第七話 真っ直ぐな彼女
今回は性格が違う真由と怜が何故、友人になったかを怜が語ります。
宮木さんはそっと口を開き始める。
「それは、真由と私が似てないからこそなんです。私は、親の影響もありますが、外見ばかりを気にしていて、誰からも変に思われぬように行動してきました。最初はそれでいいと考えていたんです。だって、その方が端然楽でしょう?」
真由は自室に置いてあったティッシュに消毒液を含ませ始めた。
「でも、真由は違った。可哀想なくらい、真っ直ぐで他人に汚されないありのままの自分を学校でもプライベートでも表現していた」
僕はふう、とため息をつく。きっと自分にも心当たりがあるからだろう。
ただ、それがなんだかはハッキリしない。目の前にそれがあるのにピントが合わないだから見えてこない。
彼女はまた話し始めた。
「最初は片思いからなんです。ああ、あんな人になれたらなって。でもいつの間にか話すようになって友達になれたような気がします」
「そうだったのか・・・」
彼女はティッシュを僕の頬につける。
結構しみる、きっと彼女が真っ直ぐだからだろう
「ところで、麻衣さんはクラスでどんな感じ?」
「麻衣さんはいつも大人しいけど、優しくて、私たちに勉強を教えてくれたりするんです」
彼女は笑顔で話していた。
でも誰もしらないだろう。麻衣が僕を殺そうとしたこと。僕の為に泣いたことを・・
「でも、麻衣に彼氏が出来るなんて・・・なんか先を越されちゃったような気がします」
彼女はうっとりとした目を輝かせながらは話す。
「幸せって良いですね、麻衣さんを幸せにしてあげて下さいね」
果たして僕が、彼女を幸せにすることは出来るのだろうか。
「幸せにしてみせるよ、きっと。だって麻衣さん可愛いから」
一抹の不安を抱えつつ、彼女に一通りの手当てをしてもらって僕は家路についた。
さて、今回は真由と怜の関係でした。
怜は真っ直ぐな彼女に自分と違う何かを感じ、友達になったようです。
主人公は麻衣についても聞きますが、自分の体験の方が現実感があったようです。