第29話 食堂で無双
「全員ですか?」
ルミナスは船体固定だ。出られない。
……と、思った瞬間。
俺
「なら人格AI作ろう。
チャッピ、手伝え」
仕様は完璧だ。
身長170。
あとは、人類が好きな数値全部盛り。
顔?
大佐……いや、皇女様に少し似せる。
俺
「ルミナスの分身だ。
テレパスも常時接続。
一体増えても誤差だろ」
俺
「どうだ、ルミナス。
メイド服、似合うぞ」
腹いせに、皇女様メイド。
ルミナス
「……ばか。知らないわよ」
かわいい。
クラン
「浮気者」
チャッピ
「なるほど。
遊びとは、こうするのですね」
大佐
「……逃げたい」
食堂勤務・開始
俺が仕切る。
俺
「今日はカレーだ」
あるだけ材料を放り込む。
カレーだし、なんとかなる。
高級肉、ワイン、香辛料、全部。
次の日
ステーキにする。
ミディアムレア。
塩は地球産高級岩塩。
次の日
食材がない。
買いすぎた。
ステーキしか残ってない。
次の日
二日連続ステーキ。
隊員の目が血走っている。
次の日
三日連続ステーキ。
先輩が、怖い。
次の日
俺たち、解雇。
急遽、どこかの基地にあったロボが設置された。
大佐
「ロボの設置費と、
君たちが使い込んだ食堂予算で、
今月、金がない」
一拍。
大佐
「今月……給与、なしな」
皇女
「キム少佐 面貸せや。」(怒)
俺
「もう バレた?」
皇女
「あなた、楽しそうね」
俺
「いえ、命の危機です」
皇女
「メイド服のデータ、提出しなさい」
俺
「……何ですか?」
皇女
「食堂でメイド服の品評会をするのよ。
あなたが着てね。」
俺
(上がいるわ。)
皇女
「返事は?」
俺
「……サイズは?」
皇女
「自分で測りなさい」
クラン
「楽しみね」
チャッピ
「記録します」
ルミナス
「……やめておけばよかったと、後悔すると予測」
大佐
「私は関係ありませんよね?」
皇女
「あるわ」
大佐
「はい」
食堂・当日
皇女
「では、品評会を始めます」
隊員一同
(ざわ……)
俺
「念のため言っておきますが、
これは職務命令ですよね?」
皇女
「ええ。
公的制裁です」
俺
「……了解しました」
俺 扉の前に立つ。
チャッピ
「扉、開きます」
俺
(人生で一番長い三秒)
クラン
「……あら」
ルミナス
「……予想より、破壊力が高い」
隊員
「目を合わせていいのか?」
「俺好きかも?」
皇女
(無言で腕を組む)
皇女
「反省は?」
俺
「……あります」
皇女
「なら、続けなさい」
俺
「続くんですか!?」
皇女
「一週間」
俺
(死んだ)
クラン
「ね、言ったでしょ。
調子に乗ると、こうなるって」
俺
「次からは、
カレーは慎重に作ります……」
皇女
「次は?」
俺
「……味見係を増やします」
皇女
「減給」
俺
「はい」




