第三話 校舎裏にて彼女と二人きり。僕は考えた
今回はとても短いです。前回と比べると三分の一程度です。
理由はPC代わりに使っていたPS3が起動不能に陥ってしまったからです。
代わりにPSPを使いました。
短い物を小出しに出していますが、少しずつ読んでいってください。
今回は、楠木と主人公が校舎裏にて、二人きりになります。主人公はなにを思うのでしょうか?
昼間の校舎裏はどんよりと曇った空に似たアスファルトが敷かれていて、そこにある程度の湿り気と日陰が相まって、何だかスリルに満ち満ちた空気に包まれていた。
僕は数分無言で楠木さんの隣に座っていた。
それしか、僕には出来ることがなかった。
彼女とは殺す、殺される仲かな、とも考えていた。
でも、あの告白も、同居や結婚という言葉は彼女自身が「僕」に好意を抱いていた証拠なのだ。
僕もそれに答えたい、否、答えなければならない。
でも、どうやって?
同居・・・それくらいしか頭の中には浮かばなかった。
そもそも、僕は彼女を愛していないのかもしれない。
昨日、告白されて、殺されかけて、今日、また告白された。
「惚れるよりも慣れ」、「親しく付き合う中で愛が芽生える」僕の望む愛の形ってそういう物じゃないだろうか。
確かに彼女は可愛い、僕にはもったいないくらいに、でもお互いに未熟なのだ。
「楠木さん、僕は君が望むならば同居してもいい。でもイヤならすぐ追い出してくれ。あともう一つ、僕は君のことまだ余り知らない。だから君の本心に答える事はできない。だから、この機会に知りたいって思う」
「先輩・・」彼女は涙を流しつつ、そう呟いた。
主人公は今回、彼女を自分が本当に愛している事を再確認した後、自分は彼女の気持ちをどう受け止めるか考えました。結論は「彼女の本心を受け止めて同居して、彼女を知りたい」という物でした。
つまり彼は、彼女をまだ愛し切れないのです。
これから、由香やまだ出ていない登場人物との関わりで彼の心情はどう変わるのでしょうか。
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