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徒然、気儘に

5、あたたかな

作者: 桜月雪兎

私はこのあたたかな場所が好きだ。

人は冷たい場所をあまり好まない。

人自身が冷たいのに、不思議なものだ。

たまにあたたかな人に出会う。

その時はとても嬉しい気持ちになる。

だが、その人が常にあたたかいかと言われれば答えは限りなく『違う』だ。


「君はあたたかいのにな」

「唐突になに?」

「いや、人はワガママだと思って」

「ふーん、また難しく考えたんだ」

「そうでもない」


私の言葉に真剣に考えてくれる君は本当に暖かいと思う。

人は暖かいものに惹かれる。

それは人が冷たいからかもしれない。

けれど、暑すぎるものもまた好まない。

本当に人はわがままだと思う。


「何考えてるかわからないけど」

「ん?」

「人はさ、誰だってわがままだと思うよ」

「なんで?」

「人は多かれ少なかれ何かを求めてるでしょ。求めるものやそれを抑える気持ちが強いかどうかでしょ」

「……そうかもしれない」


君の言う通りかもしれない。

人は無欲ではない。

無欲に見えて結局何かを求めている。

求めるものが多く、押さえる気持ちが弱い人が世間でいうわがままなのかもしれない。

逆に求めるものが少なくて、抑える気持ちが強い人が無欲なのかもしれない。

君の方を見て、君と目が合うだけで笑顔になれた。


「君と話してると気持ちがいいよ」

「こっちもだよ」

「それはよかった」


君といるだけで話すだけで温かい気持ちになれる。

人はそういうものを好む。

それはみな共通なのかもれしない。

だが、それでいいのかもしれない。

人を決めてかかる必要はないのだと思えるようになった。

それだけでいいのかもしれない。




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