表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽系外からの訪問者  作者: HAL
地球
25/208

第24章 皇女の強かさ

この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。


 太陽バースト予測が地球に衝撃を与える一方、

 異星側は黙って事態を見過ごしてはいなかった。

 皇女は即座にアステロイドベルトの工場群へ、

 通常ではあり得ない最優先指令を送った。


 地球が避難宇宙船の生産に右往左往する横で、

 皇女はすでに次の段階へ進んでいた。


 大型宇宙船(1000人規模)× 1万隻

 (地球側暴動・混乱対策、治安維持も兼ねる)


 避難シェルター(100人規模)× 1億台

 (物理的に転移ゲートで世界中に即時配置)


 アステロイド帯の巨大工場群

 地球の文明規模を遥かに超える自動生産システムが、

 静かに、だが恐ろしい速度で稼働し始めた。


 数日も経たぬうちに、

 世界各地の都市・荒野・海岸・山岳地帯へ〈黒い箱〉

 のような構造物が次々と転送されてきた。

 その数、すでに人類が把握できる範囲を遥かに超える。


 地球連邦は自国の努力を続けていたが、現実は残酷だ。

 どれだけ頑張っても、もう間に合わない。

 大統領はそれを知りながら、国民に説明する言葉を持てなかった。


 大統領執務室。


 皇女は椅子に腰を下ろし、

 銀色の髪を揺らしながら、ゆったりと脚を組んだ。


 皇女

「大統領……今回の件は 貸し ですよ。」


 その声音は柔らかいが、逃げ場のない圧力を孕んでいた。

 大統領は唇を噛んで頷くしかなかった。

 地球が700万台の宇宙船を作ろうとしたその隣で、

 異星側は1億台のシェルターを無言で配置したのだ。

 人類だけでは、どうにもならなかった。

 それを最も痛感していたのは、地球側の指導者だった。


 全てを見越した上で、皇女は最後の本命を切り出した。


 皇女

「大統領。

 木星以遠の星々にも我々の移住と自治領形成を認めていただきたい。

 もちろん、あなた方も共に開発しましょう。

 きっと……素晴らしい未来になりますよ。」


 柔らかく微笑みながらも、

 その背後には計り知れない軍事力・技術力・政治力が存在する。


 もはや拒否できる選択肢は地球にない。

 地球の存続を救う代償として、銀河帝国の勢力は、

 いよいよ太陽系の深部へと進出を始めようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