第十五話 拭う
少しの間、編集などで次話投稿休んでいましたが、再開したいと思います。
今回のタイトル通り、ブランクを拭えるよう頑張ってます。
弥生さんがお風呂から上がった後、僕らは二人でお風呂に入ることとなった。
弥生さんの言葉を聞いてから、麻衣は少しづつ、僕との距離を縮めようとしている。
つまり、恋愛している。でも、その先に待つものは何なのだろう。
男女は自分の遺伝子をより優勢な個体に残そうと動く。それが生物にとって決められたプログラムなのだから。でも僕らが子供を作ってしまうと、人類が進化の枝分かれを始める。
枝分かれというのは、猿と人間が木、大地と方向性を分けて進化していくことだ。
こんな事を背負って僕らは恋愛をしている。
「ひとつ、聞いても良いかな」
麻衣は急に喋り始める。
「なに」
「私との間に子供を作るつもりある?」
「将来の話だから、わからない」
「そうだよね、私さその時の為に、私のお父さんと相談してこの一連の事件を揉み消しにしようって考えたの」
「そんなことができるの?」
「大規模だけど、私の父さんって外国の同じような研究所にたくさん友達が居るの。その人に頼んですべての資料、データを無かったことにする」
「何故、そこまでしてくれるの」
「先輩のことが好きだから、後、この突然変異は・・・」
彼女は急に言葉を詰まらせる。
「人為的なものだけど、人類がこれからしていく進化を先取りしたようなものなの」
「それってどういうこと」
「私の父がその飛行機の塗装から発見した物質は突然変異を誘発させ、新たな進化を生み出す物だったのたまたまね・・だから最初に異変を確認したミミズの子供は親とのDNAに明らかな相違点ある」
「これは、自然的でもあり、人為的でもあると」
「あなたや先輩に迷惑を掛けたのは、異変を見つけた私たち。だから責任を取る必要がある」
「僕も手伝っても良いかな?」
「私の責任なのよ」
「僕は君の彼氏だろ、それぐらいの事して当然だ」
そういって、僕は彼女の背中を洗う。
彼女の罪を拭うように僕はタオルで強く彼女を洗う。
「先輩、ちょっと痛い」
「あっ、ごめん」
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