表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王都怪異事件簿――ネクロマンサーの不埒な恋を祓うには  作者: せりもも


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/28

1 柩の中のきれいな男

 なんてきれいな男だろう。


 その男性は、ペシスゥス王国の軍服を着ていた。紺色の上衣に紅の襟の折り返しをちらりと覗かせ、腰には目の覚めるような白い絹の飾り帯(サッシュ)を巻いている。肩章(エポレット)は地味で目立たなかったが(戦場で狙われない為だ)、彼が高級将校であることを示していた。


 見えるのはそこまでだ。彼の全身は、青い薔薇の花で覆われていた。ところどころに、オレンジ色や黄色の花も混ざっている。


 薔薇が敷き詰められているのは、ガラスの柩の中だ。つまり彼は、柩の中に横たわっていた。


 柩。死んだ人を納める箱だ。しかしこの柩は、随分変わっていた。なにしろ、ガラスでできている。蓋はぴったりと閉じられていたが、中は素通しだ。


 磨き上げられたガラスの中で、美しい花に囲まれた顔が、青白く固く目を閉じていた。ゆるくウェーブした黒髪がうねり、死んだ顔を縁取っている。


 そう。

 彼は死んでいた。

 どうしようもなく、その男は死体だった。



 なんてきれいな男だろう。


 第一印象はそれだった。

 全てを知った今だったら、決してそんな風には思いはしない。むしろ、ひと目見るなり踵を返し、全速力でその場から立ち去っただろう。


 そう。

 全てを知った今なら。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