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太陽系外からの訪問者  作者: HAL
辺境監視基地 
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第01話 辺境の守り人

  <冥王星・カイパーベルト>

 辺境監視基地 

 (AI戦闘ロボット1000体 人間500人 異星人500人)

 AIと人がツーマンセルである。AIがサポート役。

 司令官も同じ。

 辺境監視艦隊 360艦隊(通称:極悪艦隊=最も悪い環境らしい )

 監視船が360艦船ある。

 冥王星を基地にして、カイパーベルトを短距離ワープして巡回している。

 360度カバーするのは不可能ですので、360の艦隊を配置している。 

 戦争を「始めさせない」ための艦隊と呼ばれている。


 資源探査前線基地

 (全て AIロボット1000体)

 資源探査が主な任務。 

 人の住む環境ではない。  



 ここには、英雄はいない。称号もない。

 そして、ここだけが、志願するものだけがくる場所。

 任命ではない、志願するかどうかだ。

 給与は破格10倍。 

 だけど、10人に聞いても九人は遠慮する。

 何もない場所、仕事は単調、娯楽がない。

 (裏はそれなりに大人の世界)

 都会からすれば、そんな場所に行きたいやつの心理がわからんとなる。

 でもここにいるやつは、自分が何を賭け台に乗せているかは分かっている。

 それが分かっている人間の集まりは、

 自然と静かになる……はずなのに、実際は逆だ。

 だからバカ話をする。

 どうでもいいことで笑う。

 酒を飲む。

 喧嘩もする。

 張り詰めた未来予測と責任を、日常側に逃がすため。

 ・今日も何も起きなかった

 ・だからこそ、明日が怖い

 ・怖いことを口にすると負けた気がする

 ・だからくだらない話をする

 ・ふと、家族や彼女を思い出す。

 ・苦い思い出が心に染みる。

 ・最後に交わした、取るに足らない会話。

 ・まだ言っていない一言。


 ここは、過酷だ。

 宇宙は美しいと言える言葉が軽い、軽すぎる。

 この美しさの真実は絶対的な苛烈な法則だ、人の領域ではない。

 ここに立つ人間は、宇宙を相手にしている。

 戦闘の最前線にいるのは兵器じゃなく、決断を引き受ける人間だ。

 秒単位の判断が、誰かの未来を消すか守るかを決める。

 だから彼らは自分を神だとは思わないし、英雄だとも思わない。

 ただ「今日の番が自分だった」と理解しているだけ。


 黄昏る日々 


 何も起きなかった日々が積み重なり、過ぎてゆく。

 これでいいんだ。

 明日も同じでいいんだ。

 人は笑い、飲み、殴り合い、そして黙って空を見る。


あの日を繰り返さない。


 戦いなんかしないが良いに決まっている 。

 だが、あの日あの時のことは忘れない 。

 突然空が割れた 。

 巨大な物体が現れて、恒星に何かを打ち込んだ。

 そして消えた。

 恒星は巨大なフレアを撒き散らし、宇宙船で逃げた。

 俺たちの星が燃えた。

 皆んな、焼けたんだ。


 辺境にいる連中は、

 宇宙を守っているとは思っていない。

 文明を背負っているとも言わない。


 ただ、

「空が割れる前に気づく役を引き受けた」

 それだけだ。


 酒を飲むのも、バカ話をするのも、

 黄昏れるのも、全部その重さを

 今日一日だけ軽くするため。


 そして明日もまた、

 何も起きないことを祈りながら、

 最悪が起きた時の手順を、頭の隅で磨き続ける。


 武器を手にしているのは、「使うため」じゃない。

 使わなくて済ませるためだ。

「どうすれば戦わせずに終わるか」を考える。

 ・相手が動けない配置

 ・撃てば自分が不利になる距離

 ・選べる手がすべて悪手になる状況

 それを作るために、日々、仮想敵を何度も何度も生み出す。

 性格を変え、思想を変え、技術を変え、

「自分より賢い敵」を想定し続ける。


 最高の勝利は、戦闘報告書に何も書くことがない日。

 英雄譚が生まれない夜。

 酒が少し不味く感じる平和。

 それでもシミュレーションはやめない。

 あの日、空が割れた記憶があるから。

 恒星が壊され、星が燃え、「ありえない」が現実になったから。


 ・傷つけるつもりはない。

 ・戦えないようにする。

 ・それが、ここにいる理由だ。


 守るために、武器を手に。

 誰かを守る。

 未来を守る。

 傷つけるつもりはない、戦えないようにするのが、最高の戦略だ。

 そのために、日々、仮想敵シミュレーションをしている。


 英雄はいない、辺境の守り人。


 今日も、天気晴朗なれど波高し。

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