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ヒスティマⅠ(修正版)  作者: 長谷川 レン
第六章 襲撃と呪われし姫君
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フィールド魔法



 それから数十分後。

 夕食の前に言っていた戦闘力調査のため、リクと先生(真陽)以外は俺の家からそんなに離れていないが辺りは一面、木々で覆われている見にくい場所に移動していた。

 こんな場所ではまず、俺の射撃は命中率が格段に下がる。

 それは俺だけじゃないようで……。


「カナさん。こんな所で戦うのですか?」

「いくらなんでも視界が悪いですわ」


 グレンやレナがカナに聞く。


「そんな訳無いじゃない♪ ちゃんと明るい場所にするわ♪」


 ニッコリと笑うカナ。

 こういうところを見るとホントに大人かどうか疑問に思える。

 子供という方がほんとにあっているように思えてくる。


「明るい場所ったって、ここら辺には無いぞ? 建物の中にでも入るのか?」

「周りを見た感じ、ここら辺は木しかねぇぞ?」

「……(コクコク)」


 キリと白夜が周りを見回している。

 どうやらこの二人は夜目が効くようだ。

 ガルムが夜目が聞くことは知っているから問題はない。


「だから、明るい場所にするって言ってるじゃない♪ ここで戦うわ♪」

「? カナさん。ここではやはり視界が悪いかと……」

「確かにね~。これじゃあパンチラだって見えないよ」

「あんたは一度黙ったら~?」

「全く。私の話聞いてないわね~♪ 心配しないで♪」


 暗くてあまり見えないが、笑顔で楽しむようにして言っているのはわかる。

 とにかく俺はそれを見ていると……。


「私の世界に招待するわ♪」


 次の瞬間。

 俺たちは白銀の世界にいた。


「「「!?」」」


 ありえない!

 空間が割れた光景が見当たらない!

 自然に瞬きをした次の瞬間には場所が変わっていた!?

 フィールドを発動するにはいくらなんでも早すぎる!

 俺は、つくづく目の前にいる少女のような【自由な白銀(フリーダムシルバー)】を化け物じみていると感じる。

 それを肌で感じて、冷や汗を垂らす。


「さぁ♪ ここなら思う存分暴れてくれて結構よ♪ (……この〈忘れられた廃村〉なら……)」


 一瞬、カナの顔が曇った気がしたが、いつもの明るい笑顔のままだ。

 何かこの世界に執着心があるのだろうか?


 作り出した世界は基本、自分の望む世界。

 又は自分の最も(、、)執着心のある記憶(、、)だ。


 こうなりたいという世界を創る世界を例えるなら『未来の世界』。


 追憶の記憶に戻りたいという創る世界を例えるなら『過去の世界』。


 そして、これは未来や過去など時は関係ないが、特定の魔法にちなんだフィールドが魔力を使わず勝手に発動された物は『フィールド魔法・天性型』。


 フィールド魔法とはそういう魔法だ。

 だが、例外としてこういうフィールド魔法も存在する。


 『フィールド魔法・絶対創造領域』。


 これは、未来でもない、過去でもない、『現在の世界』。


 このフィールド魔法は自分を理解し、そしてその自分の魂を外に広げる魔法と聞いた。

 しかも絶対創造領域と付くだけあってかなり強力で、最大高等魔法の一つと言われている。

 このフィールド魔法はフィールド魔法そのものが本人の魔法を飛躍的上昇をさせる魔法らしい。

 だけどこれは意志がよほど強くないと展開できない魔法だ。


 こんな話をしているが(誰に話しているか自分もわからないが……)最近ではフィールド魔法そのものが使えない者ばかり。

 元々フィールド魔法は高等魔法だからだ。なかなかできない魔法だ。


 しかし、昔は使えるものがかなりいたらしく、むしろ使えない者は馬頭(ばとう)され、差別の対象になっていたらしい。

 だが、使えても自分の望む世界、つまり未来の世界で、過去の世界と現在の世界を使うものはそうはいなかった。


 俺はなんとなく辺りを見わたす。

 雪が降り積もった場所で木々は枯れ、又は折れたりしている。

 ほかには木片があって、密集されて置かれてある。

 ひとつやふたつじゃない。

 たくさん置かれている。

 これは何だ?

 おそらく家のなれはて……なのだろうが、木片の壊れ方がなんだかおかしく感じる。

 まるで巨大な爪で引っ掻かれたような――ペシン。


「いたッ」

「なにキョロキョロしてるのよ。説明聞いてた?」

「ああ。すまない。聞いてなかった。もう一度説明してくれるか?」

「しょうがないな~」


 カナは腕を組んで話した。


「まず、私vsあなたたち全員ってことは話したよね♪」


 確かに言っていた。

 むこうでも話していたしな。


「そしてリクちゃんの料理を早く食べたいからみんな一斉にかかっていらっしゃい♪」

「ねぇさっきも言ってた言葉だけど。今の言葉がおかしいと思ったのはウチだけ?」

「いや、俺も思った」

「俺もだ。今は目の前の戦いに集中するべきだ。たとえ力試しでもな」


 マナ、キリ(元に戻っている)、ガルムがカナちゃんの言葉におかしく感じるが、ほかの人は……。


自由な白銀(フリーダムシルバー)様がおっしゃるならわたくしも楽しみですわ」

「……私は普通に楽しみ」

「料理には少々うるさいので……」

「美少女の料理ならば楽しみにならないはずがなかろう!!」

「リクちゃんの手料理ならばどんな物でも食える!!」


 レナ、白夜、妃鈴、デルタ、俺はカナちゃんお言葉に共感する。


「ハハハハ……」


 グレンは苦笑をしているだけだった。

 たわいもない会話をしている中で……。

 彼女の一言で――


「じゃあ……はじめるわよ♪」


 ――一斉に魔力がはじけた。



「我が名はマナ。我の声に気づいたならば、その姿、具現化し、我が前にいでよ。〝ファイアーバード〟!」


 火の粉がはじけ、中から火の鳥が……。


「我が名はキリ。〝雷舞の豪将〟。狼の如く這い回れ!」


 雷を纏い、拳を振り上げ……。


「我が名はレナ。水を司る〝ウィンディーネ〟。我が声を聞き、我が前にいでよ!」


 澄み切った水が現れ、それは人魚の形をとり……。


「我が名は白夜。潜む刃をその身に宿し。〝影の銃槍〟は静かに訪れる」


 地面から出てきたように見えた漆黒の銃槍が……。


「我が名はグレン。〝業火の炎〟。我が手足とせよ」


 熱気がいでて、炎をまとった拳が……。


「我が名はガルム。いでよ。我が下僕〝地獄の門番〟ケルベロス!」


 門が現れ、中から出てきたケルベロスが……。


「我が名は妃鈴。主を守り、なおかつ敵を打ち砕かん。〝死地の銃盾(ヘルガンシル)〟」


 彼女を隠せるほどの巨大な盾が変形し、大砲のような大筒を形作り……。


「我が名はデルタ。知を知り、機を知る〝情報器(パーソナル)〟」


 彼の後ろに、数知れない画面が出てきて皆の魔力を増大させ……。


「我が名は雑賀。荒れ狂う風よ……舞え。〝疾風の銃(ウィングゲヴェアー)〟」


 手に形成される二丁の銃を……。





 ――全員でカナをめがけて攻撃を始めた。


第六章のはじめがループになってしまいました。ここまで見てしまった人には悪いですけど第六章から見てもらえれば幸いです。

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