第28話 皇女の苦悩
皇女
「.......」
記録は全て見た。
助けたい。
だが、現状の問題が山の如くある。
俺は、何も言わなかった。
それで充分、伝わると分かっていた。
調査結果の会議
博士
「あなたは、すべてを背負おうとしている。
それは、傲慢ですよ。」
静かな声だったが、否定ははっきりしていた。
「彼らは、地球人より知性が高いし、あの災害を生き延び、
次元断層に飲まれただけです。宇宙船毎ね。」
淡々と、しかし楽しそうだ。
「どれだけ災害が起ころうと、
暮らしは止まらない。
不自由はあっても、工夫する。
それが普通なんです」
「あれから何年ですか。
今、我々はこの太陽系に集まった異種生命体たちと共に、
新しい世界を構築しているではありませんか。
なら、彼らもできるでしょう。」
俺は思わず、博士の顔を見る。
「宇宙の真理に近づいた事で、
脅威が、わからないから
少しづつ見えて来ています。
彼らは、可能性を広げたのです。
新たな航路を開いた、
それは、未知であるが、可能性は無限にある。
恐れていては、逆に向こう側から来るかもしれません。
地球の歴史は、教科書です。
大航海時代が来たのです。
侵略される危険も判明したら、対処できます。
この宇宙の防衛は、
皇女殿下、マーズ、地球のご夫婦
で、担当してくださいね。
人数不足なら、後二人ばかり伝がありますから、
彼女達も喜んで参加しますよ。
僕は、並行宇宙の探査任務をします。
彼らを放置すると、
また とんでもない事をしそうですからね。
」
俺は思わず、博士の顔を見る。
(……顔に出てますよ。楽しいおもちゃって)
皇女が、長く息を吐いた。
皇女
「……そうね。
傲慢だったわ」
一瞬だけ、弱さが覗いた。
「わたしの民が、
そんなにやわなわけないわよね」
そして、視線が俺とクランに突き刺さる。
「でも、なんでこうも
次から次へと
とんでもないものを見つけるのかしら」
後方で、大佐が落ち着きなく立っている。
(ああ、中間管理職の顔だ)
俺たち鋭意反省中?
俺
(お疲れ様です、クランと面白そうな事をしただけです。
はい)
クラン
(あなたが一番先頭でたのしんでいたじゃん。)
チャッピ
(なるほど、ここで、こんな感じなのね。)
ルミナス
(こんなバカが、なんでこうも気になるのかしら?)
クラン
(お姉さんが教えてあげる。)
皇女
「 お前ら、うるさいわ。」
「 丸聞こえだわ。」
「 はい、決定。」
場の空気が、ピシッと締まる。
「お前たち全員、一週間、食堂勤務」
沈黙。
「隊員分、千食。
賄いロボが故障中だから。」
視線が交差する。
(お前が言うから)
(いや、お前だ)
(いやいや)
大佐
「……はい、喜んで」
どこかの居酒屋か、ここは。




