第01章 皇女演説 太陽系絶対防衛圏 設立宣言
太陽系絶対防衛圏 設立宣言
太陽系に住まう、すべての生命体へ。
聞いてください。
恐れの中にある者も、
疑いを抱く者も、
すでに未来を見据えている者も。
私は、銀河帝国第三皇女。
だが今日、その肩書は意味を持たない。
なぜなら、
銀河帝国は、すでに終わったからです。
それは滅びではありません。
争い続けるための器が、
もはやこの宇宙にふさわしくなくなった。
ただ、それだけのこと。
そして、今ここに集う我々は、
その残骸の上に立つ者たちです。
地球人も、異星人も、起源は同じ。
同じDNAを持ち、同じ可能性を宿している。
違いがあるとすれば、それは生まれた星と、育った環境。
それだけです。
地球人は、
過酷な重力と短い時間の中で、
失いながらも立ち上がり、
何度でも前へ進んできました。
異星人は、
長い時をかけて技術を磨き、
秩序を築き、
宇宙の理と向き合ってきました。
どちらが優れているのではありません。
どちらも、欠けていて、
どちらも、必要なのです。
文明は、理念だけでは生まれません。
希望だけでは、守れません。
力が、必要です。
しかし
それは奪うための力ではない。
支配するための力でもない。
守ると、決め続けるための力。
我々は、もう十分に痛みを知っています。
地球人も、異星人も、
滅びの淵を見てきました。
だからこそ、私は宣言します。
これより太陽系は、絶対防衛圏となります。
ここは、誰かを裁くための場所ではありません。
ここは、誰かを同じ色に染める場所でもない。
ここは
多種多様な生命が、
それぞれの色のまま、生きるための境界。
踏み越えさせない。
奪わせない。
壊させない。
その覚悟を、我々は、文明として選びました。
太陽は、我々を照らしています。
変わらず、等しく。
その光のもと、
地球人の意志と、
異星人の叡智は、
ここに結ばれました。
宇宙を守るという戦いは、
遠い誰かのためのものではありません。
ここに生きる、
あなた自身の未来のための戦いです。
恐れる必要はありません。
孤立することもありません。
この太陽系は、もはや一つの文明です。
その第一歩を、今、ここに刻みましょう。
華やかで、多様で、奪い合わない宇宙へ。
太陽系より、新たな文明の名のもとに。
進むべき道は、すでに照らされています。




