたゴブリンは15匹。ちなみにカエルも1匹倒している。

 増えた『剣術』はこの日全部で1.2で『棍棒術』が3.0だ。

 大体いつも通りの増加だ。

 このペースだと前に計算した通りの時間が掛かるので悩ましい。


 やはり狩場を少しずつ遠くにしてでもゴブリンを追いかけた方がいい気がしてきた。

 そんな事を考えながら歩いているとダンジョンの出口に着いた。

 「わんわん。」

 するとギンが嬉しそうに駆け出した。

 アリサ達だ。アリサ達が出口付近でしゃがみこんでいた。

 ギンは嬉しそうにアリサや子犬達とじゃれていく。


 もしかしてこれって俺が出てくるのを待っていたという事だろうか。

 これって同じ会社で働いている同僚が先に仕事が終わったけど、俺の仕事が終わるのを待って一緒に帰ろとかそういう事だろ。俺はもうそう経験があるってことにしたから。経験カウント増やしているから。


 「もしかして待ってもらってた?」

 「ん。これ返さなきゃ。あとこれも。」

 そう言って貸していた虫取り網と素材袋に入った回復ゴケを渡される。

 そうか確かに貸してたし、回復ゴケを回復薬にするって言ってたな。まあそれでも待っていてくれたことに変わりはないから。カウントは減らさないから。


 「ありがとう。回復薬は明日渡すよ。」

 素材袋1袋分あるから大体これで9本から10本くらいの回復薬が作れるだろう。

 「あ、そうだ。渡す回復薬は売れない事になっているから自分で使ってね。」

 「ん。分かってる。」


 よしじゃあ返してもらうものも返してもらったし帰りますか。そう思い子犬達と遊んでいるギンとついでに遊んでいるゴブリン達を引き離し外にでる。

 外に出たらもうかなり太陽は昇っており結構いい時間だ。朝の6時とかそんくらいだろう。

 まずは素材買取所に今日持ってきた素材を査定するために預ける。

 

 預けた後、いつもなら夕飯というか時間的には朝飯というかを食べて宿に帰るのだがアリサ達はどうするのだろうか。


 朝飯でも一緒にどうですか?この一言が言えない。

 言いたいけど言えない。しょうがないので無言で歩いているとアリサ達も後ろからついてくる。

 このまま進めばアリサの泊っている宿屋とは少しずつ離れてしまうのだがいいのだろうか。

 「こっちに来て大丈夫?」

 「大丈夫。」

 大丈夫らしい。きっとそういう事だろうそうに違いないと思いこの流れに乗る。

 「これから朝飯を食べに行くけど一緒に行く?」

 「ん。行く。」

 勝ちました。人生の勝者です。

 と言う訳で朝飯をみんなで食べる。なんか何時もより幸せな味がした。

 至福の時間もすぐに終わってしまったので宿屋に帰る。

 帰る際にアリサはとても眠そうにしている。もしかしたら徹夜なのかもしれない。

 ご飯なんて誘わないで早く宿屋に帰したほうが良かったかもしれない。

 

 しかし何故かアリサ達も俺たちの泊っている宿屋までついて来る。まじでなんで?

 「ここが俺達の泊っている宿屋だけど・・・。」

 この後どうするんだろうかまさかこのままこの宿に・・・。

 「分かった。じゃあこれで。」

 ですよね。知ってました。単純に俺たちが泊っている宿が知りたかったのね。

 

 と言う訳で解散して俺たちはいつもの部屋に戻る。

 武器の事も考えたかったが今日はここまで、寝てからまた考えよう。おやすみなさい。

 

