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屋上2(陽菜視点)
「わ、私は清水 すみれって言います。高等部1年で・・・。」
「すみれ!。素敵な名前だね~。陽菜のことは陽菜って呼んでね!それと、敬語じゃなくていいよ!」
すみれは少し複雑そうな表情を浮かべている。
年下に敬語で話さなくていいと言われてとまどっているのかな。
それにしても、スタイルいいなぁ、モデルさんみたい。身長陽菜より15cmくらい高いかな。
すみれは透明感に溢れる白い肌をしていたが、頬がうっすらと赤く染まっている。
瞳も黒くて吸い寄せられそう。
そして、サラサラな黒髪・・・
「あっ、ごめんなさい、陽菜いきなり髪の毛触っちゃって。」
すみれの髪を触っている事に気づき、あわてて手を離そうとする。
次の瞬間、腰をぐいっと引き寄せられ、驚いてすみれの顔を見る。
目が合う。
「まつ毛長・・・ん・・・っ!」
唇に柔らかいものが押し当てられている感触がする。
それにすみれの髪が頬をかすめる度、シャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。
懐かしい気持ちで胸がいっぱいになって思わず涙が溢れ出した。