第八話 頑固な父
今回、同居の許可をもらうため主人公は父と真っ向からぶつかります。
父は彼になんというのかに期待です。
家に帰る。もう日も暮れた後、急に雨が降り出してきた。
僕はびしょ濡れになりつつも、固い決心で父に「同居」について話さなければならかった。
頑固者の父はそれを許してくれるだろうか?
この家は僕と父と祖母、祖父の三人暮らし。
母は僕がものごころ付かぬ頃に亡くなった。
早速、居間にいる父と面と向かう。
「お、お前、どうしたその顔は!まさか、高一でタイマン勝負かよくやった!負けたか、勝ったか?」
女子にやられました、とは流石に言えないので、勝ったよ、と言っておく。
「どうしても話したい事があるんだ」
父は息子の勝利を喜びながら答えた。(嘘だけど)
「なんだ?」
「今日、彼女が出来た。どうしてもその子と同居がしたい」
父は少し沈黙してから、「そうか、お前も大人になったもんだ」
すっ、と父の顔が険しくなる。
「許してくれるか、父さん!」
「ただしな世の中そんな、甘くないんだ、お前の彼女の飯はお前が稼げ。バイトでもなんでもいい。汗水たらして女を養うそれが男だ。学費は俺がなんとかする」
もうここまでくると引き下がれない、意地でもやるしかない。やろうじゃないか!
「分った、僕は行くよ、ありがとう」
「じゃあ、これ持って行け」
父は嬉しそうな顔をすると、黄色くなった一枚の紙を出した。
「俺が高校出て、お前の母さんを食わすために出していた、履歴書の余りだ」
昔の父と母を連想してなんだか、胸が熱くなってきた。
「母さんはその頃可愛くてな、俺も職を選ばず働いたもんだ」
うっすらだが幼少に見た母さんの顔を思い出す、肌は純白で髪は長くとても綺麗だったような気がする。
それを麻衣の姿に重ねつつ、僕は学生鞄に生活用品と履歴書を持ち、夜中、雨の中、家を出た。
***
彼女の家に着く、制服はびしょ濡れで持ってきた生活用品も濡れていた。
「先輩!こんな時間にどうして!?」
「ごめん、親と話してたら熱くなっちゃって。で、でも同居できるよ」
「とにかく、入って下さい!」
あれ?怒られたかな・・・
今回、主人公は物心つく前に失った母に対する。父の熱心な態度に関心して、
家を飛び出しました。彼は今後どのような努力をするのでしょうか。
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