 次の日起きてから何時ものように回復薬を作る。今日はアリサの分も多めに作る。全部で9本になった。

 容器は前に一杯買っているのでプレゼントにしておこう。


 とりあえず作った回復薬をまずは薬屋に売りに行く。

 おばあさんは回復薬を受け取るとお金を持ってくる。いつもより明らかに多い。

 昨日の治療薬の分も入っているそうだ。

 一気に130万以上のお金を貰う。やっぱこの能力ってチートだわ。


 これで所持金は一気に500万を超えたという事はこれはもう天啓だ。武器を見に行けという天啓に違いない。

 これからの武器の事もあるしやっぱり実物を見ないと分からない事も多いはず。

 もしかしたら棍棒もオシャレでかっこいいかもしれない。

 という事で冒険者ギルドの販売店に行く。

 「すみませんこの店の棍棒を見せて下さい。」

 そう言って何時もの店員さんに棍棒を出してもらう。

 

 まずはオーソドックスな木で出来た棍棒だ。

 先の方が丸まっていてとても・・・うん、うまく褒められない。めっちゃ蛮族って感じだ。

 やっぱり想像通りこれはなし。

 因みにスキル容量は3.0までしかないので2重になしだ。


 次は骨で出来た棍棒だ。

 これは形状はさっきのと変わらず先端が丸みを帯びている。材料が骨と聞いてさらに持っている奴の知能を下げそうな感じだ。これもう原始人だろ。

 という事でこれもなし。

 スキル容量も3.0で論外。


 その次に出てきたのは鉄で出来た棍棒だ。

 先端の方が大きくなっていて尖った部分がいくつかある。

 武器に詳しくないけど形状はメイスと呼ばれるものに似ている。

 「まあこれが一番オーソドックスな『棍棒術』を使える武器だね。」

 「なるほど。名前は何て言うんですか?」

 「メイス。」

 メイスでした。


 思ったより見た目は悪くない。

 長さは60~70センチくらいだろうか。

 今使っている短剣よりはリーチはある。

 さっき見ていた棍棒よりはよっぽどかっこいいのでこれなら許容の範囲内かもしれない。


 少し持たせてもらう。

 かなり重い。片手で振り回すのは無理だな。

 両手で振り回すならいけなくもない。 

 これは鉄製なのでスキル容量は2.0しかないのでこれはなしだが魔鉄鋼製ならまあ、ありかも。


 「これの魔鉄鋼製ってありますか?」

 「今は在庫が無いね。」

 無いのかよ。じゃあ駄目じゃん。俺は今すぐ必殺技が撃ちたいんだ。


 「魔鉄鋼は数が少ないからね。メイスとかあんまり数が出ないやつだと発注しないと無理だね。」

 「発注するとしてどれくらい掛かりますか?」

 「10日はないと駄目だろうね。」

 なが。長すぎだろ、絶望しかない。そんなに待ったら死んじゃうよ。


 「因みに剣で『棍棒術』て使えますか?」

 「聞いたことないね。『棍棒術』持ってたら素直に棍棒で使うだろうね。」

 ですよね。


 「後は魔鉄鋼製品は魔鉄鉱石の数が少ないからね、注文しても魔鉄鉱石待ちで時間が掛かるとか結構ざらにあるよ。」

 「それって魔鉄鉱石を持ってくれば順番を待たなくても作ってもらえるんですか?」

 「持ってくればそりゃ待ち順番はないだろうけど。でも集めるのはかなり大変だよ。」

 それは大丈夫。俺には魔鉄鉱石の隠し鉱床があるから。


 しかしそれにしても直ぐには無理という事が分かった。

 という事はつまり俺はどうすれば必殺技がうてるんだてばよ。

 ちょっと混乱して来たので整理しよう。


 まずは魔鉄鋼製のメイスを作った場合、完成は10日後というか素材は明日持ってくるから11日後。

 完成したらそく『棍棒術』4.0で必殺技撃ち放題。

 魔鉄鋼製の剣と同じであればスキル容量は5.0だから『棍棒術』は5.0まで入れられる。

 『棍棒術』は4.0から5.0まで上げるのに必要な値は今までと同じ法則で倍となるなら48.0必要だ。

