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太陽系外からの訪問者  作者: HAL
辺境監視基地 
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第02話 辺境パトロール艦隊・日誌

 第350部隊 訓練兵

 キム・ワーレン(18)


 僕は

 宇宙軍 辺境パトロール艦隊 第350部隊

 訓練兵、キム・ワーレン。


 入隊して、三ヶ月。


 この三ヶ月でやったことといえば、

 教育機械に頭を突っ込んで、知識を詰め込まれただけだ。


 航法理論。

 転移ゲートの安全規約。

 異星生命対応プロトコル。

 精神干渉時の自己防衛思考パターン。


 全部、

「理解したことになっている」。


 本当に理解しているかどうかは、

 たぶん、誰も気にしていない。


 任務は単純だ。


 指定座標へワープ。

 ドローンを100機散布。

 センサー反応を2時間監視。

 ログを保存。

 次の指定座標へ。


 それを4回。


 終わったら基地に戻って、

 任務報告、データ検証、機体整備。


 異常がなければ、

 それで一日が終わる。


 異常は、

 めったに起きない。


 辺境っていうのは、

 危険だけど、

 退屈だ。


 休みはある。


 でも、

 遊ぶ場所はない。


 未成年だから酒は飲めない。

 大人の遊びは、

 まだ「その年齢じゃない」と言われる。


 だから僕は、

 いつも訓練用体育区画にいる。


 重力ゼロ。


 相棒は、

 戦闘AIロボット

 チャッピ。

 ぼくのバディだ。ツーマンセルというらしい。

 公式名称は長いから、誰もそう呼ばない。


「今日は何やる?」


 チャッピは、首だけ傾ける。


 今日のテーマは、思いつきだ。


 西部劇。

 荒野。

 砂埃。

 ガンマン同士の対決。


 次の日は、

 時代劇。

 刀。

 間合い。

 一太刀で終わる勝負。


 その次は、なぜか坊さん。

 無重力で坐禅。

 チャッピは、一切文句を言わない。

 言えないのか、言わないのかは、よく分からない。

 でも、

 2時間、馬鹿騒ぎに付き合ってくれる。


 食事は隊の食堂。

 僕はレトルト。

 チャッピはエネルギーパック。

「似たようなもんだな」

 と言ったら、チャッピは律儀に頷いた。


 部屋は、3畳半。

 ベッドと、机だけ。

 窓がある。

 そこからは、宇宙が見える。


 最初の一週間は、感動した。

 一ヶ月で、慣れた。

 三ヶ月経つと、ただの景色だ。


 星は、いつも同じように、黙っている。

 ここは、太陽族多種生命文明の辺境。

 歴史に残る中心から、いちばん遠い場所。

 毎日、退屈な日々を過ごしている。


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