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屋上4(すみれ視点)
ハッと我に返ると陽菜の目に涙が溜まっていることに気がつく。
慌てて身体を離す。
「ご、ごめんなさい・・・」
取り返しのつかないことをしてしまった。
無理矢理キスして可愛い子を泣かせてしまうなんて・・・
キーンコーンカーンコーン。
予鈴が鳴る。
「授業始まっちゃうよ。教室戻らないと。」
陽菜は少し赤くなった目で私に言った。
さっきのキスはなかったことにされたのか。
そして陽菜はドアの向こうに消えてしまった。
私はしばらくその場でたたずんでいた。