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戦闘力の無い新人魔王が出来る限り勇者を帰らせようとがんばるお話

作者: カリントウ

はいはい、ひまつぶしひつまぶし


魔王城 24階 〜魔王魔物配備委員会にて〜


広いオフィスの中、一部分の場所のみ電気がついている。

そこにはとても大きな隈をつけている吸血鬼と、とても濃い死の魔力を常時放っている幼女がパソコンに向き合って話している。


「おい!一ヶ月前に募集した新しい魔王の候補は決まったのか?」


カタカタカタ...


「い、いぇ...決まっておりません...ふぇぇぇごめんなさいぃぃ!!」


カタカタカタ....


「い、いや...大丈夫だ、もうめんどいな...よし!くじ引きにしよう!!」


ドンッ!!


拳を机に叩きつける。


「ふぇぇぇ!!」


「うるさい!!」


ドンッ!!


「ふぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


『メンドクセェ...』


「ふぇぇ...で、でも大丈夫なんでしょうか...?」


「良いよもう...誰でも良いよ...もう2徹もしてるんだ、寝たい」


【衝撃の事実!吸血鬼は徹夜は苦手!】


「ふぇぇ...」


「そうか、そう思うか...そうだよなぁ」


「私...何も言ってないんですが...」


「...........」


ドンッ!


「ふぇぇぇ!!言いましたぁぁ!!」





「ってことがあって、あなたに決まりました」


「...僕?」


「はい、」


魔王魔物配備委員会の人が頷く。


「ぼ、僕...友達にじゃんけんで負けて半強制的に応募させられた力の無いただの一般魔人なんですが...」


「......頑張って下さい」


キュピーン


親指を立てながら言う。


「死ねと?」


「..........」


魔王魔物配備委員会の人は、回れ右をして一瞬で去っていこうとする。


「ま、待って!ほんと待って!」


コトンコトン...ガシッ!


「なんで掴むんですか!!寝たいんですよ!!!」


「ぼ、僕ほんとに力がなくて...」


「んなもんしらねぇーですよぅ!!!あなたの学歴書に!言い訳やら屁理屈が得意って書いてあったじゃ無いですか!!それを使いなさいよそれを!!」


「はぁ?!勇者相手に嘘をつけと?!」


「えぇ!そうですとも!!さっさとそれして死んできて下さいね!!」


「うわ傷ついた!」


「その程度で傷つくんだったら死んでしまえ!!」


「生きる!」


「死ね!」


「もっと生きる!」


「もっと死ね!」


「語彙力なさすぎだバーカ!」


「バカって言ったほうがバカなんだよ!このバカ!」


「あっ、今バカって言った!」


「バカバカバカバカバカ!!」


「バカバカバカバカバカバカバカバカ!!!」


「もうやめんか!!!!」


2人以外の野太い声が響く。


「なんだとこのバカ!」


「うるさいバカ!」


「.........おほん」


「「.............」」


2人で悪口を言い合っていた2人だが、止めに来た人にノリで悪口を言ってしまった。


その悪口を言った相手が...


「「すみませんでしたぁぁ!!サタンさま!!!」」


自分たちの国の宰相のサタンだったのだ。


「だ、大丈夫だよ...怒ってないよ?」


だったのだが器な広いこと広いこと、なんと寛大な心でほんの少しの罰で許してもらえるそうだ。


「「か、宰相ぉぉ、さっすが宰相!!寛大な心!」」


「2人とも、こっちに来なさい」


「「はーい!」」


僕...ワードことば魔人のネルスと隣の魔王魔物配備委員会の人は一緒についていく。


ガチャ、


とある個室に入る。


「えーっと、ワードことば君だっけ?君はこっちね?魔王の間があるからそこに座っててね?多分後もうちょっとで歴代最強の勇者が来るから」


「え?」


その言葉に驚く。


「そ、それって...死ねt...」


バァァァーン!!


