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Warmth Melt  作者: みゅうじん。
夏、再会~
32/74

再会を期して  2

 少しだけ考えて、そんな事は無い。なんて思った。明白な理由は無かった。何故だかは分からない。でも普通に考えて、知らない遠く土地の人間が、俺を知っているか。

「それだと、本当に凄いですよね」

 一人だけ俺を知っている人間はいるけれど、それはこんな面倒臭い事が大嫌いだった。もしかして、なんて思った事も無い。

「そうだ、ナツさん。以前、1回だけ恋愛ドラマに出ていましたね?」

 この話しはこれ以上伸びない、なんて思ったのか、記者は話しを前出演したドラマに向けた。

「その中でヒロイン役の美樹さんとの恋愛が報じられましたが、それについては?」

 イラっとした。その話はもう終わっただろ、なんて、そうぶつくさ。

「誤報です。今は仕事に集中したいですからね。俺ってそんなに器用な人間じゃないから、もし誰かが付き合ってくれても、今度は仕事がおろそかになる気がして。結構一途な人間なんですよ? 俺って」

「本当に春樹に似てますね。……では、今回のドラマで恋が芽生える事は無いと?」

「はい。多分、99%無いと思います。でももし残りの1%が当たったなら、一生一緒にいると思いますよ」

「一途だから?」

「勿論」

 笑顔での全面肯定に、記者はほわんとしたなんとも言えないような顔で目をキラキラさせた。ロマンチック、なんて思っているのだろうか。でもこれはただの演技だから、それについては何も言わないでおいた。

「共演者とはもうお会いしたんですよね? どうでしたか?」

「スタッフも皆さん本当に優しい方ばかりで、共演者の方々も楽しいし、頼もしい限りです。良いドラマになると思いますよ」

「それは良かったです。特に仲の良い人とかいますか?」

「同じ事務所の、的場叶とは結構昔から仲が良いんです。でも、それ以外の方々とも良い交友関係を築けると思います」

 大事な大事なヒロインはどうだか分からないけれども。

 藤原牧は多分、あの影に隠れる性格ってのもそうだし、一番に。あのマネージャーだ。自分が他より遥か上だと思っているだろう、アイツ。事務所社長の子供だかは知らないが、あの態度にはザキさんもそうとう怒っていたようだし。

 先が思いやられる事と言えば、それくらいだろうか。

「そうだ、ナツさん。原作は読まれましたか?」

「いえ、まだ全部は読めていないんです。今の続きが気になっていて、早く全部読みたいです」

「I LOVE YOUは内容もそうなんですが、実はもう一つ話題になっている事があるって、……ご存知ですか?」

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