 『棍棒術』は1日3.0くらい取れるので16日あれば5.0に出来る計算だ。


 次に魔鉄鋼剣の『剣術』を上げる場合、4.0に上げるのに25日かる。

 新しい魔鉄鋼剣を買って5.0に上げるのには計算したくない時間が掛かるので考えない。


 つまり11日で『棍棒術』スキル4.0、16日で5.0の棍棒か、25日で『剣術』スキル4.0の剣かの2択という事だ。

 どっちも今すぐには必殺技を使えないという事が分かったのでじっくりやる事にする。

 なんだかんだ言っても俺ももういい大人だちょっと位なら我慢も出来る・・・・・・はず。

 我慢が出来るとするならどっちにするか


 さあどうする。

 外聞はかっこ悪いがメイスの外見はそんなにかっこ悪くなかった強い『棍棒術』か。

 外聞も外見もかっこ良いが時間が掛かる上に少し弱い『剣術』か。




 どっちもだな。

 どうせ時間が掛かるんだしスキル石は同時に手に入るんだからどっちも手に入れて適当に使い分ければいいや。

 俺、モンスターを狩るゲームで太刀に飽きたらハンマー使ってたし、きっとこの世界でも敵によって使い分けるのは有効だろう。きっと。


 やる事が決まったので販売店の店員にお礼を言ってダンジョンに向かう。

 ダンジョンの入り口に行くと今日もアリサ達が待っていてくれた。 

 昨日、回復薬を渡す約束もしていたし来るかなとは思っていたがこうして待っていてくれると嬉しい。

 

 「こんばんは」

 「ん。」

 「約束していた回復薬。」

 「ありがとう。」

 「これからダンジョンだけど今日も一緒に行く?」

 「行く。」


 これもう恋人だろ。自分、カウント上げていいすか。


 昨日と同じように俺は2階へ行く間アリサ達と一緒に行く。

 昨日と違ってそんなに一緒に行けないがそれでも満足した。

 虫取り網を貸しておく。こうすることにより今日も返してもらうために待っていてくれるかもしれないという計算だ。これもう天才軍師名乗っても差し支えないだろ。

  

 そうしてアリサ達と別れてからはゴブリン達を狩っていく。

 2-3から少し足を延ばして範囲を広げたので少しだけゴブリンが多く狩れた。

 後は最後に魔鉄鉱石を育てている箇所から魔鉄鉱石を掘り出す。

 魔鉄鉱石は埋めた時より3倍近くに増えていたので3分の2ほど削って持って帰る。

 鉄製のメイスを持った感じだと3分の1くらいで十分作れそうだけど余裕をもって3分の2にした。

 残りの魔鉄鉱石はまたここに埋めて増やす予定だ。


 ダンジョンを出ると昨日と同じようにアリサ達が待っていてくれたので一緒にご飯を食べて帰る。幸せ。


 そして次の日、魔鉄鉱石を持って販売店で魔鉄鋼のメイスを注文する。

 魔鉄鉱石の量にかなり店員さんが驚いていた。そうだろうそうだろう。

 店員の話ではこれだけあれば十分足りるし素材の余った分は買い取ってその分メイスの値段は下げてくれるらしい。

 正確な値引きの額は分からないが素材の持ち込みなしでメイスは500万らしい。

 そういえば値段聞くの忘れてた。

 だがもう遅い。俺はメイスで出会う敵、出会う敵、全部叩いて砕くそんな戦士になるって決めたんだ。もう誰にも俺は止められない。

 とりあえず前金で200万払って残りのお金は完成後に素材の値引きをした金額払う事となった。

 

 これで準備は万端だ。

 後はゴブリンどもを倒して倒して倒しまくってスキル石を用意するだけ。

 そうして俺はスキル石を集めつつその日が来るのを待った。

 

 そして待ちに待った10日後、遂に魔同鉄鋼製のメイスが完成した。


 ようやく俺も必殺技を撃てる、それそんな興奮と本当に撃てるのかという不安を胸にダンジョンに向かうのであった。


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