サタン様が壁を叩く。


そこ時2人は確信した、


『『あっ、これ怒ってるやつだわ』』


それと同時に自らの死を悟ったのだった。





ってことがあって今、魔王の間の玉座に座っている。


ちなみに、隣にいた委員会の人はサタン会長からさついのこもった鋼鉄の処女アイアンメイデン言う遊び道具をもらったそうだ___




___いやー選ばれててよかった...



するとガチャッと、目の前の扉が開く。


そう、ついに勇者がたどり着いたのだ。




勇者のパーティは、


勇者、金髪の脳筋美少女


戦士、ごついおっさん


盗賊、完璧にチャラそうな男


僧侶、ピンク髪の巨乳美少女


賢者、本を片手に持っている老人


狙撃手、爽やかイケメン


テイマー、幼女


付与魔術師、平凡な少年村人


と言う8人の構成だった。


「ついに来たぞ!」


勇者が言う。


『やばい...やばい...こ、ここは覚悟を決めるんだ、いつもやって来たじゃ無いか、いつも通りにやればいいんだ...良しっ!!』


「人違いです、あっちにいます」


と、右の脱出口を指差して言う。


「「「「「「「「...........」」」」」」」」


勇者パーティは静寂に包まれる。


「だって、行こ」


真っ先に動いたのは脳筋勇者だった。


※分かりにくいので勇者パーティの台詞は横に誰が言ったか書いておきます。



賢者「な、相手の言うことを信じるのかの?」


勇者「た、たしかにそうだな!!」


「ゔ....」

『ま、不味いぞ、脳筋ならいけると思ったが周りの見方が頭いい!!なら...』


「ま、まぁ...ここに来るのに疲れたでしょ?紅茶でいい?」

『もてなす!!』


全員「........え?」


『しくじったぁぁ!!!クソ!』


勇者「あ、じゃ、じゃあ...ストレートで...」


『あ、意外と乗ってくれた』


戦士「エールは無いのか?」


「無いですね」


戦士「ちぇ」


付与魔術師「あ、僕はミルクティーでお願いします」


テイマー「私も〜!」


狙撃手「俺はレモンティーで」


盗賊「俺はいらねー」



その時、


♪〜〜〜


「あ、少し失礼...はい、もしもし?」


《すごいの!今子供が生まれたの!!》


こんな僕だが、一様妻がいてその妻からの電話だ。


しかし、この時スマフォのスピーカーモードをオンにしていたので勇者パーティにも会話が聞こえていた。


「本当か?!」


《えぇ!念願の子供!しかも双子の男の子と女の子よ!!》


「おぉ!!出産の瞬間に立ち会いたかったな〜!」


《本当よ!だから早く来てねダーリンっ!》


ブツっ!


『はぁー、この相手は僕の口車に乗せられないな...仕方ない!僕の能力〔魔言〕を使うか...』


そう覚悟を決めたのだか、なぜか威勢が勇者パーティから感じられなくなっていた。


「あ、あの?どうしました?」


全員「どうしたもこうした無い!戦いづらいわ!」


付与魔術師「うんうん、なんかこう...躊躇っちゃうよね」


テイマー「わかる」


盗賊「まぁ、俺も何回かそう言う状況経験してるけど嬉しいよな?」


狙撃手「チャラ男め...」


『よし、ここで〔魔言〕!《よし帰ろうか》』


全員「よし帰ろうか」


そう、彼の能力は言った言葉に魔力を乗せて相手にその言葉を言わせる能力である。


しかしこの状況なので、自分の思ったことが口に出てしまったと思い込んで互いにうなずき合って帰える準備を始めてしまった。


だがある一言で勇者パーティの人たちはやる気になる。


「そう言えばレアアイテム一つ取り忘れてないかな?あれ僕が作った魔道具で、相手の心に思った言葉を聞くことができる、真実の指輪って言う魔道具なんだけど...取ってくれなかったか...」


そう言うと、盗賊が


盗賊「おい!その魔道具が置いてある場所はどこだ?!」


「知らない...ランダムで配置されるからね...でもどこかにあるはずだよ?」


盗賊「良しみんな!行くぞ!」


ダッダッダッ!


盗賊が走り出しだす。


付与魔術師「え?行くの?」


テイマー「めんどくさい...」


それに続いて、付与魔術師とテイマーも付いて行く。


勇者「よし行こうか!」


脳筋勇者は付与魔術師に続いて行き、


賢者「少しは老人を労わらないかのぅ...」


狙撃手「魔道具か...高く売れるかな?」


僧侶「きっとぉ〜高く売れますよぅ〜」


賢者と狙撃手と僧侶は歩きながらゆっくりと追いかけていった。


「はぁー、めんどくさいなぁ」


新人魔王の苦難は今日も続く。


楽しんでくれたら幸いです。


自分の他の作品もよかったら。

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